おはようございます。横浜市港南区の雨漏り修理・屋根修理の専門店エフ・エス屋根の広報担当です。
そろそろ台風の季節になってきましたね。
台風の後には屋根の点検をおすすめします。
屋根修理で電話などをされたときに「屋根の種類はなんですか?」と聞かれることもあるかと思いますが簡単に屋根の種類をご紹介します。
屋根は大きく分けて4つの種類があります。
「瓦」「スレート(コロニアル)」「金属屋根」「アスファルトシングル」の4種類です。
今回の記事では、その中から主な種類の屋根材についてそれぞれの特徴や耐用年数、メリットやデメリットについてご紹介いたします。
屋根の葺き替えやカバー工法をお考えの方は屋根材選びの参考にされてみてください。
瓦屋根
おなじみの日本の伝統的な屋根素材です。、粘土(土)を素材にした焼き物の瓦は厚みと重量がありますがその分耐久性、遮音性、耐熱性に優れています。
高温多湿の日本の風土に合わせて先人が改良してきた知恵がつまっており、瓦同士の隙間によって通気性が確保されます。
また昭和初期に主流であった土葺き工法は、瓦を固定するために瓦の下に大量の土を葺き、この土が今でいう防水シートの代わりをし、水を吸ったら自然に乾燥し、土が呼吸することで空気を循環させることで通気性や断熱性の機能がありました。
しかし土には重量があるため、最近では土葺きは用いられず、土の代わりに防水シートを敷き、桟木に引っかけて固定する引っ掛け桟瓦葺きが主流となっています。
安価で大量生産ができて軽量なスレート(コロニアル・カラーベスト)が登場する1980年代前半までは主流の屋根材でした。
最近では遮熱性に優れた軽い瓦屋根も開発されています。
耐久年数:約50年~100年
施工費用:9,000円~13,000円/ ㎡
瓦屋根のメリット
- 耐久性、遮音性、耐熱性に優れる
- 重厚感あるデザイン性に優れる
- 破損した際に一枚から交換や差し替え可能
- 瓦屋根の形状から隙間ができるため通気性や断熱性に優れる
瓦屋根のデメリット
- 重量があるため耐震性に劣る
- 瓦の重量に耐えられる建物構造が必要
- 強風で瓦がずれたり破損することがある
- 瓦専門の職人が施工する必要があり施工できる業者が少ない
瓦屋根のメンテナンス
瓦は耐用年数が50年を超える非常に耐久性の高い屋根材ですが、メンテナンスフリーではありません。屋根を長持ちさせるには屋根の漆喰や下地の防水シートなどの定期的な補修やメンテナンスが必要です。
リフォームの際にはカバー工法は行えないため、葺き替えか葺き直し工事となります。
セメント瓦
セメント瓦とは、名前のとおりセメントを主な材料としている瓦です。セメント瓦は、プレスセメント瓦(厚形スレート)とコンクリート瓦の二種類に分類されます。
瓦よりも製造コストが安いため、住宅不足となっていた高度経済成長期であるる1980~90年代に主に流通しました。
様々な種類や形のバリエーションがあり、価格が安いことから以前は広く普及していましたが、その後より軽量で安価なスレート屋根が登場して以降あまり使用されなくなりました。現在ではほぼ生産が終了しています。
耐久年数:約30~40年
施工費用:6,000円~8,000円/㎡
セメント瓦のメリット
- 瓦よりも価格が安い
- 耐用年数が比較的長い
- 厚みがあるため遮音性に優れる
- 色やデザインが豊富
セメント瓦のデメリット
- 重量があるため耐震性に劣る
- 塗装によるメンテナンスが必要
- 衝撃に弱く割れやすい
- 現在ほぼ生産が終了している
セメント瓦のメンテナンス
セメント製のため屋根材自体に防水性がないため、塗装によるメンテナンスが必要です。約10~15年で再塗装を行います。
また棟部の漆喰も劣化するためこちらもメンテナンスが必要となります。
セメント瓦も凹凸のある屋根のためカバー工法には適しません。リフォームの際には葺き替えとなります。
スレート系屋根材
