こんにちは。横浜市港南区の雨漏り修理・屋根修理の専門店「福田総業」の広報担当です。
今週は暖かいですが来週は今季一番の寒波がきてとても寒くなるようです。皆さんお体に気をつけてくださいね。
小屋裏換気や屋根裏換気と聞いてもあまりピンと来られる方は少ないかもしれません。
小屋裏(屋根裏)は、夏の暑さの改善や、内部結露の発生など住宅そのものの機能に大きく関わる箇所であり、小屋裏の換気は、家を長持ちさせるには欠かせないポイントでもあります。
今回は小屋裏換気の機能と役割、そしてその必要性についてご紹介します。
小屋裏とは?
小屋裏は屋根裏と同じものを指し、住宅が吹き抜けではなく天井があり、その天井と屋根の間の空間のことを指します。
最近の住宅は吹き抜けやロフトがあるなどこの小屋裏そのものがない場合もあります。
屋根の勾配が小屋裏の天井となるため、一般的に屋根の勾配が急であればあるほど小屋裏空間は広い空間となります。
小屋裏換気とは?
小屋裏換気は、小屋裏空間の湿気を外に排出し、そして外気を取り入れて換気をすることを指します。
換気のためには空気の入口と出口が必要です。
軒裏や棟などに換気するための部材を取り付けて吸気と排気の機能を設け、風圧力や温度差を利用して自然な空気の流れを作り出します。
小屋裏換気の機能と役割は?
小屋裏換気で断熱効果
夏場には屋根の表面温度は80度を超え、屋根の下の小屋裏は60~70度にも達します。
この暑い空気がそのまま下の居室に届いてしまうと大変な暑さになります。基本的に一階よりも二階が暑いのはこのためですね。
小屋裏に空間があることで空気の層が生まれて、暑さを緩和し、天井に断熱材を施工することで断熱効果をもたせて屋根からの熱が直接居室へと伝わらないようにしています。さらに小屋裏に換気の機能を設けることでこの内部の熱を逃がして外部の空気を取り入れる温度調整も行えます。
断熱材は分厚いほど効果があるため、厚さのあるものを隙間なく敷き詰めることでより効果的な断熱を行うことができます。
まれに昔のお家などでは天井に断熱材が施工されていない家もあるため、あまりに二階が暑い場合には天井の断熱材があるかどうかを確認されてみてください。
結露の防止
小屋裏に換気を設けることのもう一つの重要な役割は、結露の防止です。
結露は温度差によって発生します。
空気は高い温度のときほどたくさんの水蒸気を含むことができます。空気が各温度で最大限含むことができる水蒸気のことを「飽和水蒸気量」と言い、空気が冷たい場所に移動して冷やされてこの飽和水蒸気量を超えてしまうと超えた分は水分になります。これが結露の仕組みです。
冬場に室内の暖かい空気が上昇して小屋裏に到達し、外気で冷やされた小屋裏の空気や冷たい屋根材に触れてある一定の温度差以下になると空気中に含まれた水蒸気は結露となります。
こうした小屋裏など建物内部で発生する結露を内部結露と呼び、目に触れない場所で知らないうちに進行して野地合板、棟木・垂木といった屋根の構造材を腐食させて建物そのものを痛めてしまいます。また結露による水分によってカビも発生しやすくなり、健康被害の恐れもあります。
小屋裏に換気を設けることで、湿気を逃がして室内外の温度差をなくして内部結露を防ぐことができます。
高断熱・高気密住宅では特に湿気がこもりやすいため、内部結露が問題化しており、重要な構造材を知らない間に劣化させてしまうため住宅の寿命に大きく関わってきます。
小屋裏換気の方法
次に小屋裏換気を行う方法を見ていきましょう。
小屋裏換気の方法には大きく分けて二つの方法があります。
風力換気
風力換気は風の圧力差による空気の流れを利用した自然換気の方法です。
二つの換気口が存在した場合、圧力の高い方から低い方へと空気は流れます。外からの風が当たる部分(風上側)は圧縮力(正圧)が生じ、風力による押し出す力が生じます。これとは逆に風下側は、負圧が生じて風が引っ張る力が生まれます。
気密性の低い住宅(隙間が多かったり開口部の多い住宅)では住宅内外による風圧によって勝手に空気の出入りが起こります。
この風圧差を利用して、風下と風上にそれぞれ換気口を設置すると効率的な換気が行えます。
