屋根修理屋の屋根ブログ
トタン屋根とは? 修理やメンテナンスについて
2022/08/31
こんにちは、横浜の屋根修理・雨漏り修理専門店、福田総業です。
現在では金属屋根といえばガルバリウム鋼鈑が主流ですが、ひと昔前までは金属屋根といえばトタン屋根が一般的でした。屋根材のみでなく外壁材としても使用されています。
トタン屋根とは
トタンは1872年に初めて日本で採用されました。鉄道が全国に普及するとともに、蒸気機関車が噴き出す火の粉で沿線の住宅火災が増えたことを受けて、住宅の屋根に燃えにくいトタン屋根が広く使用されるようになりました。
トタンは軽量で安価であり、また丈夫で施工もしやすいということで全国に広まっていきます。
1923年の関東大震災後には落下したら危険な瓦よりも燃えにくく軽量なトタンに注目が集まり、爆発的に需要が増えていきます。
トタンは正式には亜鉛メッキ鋼鈑といい、薄い鋼鈑の表面を亜鉛でメッキ加工しています。亜鉛には犠牲防食という作用があり、傷ついて表面が露出した際に、イオン化しやすい亜鉛が鉄よりも先に溶け出すことで鉄の錆びを食い止めます。このため他の金属よりはさびにくくなっています。
しかし1972年により優れたさびにくく丈夫なガルバリウム鋼鈑が登場すると、トタンよりもガルバリウム鋼鈑が屋根材や外壁材の主流となっていきます。
トタン屋根の主な種類
瓦棒葺きトタン屋根
縦の方向に45cm程度の間隔で木製の桟を敷設してトタン板を敷いていく屋根です。
この心木となる木製の桟を瓦棒と呼びます。瓦棒をトタンでくるため、45cm間隔で四角の盛り上がり部分ができるのが特徴です。
一寸勾配(約5.9度)という緩い勾配の屋根でも施工が可能です。
立平葺き(縦ハゼ葺き)トタン屋根
板金の重なり部分に心木を使用せずに、つなぎ目を折り曲げ加工した屋根。
木の心木を使用しないため木材の腐食のデメリットがなく瓦棒葺きより防水性に優れています。さらに0.5寸勾配(約5.9°)の屋根にも施工が可能です。
波板トタン屋根
小屋、物置から倉庫、住宅など広い範囲で使用されている波板にトタン屋根を使用している屋根です。
アーチ型に薄い板金を加工することで強度を補っています。
折板トタン屋根
倉庫や駅の自転車置き場、体育館など大きな建物で使用されている台形が連続した形の金属屋根です。
波板と同じく台形に加工することで強度を補っています。
トタンとガルバリウムの違いと見分けかた
トタンとガルバリウムは見た目がとてもよく似ているため、見た目だけで見分けることはほぼ不可能です。
違いとしては、トタンは亜鉛メッキであるのに対して、ガルバリウム鋼鈑は、アルミニウム55%とシリコン1.6%を混ぜたアルミ亜鉛メッキであるという点です。
ガルバリウムはトタンの3~6倍の錆びへの強さをもちますが、それはこのアルミニウムによるものです。
アルミニウムと亜鉛を混ぜることで、犠牲防食作用で溶けた亜鉛の部分をアルミニウムの酸化被膜によって錆の進行を止める自己修復機能があります。
ガルバリウム鋼鈑は1982年に日本で発売されたため、それ以前に建造されていればトタン屋根だと言えます。
トタン屋根のメリット
トタンには前述のように、安くて軽量で、また耐火性が高いということにあります。他にも当時普及していた屋根材よりも耐久性が高かったことも広く普及した原因です。
トタン屋根のデメリット
錆びやすい
トタン屋根はガルバリウム鋼鈑に比べるとさびやすいというデメリットがあります。
同じ金属屋根でも、ガルバリウム鋼鈑だけでなくさらにガルバリウム鋼鈑を改良したSGL鋼鈑などどんどん高機能な屋根材が登場し、軽くて丈夫な金属屋根と選ぶ場合、値段もガルバリウム鋼鈑とほぼ変わらないため、トタンを選ぶメリットがなくなってしまいました。
夏場に高温になりやすい
金属屋根はチタン以外では熱伝導率が高いため、夏場に高温になりやすくなります。
ガルバリウム鋼鈑やSGL鋼鈑は遮熱塗料が表面に塗装された商品もあるため、このデメリットが解消されています。さらに最近の金属屋根は、裏に断熱材が裏打ちされている商品が増えています。
トタンの場合は、遮熱塗料を塗装し、遮熱機能をもった防水シートを使用することでこのデメリットを解消できます。
雨音が気になる
金属屋根のデメリットとして雨音が響くという点があります。
小雨ならともかくゲリラ豪雨など激しい雨の場合には雨がとてもうるさく感じるという人もいます。
断熱材が裏打ちされている金属屋根では遮音性も高められるためこのデメリットを解消できますが、トタンの場合には遮音性のあるシートを下に敷く必要があります。
トタン屋根のメンテナンス
屋根塗装
トタン屋根は定期的に塗装でメンテナンスをする必要があります。
錆が広がっておらず、屋根そのものの傷みがひどくない場合に行います。
ケレンでしっかり錆びや汚れをとってさび止めの下塗り材を塗ってから塗装をする必要があります。
錆が広がっており、穴が空いている場合や部分的に崩れているような場合には塗装だけでは修理できないため、交換が必要です。
カバー工法
現在のトタン屋根の上に新しい防水シートと新しい屋根を葺く工法です。
トタン屋根を使用している建物は、軽い屋根材を想定して設計されていることが多いため、上に敷く新しい屋根は軽量の金属屋根であることが多いです。
屋根の下の下地材が傷んでいる場合には施工できません。
屋根葺き替え工事
今のトタン屋根を解体・撤去して新しい屋根に葺き替える工事です。こちらも同様に新しい屋根には軽量な金属屋根を使用するのが一般的にです。
トタン屋根を傷みがでている部分だけ葺き替えることも可能ですが、葺き替えが必要なほど錆びや傷みが進行している場合、葺き替えなかった場所に穴が空いてしまったということもあるため慎重に屋根全体を調査する必要があります。
トタン屋根は定期的なメンテナンスが欠かせません。
錆が出てしまう前に補修を行ってください。
トタン屋根の補修や葺き替えは横浜の板金屋根業者・福田総業にご相談ください。
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