スレートはセメントを主成分とする厚さ5mmくらいの薄い板のような屋根材です。
「コロニアル」「カラーベスト」と呼ばれることがありますがこれはいずれも商品名で同じものを指します。
1990年代に安さと施工のしやすさで屋根材のトップシェアを占めていました。しかしアスベストが規制される前の初期のスレートには耐久性を高める目的でアスベストが使用されており、2000年代にアスベスト問題が顕在化すると一旦シェアが落ちて瓦屋根材に抜かれます。
しかし東日本大震災発生後、2010年前半にかけて屋根の軽量化が重視されるようになると再びトップシェアを占めるようになります。
耐久性はさほど高くありませんが、安価で軽量でバリエーションが豊富なことが広く支持された理由です。
第一世代スレート(~1990年ごろ)にはアスベストが含まれている可能性があります。
耐久年数:約20年~25年
施工費用:4,500〜8,000円/ ㎡
スレート屋根のメリット
- 比較的安価な屋根材
- 色やデザインのバリエーションが豊富
- 施工できる業者が多い
- 瓦屋根よりは軽量
スレート屋根のデメリット
- 屋根材そのものが薄くセメント製のため割れやすい
- 定期的な塗装が必要
- 2004年以前のものはアスベストを含む可能性がある
スレート屋根のメンテナンス
スレート屋根の主成分はセメントで屋根材本体には防水性がないので約10年ごとに塗装によるメンテナンスが必要です。
耐用年数が20~25年であり、その頃になるとカバー工法によるリフォームが必要です。雨漏りなどによって野地板が劣化している場合には下地ごと取り換える葺き替え工事となります。
金属屋根(トタン屋根)
以前は金属屋根といえばトタンでした。トタンは雨漏りしにくく軽量で安価なため人気がありました。
しかしさびやすく、錆を放置すると腐食が進行して穴が空いてしまうなど耐久性に難があります。
また断熱性能に劣るため室内温度があがりやすいというデメリットもあるため、近年ではあまり使用されていません。
施工費用:5,000円~6,000円/㎡
耐久年数:約10~20年
トタン屋根のメリット
- 安価である
- 施工がしやすく工期も短い
- 金属のため耐火性能が高い
- 軽量で耐震性に優れる
トタン屋根のデメリット
- 定期的なメンテナンスを行わないと錆びてしまう
- 断熱性が低く夏場の室内が高温になる
- 遮音性が低いため雨の音が気になる
- デザイン性には劣り、安っぽく見えてしまう
トタン屋根のメンテナンス
約7~10年ごとに塗装による定期的なメンテナンスが必要。錆が出てきたら錆落としと錆止め塗装を行わないと錆が広がって雨漏りを起こしてしまいます。トタン屋根は現在はガルバリウム鋼板によるカバー工法や葺き替えが主流となっています。
金属屋根(ガルバリウム鋼板・SGL鋼板)
現在では屋根材の主流は金属屋根となり、その中でもガルバリウム鋼板とSGL鋼板が主流となっています。
1982年ごろにガルバリウムという合金でメッキをしたガルバリウム鋼板が登場しました。
ガルバリウムはアルミニウムを55%、亜鉛を43%含み、耐食性・耐熱性に優れた鋼板です。亜鉛の働きでトタンのさびやすいという欠点もカバーし、徐々にトタンに替わって使用されるようになります。
2010年代後半からスレートに代わってガルバリウム鋼板が屋根材のシェアを占めるようになりました。
最近ではガルバリウム鋼板をさらに改良してめっき素材にマグネシウムを配合することでさらに錆びにくく、耐久性も向上したSGL鋼板が登場してこちらが主流となりつつあります。
耐久年数:約30年、沿岸など塩害地域で約15年
施工費用:6,000〜9,000円/ ㎡
ガルバリウム鋼板・SGL鋼板のメリット
- 金属のため耐火性に優れる
- 屋根材の中で最も軽量であり耐震性に優れる/li>
- ガルバリウム鋼板はトタンの4~6倍の耐食性
- SGL鋼板はガルバリウム鋼板よりさらに3倍の耐食性で沿岸地域でも使用可能
