寒い冬に暖房を付けていると窓に結露が発生するのは珍しくありません。
しかし天井から水滴が落ちてきたり天井が濡れている場合、結露なのか雨漏りなのか迷うことがあるかもしれません。
結露かと思っていたけど実は雨漏りだったということも実はあります。
結露も雨漏りも家の中で発生する水濡れのトラブルです。
しかし発生方法も対処方法も異なるため明確に見分けることが重要になります。
こちらでは結露と雨漏りの見分け方や対処方法についてご紹介します。
結露の発生方法
空気は温度によって含むことができる水分の量が決まっています。
温かい空気は冷たい空気よりもたくさんの水分を含むことができる性質があります。
暖房で暖められた空気はたくさんの水蒸気を含めますが、冷たいガラスなどに触れて空気が冷やされると空気がそれ以上含むことができなくなった水分が水滴となって現れます。これが結露の仕組みです。
雨漏りの発生方法
雨漏りは外部から家の中になんらかの形で侵入してきた雨水が原因です。
家は雨が入り込まないように作られていますが、たとえば屋根の破損や屋根の防水シートの劣化、外壁のシーリングの劣化、ベランダの防水機能の劣化など様々な原因によって破損個所が生じるとその隙間から雨が入り込んで室内に現れます。
雨漏りと結露の見分け方は?
発生する時期
結露は冬に発生しやすい特徴がありますが、雨漏りは季節に関係なく台風や大雨のあとなど雨が降った後に発生します。
雨が降っておらず晴れた日が続いているのに水滴が発生するのは結露の可能性が高いです。
ただ雨が降っている時だけ発生する雨漏りもあれば、雨が降って数日後に発生する雨漏りもあります。
内部に侵入した雨は外壁や屋根裏などの内部を通ってゆっくりと室内に到達するためすぐには雨漏りを起こさないケースもあります。そのため「晴れている(雨が降っていない)のに雨漏り」という現象が発生することも珍しくありません。
発生する場所
窓には特に冬場に結露が発生しやすい場所です。そのため見分けがつきにくい場所でもあります。
窓や壁全体やサッシの全体など広範囲に水滴が発生している場合は結露の可能性が高くなり、サッシの一部分や木枠が濡れているなど部分的な場合には雨漏りの可能性が高くなります。
窓から雨漏りというのはイメージがつきにくいかもしれませんが、窓からの雨漏りは実は発生件数が高く、窓が濡れているから結露かと思ったら雨漏りだったというケースも多く存在します。
多くの人は天井から雨漏りするというイメージが多いかと思いますが、天井にも結露は発生します。
恐ろしいのが室内で暖められた空気が冷たい天井裏や壁の内部の冷たい空気に冷やされて目に見えない場所で発生する内部結露です。
内部結露は放置すると断熱材や柱など建物にとって重要な箇所が腐食して傷めてしまいます。
内部結露があると壁の中や天井裏で水滴の音がする、部屋がかび臭いなど雨漏りの初期症状と似たような現象が起こります。
内部は目で確認できないので調査を依頼してください。
発生する状態
雨漏りは雨が室内へ侵入して発生するため、水滴がぽたぽた頻繁に落ちてきたりチョロチョロ流れたりと移動をして発生することが多くなります。
結露は室内内部の空気の温度変化によって発生するため、面全体に発生し、あまり移動することはありません。水滴もゆっくりと集まって大きくなってから落ちてくるので落ちてくる頻度も高くありません。
雨漏りの場合の対処方法
雨漏りの場合は、床や家財に被害が出ないようにまずは応急処置をしておいてください。
雨漏り調査を専門業者に依頼する
そしてすぐに雨漏り修理の専門業者に調査を依頼してください。
雨漏りは建物のどこかが破損や劣化を起こして雨水が侵入しているため、その侵入経路と原因を突き止めることが求められます。
原因がわからないと対処方法ができません。
雨漏り調査にも水を撒いて雨漏りを再現する散水調査や、特殊な赤外線カメラを使用するサーモグラフィー調査など様々な種類があります。
雨漏り修理
雨漏り調査によって雨漏りが特定できたら、水がこれ以上入らないように雨漏り修理を行いましょう。
雨漏り修理は原因箇所や損傷の状態によって必要な工事や費用が大きく異なります。