温度差換気
温かい空気は上昇し、冷たい空気は下降する性質がありますがこれは空気の密度によるものです。
冬場は、暖められた空気は膨張して圧力が高まり、住宅の上部に移動して建物上部から外に出ようとします。また外の冷たい空気は住宅の下部から侵入してきます。
夏場は逆に、暖かい外気は住宅の上部から流れ込み、室内のエアコンで冷やされた空気は下部から外へと出ていきます。
こうした空気の温度と密度差を利用した自然換気です。
小屋裏換気の設備
小屋裏の結露は建築基準法では必須ではありませんが、フラット35などの住宅ローンを利用するには必須とされています。
小屋裏を換気するためには様々な方法があります。また屋根の形状によってやり方も異なります。ここではいくつか代表的な方法をご紹介します。
棟換気
屋根のてっぺんである棟に棟換気という換気が行える棟の部材を取り付けて換気を行います。暖かい空気は上昇する性質を利用するため換気の効果が高く、効率的に換気が行える方法です。軒下換気などと併用されることも多くあります。
棟換気には排出するための穴が空いており、そのため雨漏りを心配される方もおられますが、棟換気そのものは雨水が張り込んでも外へ排出し内部には入り込まない仕組みとなっています。
ただ施工に慣れた業者でないと雨漏りする可能性があるため経験豊富な雨仕舞に詳しい業者に依頼すると安心です。
カラーベストや金属屋根で多く採用されていますが、瓦屋根用の棟換気部材も販売されています。瓦の形状に合わないものを使用すると雨漏りの原因となるため注意が必要です。
棟換気について詳しくは下記の記事をご覧ください。
妻換気
切妻屋根の屋根のない面に、換気ガラリというスリット状の換気口を設ける方法です。
屋根面積の1/300以上の換気口を設けます。
妻換気と軒下換気を併用することも多く、その場合は各々屋根面積の1/900以上の換気口を設けます。
軒下換気
屋根を裏側みた箇所が軒天ですが、この軒天に空気が通過できる穴を設けた有孔ボードを設置したり、換気口を設けて換気を行います。
軒下のみで換気を行う場合には、屋根面の1/250以上の換気量を設けます。
フラット35の調査によると最も一般的に取り入れてられている換気の方法です。
最近増えている軒ゼロ住宅や軒の出の少ない住宅には設置できません。
軒ゼロ住宅や、軒の少ない家に向けた換気用部材として、「イーヴスベンツ」など専用の軒裏換気部材が販売されています。
外壁への通気層の形成
最近の外壁では、外壁と構造体の間に通気層を設ける外壁通気工法が一般的です。
外装材と躯体の間に胴縁を施工し、外装材の下には透湿防水シートを施工して上下端をあけておくことで通気層を設ける工法です。
室内から侵入した湿気や、外壁から侵入した雨水などの水分を外壁から外部に排出することができ、外壁内部における内部結露を防ぐことができます。
小屋裏換気扇の設置
住宅の密集地では空気の流れを利用した上記のような自然換気は換気の効率が落ちることもあるため、小屋裏換気扇を取り付けて機械によって強制的に換気を行う方法もあります。自然換気と機械換気を組み合わせることでより効率のよい換気が行えます。
まとめ
小屋裏換気は、夏の暑さの緩和機能や、特に住宅を知らない間に劣化させてしまう内部結露を防ぐために有効な方法です。
小屋裏の換気を行うことは義務ではありませんが、フラット35の融資を受ける場合には必須とされているほど重要なポイントです。
参考:【フラット35】技術基準の概要(PDF)
また瑕疵担保責任保険は雨漏りは対象内ですが、結露は対象外となっており、新築10年以内に結露が発生した場合には自己負担で修理をしなくてはなりません。
小屋裏に適切な換気を行うことが家を長く守ることにつながります。
断熱効果や家の湿気が気になる、あるいはご自宅の状況が気になるという方は、屋根のリフォームや調査を依頼されるときに一緒に調査を依頼されてみてください。
お家は定期的に点検やメンテナンスを行うことでより長持ちして安心して暮すことができます。
横浜市で小屋裏換気や棟換気取り付けなどについてお悩みの方、一度福田総業までご相談ください。