トタン屋根ガルバリウム鋼板・SGL鋼板のデメリット
- 断熱性に乏しい(断熱材一体型やオプションで付けることが可能)
- 衝撃に弱く、表面が凹みやすい
- 雨音が気になるなど防音性に乏しい
- 防音性や断熱機能のあるものは価格が高い
ガルバリウム鋼板・SGL鋼板のメンテナンス
ガルバリウム鋼鈑はさびにくく耐久性の高い屋根材ですが、15~20年の周期でメンテナンスが必要です。海沿い地域では劣化が早いため早めのメンテナンスをおすすめします。耐用年数が近づいたらカバー工法や葺き替えによるリフォームが必要です。
金属屋根(ジンカリウム鋼板)
ジンカリウム鋼板とはガルバリウム鋼板とほぼ組成が同じの鋼板です。この鋼板の表面に、石粒を吹き付けた屋根材を石付きジンカリウム鋼板とも呼びます。
日本えはジンカリウム鋼板とはほぼこの石付きの屋根材のことを指します。
表面にセラミックコーティングした石粒がついているので遮音性が高くなっています。
耐久年数:30年以上
施工費用:7,000円~12,000円 / ㎡
ジンカリウム鋼板のメリット
- 金属製のため耐火性に優れる
- 表面の石粒がセラミックコーティングされているので塗装は基本不要
- 表面の石粒により遮音性や断熱性もある
- 金属製で軽量
ジンカリウム鋼板のデメリット
- 海外製品で輸入材が多く、価格が高め
- 断熱材一体型のものよりは断熱性が劣る
- 表面の石粒が落ちてくることがある
ジンカリウム鋼板のメンテナンス
ジンカリウム鋼板は表面の石粒に着色がされているため塗装によるメンテナンスは基本的に不要です。下葺き材である防水シートや棟板金の浮きなどに対しては定期的な点検をおすすめします。
アスファルトシングル
アスファルトシングルとはアメリカで開発された屋根材で、北アメリカでは非常によく流通しています。
ガラスの繊維をアスファルトでコーティングして表面に石粒(砂)を張り付けた屋根材です。
2007年の建築基準法改正によって、日本でも屋根材として使用することが可能になりました。
現在の日本のシェアはまだ4~5%程度ですが増加傾向にあります。シート状になっており、「防水シートが仕上げ材となった屋根材」とも言われる合理的な屋根材。シート状なので加工がしやすく複雑な形状の屋根にも施工がしやすくなっています。表面に天然石を付着させた商品もあり、これは耐久性・耐候性・デザイン性に優れています。
耐久年数:約20年~30年
施工費用:6,000円~8,000円/ ㎡
アスファルトシングルのメリット
- シート状なので加工がしやすい
- 軽い屋根材のため耐震性に優れる
- 天然石付着のものは耐久性・耐候性・デザイン性に優れる
アスファルトシングルのデメリット
- 日本で導入事例が少ないため施工できる業者が少ない
- 強風で剥がれることがある
- 表面に凹凸があるためコケなどが生えやすい
- 表面の石粒が剥がれてくる
アスファルトシングルのメンテナンス
アスファルトシングルは表面の天然石が保護しておりまた着色の効果もあるため塗装は不要です。10年おきに点検を受けて補修を行いましょう。
まとめ
今回は瓦屋根、スレート、金属屋根、アスファルトシングルの四種類の屋根についてご紹介しました。
それぞれ特色があり、耐用年数やメンテナンス頻度も異なります。屋根を選ぶ際には機能や見た目の他にメンテナンス性なども考慮して選ばれるとトータルのコストが安くなります。
もしも屋根の種類がよくわからないという場合は屋根の無料点検を実施してますのでお気軽にお尋ねください。
屋根はなんとなく一生持つようなイメージをもたれている方もおられるかもしれませんが、それぞれ耐久年数があります。耐用年数を超えると葺き替えなどのリフォームが必要になります。
それぞれの屋根に必要なメンテナンスを定期的に行うことで屋根の寿命をのばすことができます。
横浜の屋根のことならエフ・エス屋根にご相談ください。