例えばスレート屋根が一部破損している場合には差し替え工事で済みますが、屋根全体が劣化しており、下の野地板まで傷んでいるような場合には、葺き替え工事が必要です。
結露の場合の対処方法
結露の場合、大きく分けて対処方法は「換気・除湿」と「断熱」に分けられます。
換気と除湿を行う
特に冬場などは室内の結露は、こまめな換気や除湿器などで室内の湿度を下げることで対処します。
他にも換気口を設けるなどの方法があります。
特に屋根裏などの内部結露は換気が重要になります。
断熱を行う
結露が発生するのは室内外の温度差のためなので、部屋の外の冷たい空気を室内に入れないよう断熱を行うのも効果的です。
断熱シートを貼るなど手軽なものから、窓を二重窓や断熱効果の高いガラスに変更する比較的軽度な工事、そして屋根裏や屋根、壁に断熱材などを施工する断熱工事を行うなど大掛かりなものまであります。
断熱を行うことで外の冷たい空気が室内に移動するのを避けて結露を防ぎ、冬は温かく夏は涼しい快適さを高めることができます。
結露や雨漏りを放置する危険性
雨漏りを放置する危険性
雨漏りは自然に直るということはありません。放置してしまうとどんどん進行して雨が降るたびに何度も繰り返してしまいます。
雨漏りが進行すると、例えば天井材の腐食による天井の落下、シロアリの発生、漏電火災など深刻な二次被害につながる恐れがあります。
構造材など家を支える大事な木材まで腐食してしまうと家の寿命を縮めるだけではなく、資産価値も大きく低下してしまいます。
結露を放置する危険性
結露に関しても毎日発生していると建材にはいい影響を与えません。
結露を放置するとカビやダニの発生による健康被害の懸念もあります。
また、前述のように内部結露には気づきにくく、進行すると家の内部で木材の腐食やシロアリの発生などのリスクが高まります。
雨漏りだと思っていたら結露だったということもあります
結露だと思っていたら雨漏りだったというケースもありますが、その逆で雨漏りだと思っていたら結露だったということもあります。
大量の結露は雨漏りに見えます。
例えば屋根の断熱が不十分で、屋根裏に大量の結露が発生し、それが天井に雨漏りのように現れることがあります。
そのような場合は、家の換気などの対策では解決できないため、屋根に断熱材を入れるなど断熱対策が必要になります。
大量の結露が雨漏りと同様の症状を起こしていた事例
屋根の結露によって雨漏りのような症状を起こしていた事例をご紹介します。
こちらは屋根が折板屋根で、構造的に結露を起こしやすくなっていました。
長年の大量の結露によって二回の天井が濡れており、雨漏りを同じ症状を起こしていました。
結露を解消するため、屋根に断熱材を施工してカバー工法を行いました。
垂木を施工して、そちらに断熱材を敷き詰めます。
上から合板とルーフィングを施工します。
傾斜が緩いため緩い勾配でも施工可能な立平葺きにて屋根材を葺きます。
勾配の緩さを考慮して雨漏り防止のためケミカル面戸と板金面戸両方を設置しました。
現場住所 | 横浜市 |
---|---|
施工内容 | 断熱材(スタイロフォーム)の施工、カバー工法 |
使用屋根材 | スタンビー455 |
まとめ
今回は結露と雨漏りの判別方法や対処方法についてご紹介しました。
雨漏りと言えば天井から水が滴るというイメージが強いため、窓が濡れるのが結露だと思っていたら雨漏りだったというケースも珍しくありません。
結露と雨漏りの判別方法は、発生する天気や場所、状態によって判別が可能です。
しかし中には判別が難しい場合もあります。
判別に悩んだ場合には専門家にご相談ください。
雨漏りも結露も放置していると思わぬ被害を出すことがあります。
雨漏りには原因究明が重要なことと、結露も床下や壁内、屋根裏など内部の結露は見つけにくいため、いずれも専門家による調査が必要です。
定期的なお家の点検と、被害がひどくならない内に原因を特定して修理を行うことで大切なお家を守ることができます。
結露なのか雨漏りなのか悩まれている方や、雨漏り修理をお考えの方はエフ・エス屋根までご相談ください。