セメント瓦とは?メンテナンス方法や劣化症状・修理方法について

2022/08/19

こんにちは。横浜市港南区の屋根修理・雨漏り修理の専門店「福田総業」の広報担当です。

皆さんは「セメント瓦」という名前を耳にしたことはありますでしょうか?丈夫なため高度経済成長期に普及したセメント製の屋根材です。
ここ横浜でも見かけますが、普及したのが約30~40年前なので劣化が気になるというご相談もよくいただきます。
今回はセメント瓦について特徴やメリットとデメリット、そして補修方法についてご紹介いたします。

セメント瓦とは?

セメント瓦とは
セメント瓦とは、その名の通りセメントを主成分として、瓦の形に成型した屋根材のことです。
一般的な日本瓦は、粘土を主成分として高温で焼き上げて作るため素材や製造方法が異なります。

セメント瓦は、セメントと川砂を混ぜて型枠に入れ高圧でプレスして製造した後に、高耐久性塗料で塗装をしています。窯で焼く粘土瓦よりもコストが安いため、住宅供給への需要に対して供給が追い付かず住宅不足となっていた高度経済成長期の1980~90年代に流通しました。
セメント瓦は陶器瓦とも形は似ていますが、陶器瓦も素材は粘土で、表面に釉薬をかけてコーティングしてあり、表面がガラスのようにつるつるしているのが特徴です。セメント瓦はセメントに塗装されているため表面はざらざらしています。

広く普及している化粧スレートも主成分はセメントです。
スレートの厚さは約5mmでかなり薄い屋根材です。一方のセメント瓦は厚みが平均10~25ミリあります。
このスレートも1939年に当時屋根材の強化のために使用されていた石綿(アスベスト)が、戦争のため配給停止となったことを受けて、厚みを持たせて強度をつけるために厚型スレートの生産が始まったとされています。
この厚型スレートをセメント瓦と呼ぶこともあります。

セメント瓦のメリット

色とデザインが豊富

セメント瓦はプレスして成形するため、デザインが豊富で、塗装で仕上げることによってカラーバリエーションも多くなっています。
瓦の形だけでなく、平型や洋瓦など洋風のデザインもあり、家に合わせて好きに選ぶことができます。

耐用年数が長い

セメント瓦は耐用年数は30~40年とされており比較的寿命の長い屋根材です。
陶器瓦に比べると寿命は短いものの、葺き替えのサイクルは長めとなっています。
屋根材自体に厚みがある分丈夫で、メンテナンスをしっかり行うことで長持ちさせられます。
また素材がセメントという不燃材料でできているため、燃えにくいというメリットもあります。

燃えにくい

セメントは不燃材料なので、耐火性に優れているという特徴があります。
火事の際に火がつきにくいので、燃え広がりにくい材料です。

セメント瓦のデメリット

衝撃に弱い

セメント瓦は素材がセメントのためしなりがなく、衝撃には比較的弱く割れやすい性質があり、衝撃が加わると割れてしまうことがあります。

塗装によるメンテナンスが必要

セメント瓦は主材のセメントそのものには防水機能がないため塗装によって防水をしています。
そのため定期的な塗装によるメンテナンスが欠かせません。
経年劣化で防水効果が弱まると、セメントに雨水が浸み込み建物内部に水が入り込んでしまいます。
セメントは水を吸収しやすい性質があり、塗装が劣化し水が浸み込むと膨張し、乾くと収縮するを繰り返して負荷がかかっていき、割れてしまいます。

屋根が重くなる

セメント瓦の重さは粘土瓦とほぼ同等で、1㎡あたり約60kgとなります。
ガルバリウム鋼鈑など金属屋根は1㎡あたり約5kg、スレートは約20kgなので屋根の中でも重い屋根材に分類されます。重い屋根は建物に負荷がかかり、地震の際の揺れも大きくなります。

劣化するとコケが生えやすくなる

経年劣化で塗装の機能が衰えてくると色があせ、セメント瓦そのものの色があせてしまいます。
そして塗装が劣化すると塗膜のコーティングがなくなり、セメントの表面には凹凸がありざらざらしているためそこに水が溜まってコケが生えやすくなります。

セメント瓦の補修方法

部分張替え

通常瓦が一部割れていたりずれている場合には部分的に張替えを行いますが、現在セメント瓦は生産されていないため、部分張替えはできません。
そのためシーリングなどで接着するなど応急処理をとることになりますが、全体に劣化が進行し、雨漏りが発生している場合には葺き替えが必要になります。

塗装

セメント瓦がそこまで劣化していない場合には塗装で防水層と美観の回復を行います。
劣化を補修し、高圧洗浄でコケや汚れをきれいに落としてから塗装します。

モニエル瓦に注意!

