大切な愛車をガレージや車庫に格納しているという方も多いかと思います。
一口にガレージといっても住宅と一体型したタイプや独立したタイプなど様々なタイプがありますが、造りや構造が簡易なためやや雨漏りしやすい場合があります。
家屋と違ってガレージで起こる雨漏りはつい放置しがちになってしまうかもしれませんが、放置しておくと愛車が汚れるだけではなく、見えない内部で被害が進行してガレージそのものが劣化してしまうこともあります。
ガレージでの雨漏りは放置せずになるべく早く補修を行うと修理費用も安くて済みます。
今回はガレージの種類や、雨漏りの原因、修理方法などについてご紹介いたします。
ガレージの種類
車庫やガレージは、カーポートとは異なり、三方を壁に囲まれており、屋根があるものを指します。
木造や鉄骨造、コンクリート造など様々な造りのものがあります。主に下記の二つの形態があります。
独立型ガレージ
住宅とは別に独立して建てられたガレージです。
住宅を建てた後から建てることができ、比較的安価なガレージです。家からガレージまで屋外を通るため雨が降っていると濡れてしまうデメリットがあります。
ビルトインガレージ
住宅とガレージが一体となったものをビルトインガレージと呼びます。
住宅を建築する際にガレージを一緒に設計するタイプの住宅をガレージハウスと呼びます。
住宅の一階部分がガレージとなっています。ガレージに行くのに外を通る必要がなくなりますが、ガレージを設置する分居住スペースが狭くなってしまうというデメリットがあります。ガレージのない住宅に後からリフォームで設置することもあります。
掘り込み型ガレージ
家が道路よりも高い場所にある場合に、高低差を利用して車庫を埋め込んだタイプのガレージです。
構造上強度に問題がなければ上に住宅を載せることや、丈夫を庭として利用することができます。車が増えても車庫スペースを増やしにくく、地中にあるため雨水の染み込みや湿気がこもる場合があります。
ガレージや車庫の雨漏りの原因
独立型のガレージでは、、掘り込み型では天井からの雨漏りが多くなる傾向があります。
屋根や外壁の塗装の劣化
特に独立型のガレージでは、屋根や外壁から雨漏りしやすい傾向があります。
周囲の外壁や屋根は新築当初は塗装で防水されていますが経年劣化で防水効果が切れてくると、外壁や屋根に雨が染み込んで雨漏りを起こします。特に木造の場合、雨によってカビや腐食を起こします。
屋根の劣化や錆
独立型のガレージや車庫の屋根では、ポリカーボネイドやガルバリウム鋼鈑などが多く使用されています。
ポリカーボネイドは衝撃に強い素材ですが、経年によって熱で変形を起こすことがあります。
ガルバリウム鋼鈑は耐食性に優れた金属製の屋根ですが傷やへこみがつきやすく、傷ついた場所から錆が発生して放置すると穴が空くことがあります。他にも素材を固定するボルトが経年でゆるみ、そこから雨水が伝って雨漏りを起こすこともあります。
金属屋根は定期的な塗装によるメンテナンスが必要です。
結露の発生
特に金属の折板屋根の場合、下地がないため結露が発生しやすくなります。
また掘り込み型ガレージは湿気がこもりやすく、結露が起こりやすいガレージタイプです。
結露が常にしているような環境では木材の腐食や金属の錆が起こるリスクが高まるため注意が必要です。
屋根や樋の排水不良
住宅の屋根に降った雨がガレージの屋根に流れ込む構造の場合、ガレージの屋根が排水できずにオーバーフローを起こすことがあります。オーバーフローした水によって屋根の劣化の進行や雨漏りの危険性が高くなります。
またガレージや車庫の屋根が外側からは見えない箱樋(内樋)などの排水経路がある場合、落ち葉やゴミなどが詰まったことに気づかず、オーバーフローを起こして雨漏りを起こすことがあります。
防水工事の劣化
車庫やガレージがコンクリート製の場合、防水工事がされていることが一般的ですが、防水加工が経年で劣化するとひび割れなどの症状を起こして雨漏りを起こしやすくなります。
もしも防水工事を行っていない場合コンクリートに雨が染み込んでコンクリートが爆裂など劣化を起こす他に、雨漏りの原因にもなります。
ビルトインガレージで、ガレージの上がテラスや住居になっている場合、テラスなどの防水加工が劣化して雨漏りすることもあります。もしも上に庭がある場合、植物の根が防水層やコンクリートを突き破ってしまうこともあります。
ビルトインガレージの場合、丈夫に住居や庭があると修理が困難で、修理費用も高額になる場合があります。
ガレージや車庫の雨漏りの修理方法
部分補修
もしも雨漏りがひび割れやコーキングの劣化など軽微なものであれば部分的な補修で可能です
木造や金属の場合は、補修の後に塗装を行うと安心です。金属の場合は錆を落としてから錆止めを塗装して仕上げます。コンクリート材の場合はモルタルなどで補修を行います。
DIYが可能な場合もありますが、内部の見えないところで進行している可能性もあるため、雨漏りがあった際には進行状態や被害状態など専門業者に調査を依頼することをおすすめします。
屋根リフォーム(カバー工法、葺き替え)
ポリカ波板や金属屋根が劣化して雨漏りを起こしており、屋根が全体に傷んでいるような場合には屋根の葺き替えやカバー工法を行います。
折板屋根の場合は、上から屋根を被せるカバー工法がよく用いられます。
金属屋根で下地がなく、暑さが気になる場合には、断熱材をはさんで施工することも可能です。
下地まで傷んでいる、固定している部分まで劣化しているような場合には古い屋根を解体して新しい屋根を施工する葺き替え工事を行います。
防水工事
防水加工の劣化が雨漏りの原因の場合、防水層の補修や防水工事を上から行います。
またコンクリート造のガレージの場合、外側から防水工事を行うこともあります。
防水工事にはウレタン防水やFRP防水、シート防水など各種類があり、下地の状態や環境になどによって決定されます。
ガレージや車庫のメンテナンス
ガレージや車庫は木造や金属製の場合、20~30年が耐用年数とされています。耐用年数が近くなると経年劣化によって不具合が出始めます。
ガレージは住宅より使用頻度が低いためメンテナンスにあまり気が回らない場所ではありますが、10年に一度の周期で点検や塗装などのメンテナンスを行うことで雨漏りを防ぎ、長持ちさせることができます。
鉄筋コンクリート造の場合の耐用年数は30~50年程度と言われています。コンクリートも経年で劣化し、ひび割れなどが起こると内部の鉄筋の錆が発生したりします。修復が大変になる前に定期的な点検や補修を行うことをおすすめいたします。
まとめ
大切な愛車を守るガレージや車庫は住宅よりも造りが簡単であることが多いため、意外と雨漏りしやすい場所でもあります。
雨漏りの原因には屋根や外壁の塗装の劣化、屋根の劣化や錆、防水工事の劣化など様々な要因があります。またガレージの種類によっても発生しやすい要因が異なります。
特に掘り込み型のガレージは雨漏りしやすく、修理も大変な場合が多くあります。ガレージの特徴をつかんで雨漏りしやすい場所をチェックしておくことで早めに雨漏りのサインをキャッチしましょう。
雨漏りは軽微である場合にはDIYできることもありますが、見えない内部で進行していることも多く、確実に修理するため、専門業者に調査と修理を依頼することをおすすめいたします。