瓦棒葺きとは?特徴やメリットやデメリット、立平葺きとの違いをご紹介

2023/01/26

こんにちは。横浜市港南区の雨漏り修理・屋根修理の専門店「福田総業」の広報担当です。

屋根の葺き方にも様々な種類があり、それぞれの特色があります。
金属屋根の中で「瓦棒葺き(かわらぼうぶき)」という葺き方があります。最近は減ってきたこともあり、あまり耳馴染みがない方もおられるかもしれませんが、トタンの屋根によく用いられていた葺き方です。

トタン屋根といえば瓦棒葺きというイメージもあるかもしれませんがあくまでも葺き方の一つの形式です。
今回はこの瓦棒葺きについて特徴やメリットデメリット、メンテナンスの方法、そして瓦棒葺きに代わって登場した立平葺きとの違いについてもご説明いたします。

お家の屋根が瓦棒葺きという方もおられるかと思いますのでメンテナンスの参考にされてみてください。

瓦棒葺き屋根

瓦棒葺きとは?

瓦棒葺きは金属屋根の葺き方の一種です。
瓦棒葺きは別名さんぶき屋根ともいいます。

「瓦」と名前に入っているためややこしいですが瓦屋根には関係がなく、ガルバリウム鋼板やトタンを葺くときに使用されます。
特徴としては、金属同士を継いでいく際に、垂木に打ち付けられた「瓦棒」と呼ばれる木材を芯木として、薄い金属の板を巻きつけて施工していきます。
金属板同士の間隔は約30~45㎝の間隔で、瓦棒のサイズは約5cm。
棟から軒まで一枚の長尺の金属板を用います。

しかし芯に木材を使用するため、腐食が起こることもあり最近では立平葺きが主流となっています。

瓦棒葺きのメリット

排水性が高い

上記でご紹介したように、棟から軒まで一枚の金属板を用いているので雨水をスムーズに排水できるのがメリットです。

勾配の緩い屋根にも対応可能

屋根の葺き方や屋根材によって葺ける勾配が決まっており、瓦棒葺きは高い排水性のため一寸勾配(約5.9度)という非常に緩い勾配でも施工が可能です。

施工性が高い

瓦棒葺き屋根は予め施工する屋根に合わせてカットした金属板を現場で取り付けていくため施工性が高く、比較的短時間で取り付けできるのもメリットです。
加工性にも優れているため様々な屋根に対応することができます。
スレート屋根などよりも短時間で施工が可能なため工期が短くなり、その分費用も抑えられます。

瓦棒葺きのデメリット

木材である瓦棒が腐食する

瓦棒葺きは、金属板を繫ぐために芯材として瓦棒という木材を使用しています。軒先から雨水を吸収したり固定している釘の劣化によって隙間から水が侵入するとこの瓦棒が腐食を起こしてしまいます。屋根材を固定している瓦棒が腐食すると強風などでめくれたり飛散する可能性や、雨漏りを起こしてしまうこともあります。

断熱性や防音性が低い

金属のもつ特性として熱伝導率が高いことと屋根面にダイレクトに施工されるため断熱性や防音性が低く、屋根が受けた熱や音を室内へと伝わりやすくなっています。断熱材や防音材を別途施工するなど対策が必要です。

錆による劣化

瓦棒葺き屋根には現在はガルバリウム鋼板を用いるのが主流ですが昔はトタンが使用されていました。トタンはガルバリウム鋼板よりも錆びやすく、こまめにメンテナンスを行わないとすぐに錆が広がり穴あきなどが発生して雨漏りを起こしてしまいます。
またガルバリウム鋼板もなにかが飛散して傷がつくとそこから錆が発生しやすくなります。

瓦棒葺きのメンテナンス

塗装

瓦棒葺き屋根の劣化が大きくない場合には塗装でメンテナンスを行います。
定期的な塗装によって錆を防止し、防水機能を回復することができます。

カバー工法

瓦棒葺きにはカバー工法も施工可能です。しかし瓦棒が腐食を起こしており、下地まで腐食している場合には屋根そのものの強度が低下している可能性があります。傷んだ下地を放置と劣化が進んで屋根全体や建物の構造材まで腐食が広がる可能性があります。
瓦棒葺き屋根でカバー工法を行う場合、雨漏りを起こしているなど腐食が懸念される時には下地の状態を十分に調査する必要があります。

葺き替え工事

瓦棒が腐食を起こしている場合や、下地まで傷んでいるような場合には葺き替えがおすすめです。
現在の屋根を撤去して下地の状態をチェックし、必要があれば野地板の増し貼りを行い新しい防水シートを施工するため下地の不安が解消され、屋根の機能そのものが一新できます。

立平葺きとの違いは?

立平葺き

瓦棒葺きの弱点を克服するため、各メーカーが瓦棒を使用しない「心木なし瓦棒葺き」も開発されました。
各メーカーごとに三晃式瓦棒や丸ハゼ瓦棒などと呼ばれます。
しかし瓦棒を使用しない瓦棒葺きは金属のかみ合わせが困難で、いまいち普及しませんでした。

そこで瓦棒をつかわず金属のかみ合わせを改良したのが縦ハゼ葺きです。
縦ハゼ葺きは、芯木となる瓦棒を使用せずに、接ぎ合わせる金属同士を折り曲げて施工していきます。

金属屋根を縦葺きで葺く場合、屋根材の繫ぎ合わせ方にはいくつか種類があり、主な種類としてハゼ葺きと嵌合式があります。
金属板同士を重ね合わせて、折り曲げて繫げていくのが前述のハゼ式で、この工法を「縦ハゼ葺き」と呼びます。ハゼ式はハゼ部分から漏水が多いため最近では徐々に減ってきており、後から登場した嵌合式が主流となってきています。

嵌合式は金属板に設けられた嵌合部を嵌め合わせていく方式のため、より水密性の高い雨漏りを起こしにくい構造となっています。
立平葺きはこの嵌合式で葺かれた屋根です。(縦ハゼ葺きを立平葺きの一種という場合もあります)
これから瓦棒葺き屋根を葺き替える際には、立平葺きの嵌合式をおすすめいたします。

立平葺きについて詳しくは下記をご覧ください。

まとめ

今回は、金属屋根の葺き方の中でも瓦棒という芯木で金属板をつなげて固定していく瓦棒葺きについてご紹介しました。
施工性の良さや排水性の高さなどのメリットはあるものの、中の芯木が水を吸収して腐食してしまうというデメリットのため最近では減少傾向にあり、代わりに立平葺きという葺き方が登場しました。
瓦棒葺きは腐食や劣化が少なければ塗装やカバー工法でメンテナンスができますが、腐食が懸念される場合には葺き替えをおすすめいたします。

弊社では腐食を起こした瓦棒葺きの屋根を嵌合式の立平葺きで葺き替えすることをおすすめしています。

【横浜市近郊にて瓦棒葺きから立平葺きへ葺き替えた施工実績】

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