ただし、セメント瓦の中でも「モニエル瓦」に代表される一部のセメント瓦には、着色スラリーという着色剤で塗装を施されており、表面に「スラリー層」という膜ができています。
もしそのまま上から塗装すると、スラリー層ごと剥がれてしまうため、モニエル瓦やスラリー層のある瓦を塗装する際には一度スラリー層を剥がしてから塗装をする必要があります。

葺き替え

セメント瓦を撤去、一部では雨漏りもしていました

セメント瓦の劣化が進行している場合には葺き替えとなります。
セメント瓦が普及してから30~40年が経過しており、そろそろ耐用年数が近づいていることで、雨漏りが発生しているケースも多いです。
台風が来る前に、一度ご自宅の屋根をチェックされてみてください。

セメント瓦の劣化症状

セメント瓦に下記のような症状が出ているとメンテナンスが必要なサインです。
症状に合わせた補修をご検討ください。放置していると劣化が進んで雨漏りを起こすことがあります。

色褪せや苔が生えている

セメント瓦の色褪せや苔の発生

新築当初は塗装されているセメント瓦も紫外線や風雨の影響で次第に塗装が劣化してきます。
塗装が色褪せている、下地のセメントが見えてしまっている、苔やカビが生えているような場合には、経年劣化して塗装が劣化している状態です。
塗装が劣化していると塗装が持つ防水機能が低下しています。すぐに雨漏りするわけではありませんが、塗り替えが必要です。

ひび割れている、ボロボロになっている

 

セメント瓦の劣化の状態~強風で飛びそうになっています

表面を保護する塗装が劣化してくると、セメント瓦が雨を吸い込んで膨張し、乾燥して収縮することを繰り返すことでひび割れが発生します。
このまま放置しているとひび割れが進行して、セメント瓦が割れてしまったり、やがてボロボロになって崩れてきます。
こうなると雨が下にある防水シートの劣化を促進し、その下の野地板にまで到達すると野地板が腐食してやがて雨漏りを起こします。
ひび割れが発生していたら早めに屋根調査や屋根修理をご検討ください。

劣化したセメント瓦からの雨漏り発生と屋根修理の事例

劣化してボロボロになってしまったセメント瓦から雨漏りが起こってしまい、屋根修理を行った事例をご紹介します。
写真のように、経年劣化でセメント瓦の劣化がかなり進行している状態でした。

工事前のセメント瓦の状態

雨漏りが発生しており、下地の状態から葺き替え工事が必要と判断いたしました。

セメント瓦を撤去下地がボロボロになり雨漏りが発生

既存のセメント瓦を撤去し、野地板が腐食していた箇所を補修します。

野地板を増し張りしてから防水紙を施工屋根とパラペットの接合部、壁際からの雨水の侵入を防ぐため、L形の板金部材を取付けてから壁を張っています屋根にヒランビー220を貼った完成状態

野地板を増し張りした後、新しい屋根材(ヒランビー220)を施工します。
屋根の周囲のパラペット部も傷んでいたので補修し、同じ素材で仕上げて雨仕舞も行っています。

現場住所 東京都品川区
施工内容 雨漏り修理〈葺き替え工事〉
使用屋根材 ヒランビー220

まとめ

セメント瓦はセメントを主成分とした瓦です。
耐用年数が長く瓦よりもコストが安いこともあって、高度経済成長期に普及しました。
セメント瓦は屋根材そのものに防水性がないため定期的な塗装によるメンテナンスが必要です。
屋根材そのものの耐用年数が30~40年であり、耐用年数が切れている場合には塗装ではなく葺き替え工事となります。

横浜市や川崎市でのセメント瓦の葺き替えをお考えの方は実績ある福田総業にご相談ください。


弊社のセメント瓦葺き替え工事の施工実績は下記をご覧ください。



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