換気性能が高い棟換気(換気棟)とは?メリットやデメリットについて

2023/01/23

こんにちは。横浜市港南区の屋根修理・雨漏り修理専門店「福田総業」の広報担当です。

最近では高気密住宅が日本の住宅における新築のスタンダードになりつつあります。気密性を高めることで断熱性を向上させ、夏は涼しく冬は暖かい快適な家を実現します。
しかし気密性が高いとそれだけ結露がしやすくなってしまいます。

高気密・高断熱では目に見える結露はしにくくなりますが、壁内など目に見えないところで発生する内部結露のリスクが高まります。
内部結露を起こすと断熱材や構造材が劣化が進行してしまい、やがて建物の耐久性が低下してしまいます。
それを防ぐために重要なのが換気で、その中でも最も換気の効率が最もいいのが棟換気(換気棟)です。
今回は棟換気についてメリットやデメリット、雨漏りなどの懸念事項についてご紹介します。

棟換気

なぜ換気が重要なのか

寒い冬にはエアコンなどで暖められた空気が上昇して天井裏まで到達し、そこで冷たい外気温にふれると、空気が含むことができる水分の量が限界を超えて水分となり内部結露が発生します。屋根裏の柱や垂木など構造材や断熱材を湿らせて腐朽や劣化を起こします。
こうした家の目に見えない場所で起こる結露を防ぐために棟換気などによって換気を行います。

50年くらいまでの住宅では隙間が多く、その分隙間風が吹き込んで冬は寒く夏は暑いというデメリットはありますが、特に換気を行わなくても自然と通気性がよくなっており、内部結露を起こす心配はありませんでした。
しかし断熱材で覆われた気密性の高い家では、家の中の湿気を逃すことは重要課題といえます。

ちなみに現在最も多く採用されている小屋裏換気の方法は、フラット35住宅仕様実態調査によると軒裏による吸排気で、40%を占めています。しかし湿気は小屋裏の上部に集まるためあまり効率がいいとはされていません。
効果の高い軒裏吸気と棟排気は平成29年度では13%程度の普及率であり、まだまだこれから伸びてくる換気方法といえます。

棟換気の役割

棟換気は家の中で一番高い場所である棟に設置する換気用の部材です。
空気は暖められると上部へ移動するという性質を利用して、小屋裏内の暖かい空気を棟から排出します。軒先換気や妻換気と併用することで、軒先換気から吸気を行い、棟換気から排出するという空気の循環が行えます。

夏場は太陽によって屋根の表面温度は80度を超える高温となり、その下の小屋裏も60~70度近くまで上昇します。棟換気を設置して空気を循環させることで温度を下げ、高温の空気が室内へと移動することを避けます。
冬は室内で暖められて上昇してきた空気を排出し、外気温を取り入れて循環することで温度差による内部結露を防ぎます。
棟換気は、スレート用、金属屋根用、瓦用など各種屋根材やサイズに対応しており、ご自宅にぴったり合ったものを選ぶことができます。

棟換気のメリット

換気効率がいい

棟換気は妻換気など他の換気方法に比べて、圧倒的に換気の効率が高い点が大きなメリットです。
上昇した温かい空気は屋根の頂点である棟に到達し、その棟に換気を設置することで効率的に湿気・熱気を逃して換気が行えます。
棟換気は小屋裏換気で最も理想的な換気方法であり、設置することで小屋裏、そして住宅そのものの寿命を延ばすことができます。

屋根裏の温度が下がる

夏には屋根が高温になり、その分屋根裏の温度も上昇します。棟で換気を行うことで屋根裏の温度を下げることができます。
そうすると屋根裏の熱が室内に届くことを防ぎ、室温を一定に保つことが可能になり、冷暖房費の削減にもつながります。

結露を防ぐ

棟部分にて効率的に換気を行うことで、小屋裏の湿気がこもることを防ぎ、結露の発生を抑えることが可能です。
これによって内部結露の発生を抑制することができます。
寒い冬には暖房をつけると温かい空気が上昇し、冷えた屋根裏に到達することで飽和状態になり結露を発生させます。
特に断熱性と気密性に優れた家は気密性が高い分湿気がこもりやすく、内部結露も起こしやすくなり、気が付かないうちに結露によって躯体にダメージが発生して家を傷める可能性があります。

棟換気のデメリットと懸念事項

棟換気は雨漏りが心配?

棟換気を設置する際には、屋根だけではなく防水シートや野地板にも通気用のスリットをあけます。
そのため雨漏りを心配される方が多くおられます。
またハウスメーカーなどではトラブル回避のために施工を積極的に行わない傾向があります。
しかし棟換気は、雨水は内部には入らず排水口から排水される仕組みとなっています。棟換気から雨漏りが起こるのは施工者が施工する際に雨漏りを防ぐための雨仕舞に詳しくない場合に起こります。
屋根の仕組みや板金の扱い、雨仕舞に熟知した職人が施工すれば、仕組みそのものは雨漏りをしない設計になっているため雨漏りを起こすことはありません。

設置費用がかかる

当然ですが棟に棟換気を設置する分、部材と施工の工程が増えます。また雨漏りを起こさないための雨仕舞など特殊な施工が必要となるためその分施工費用がかかります。

棟換気を設置すると冬寒い?

棟換気をつけると冬に寒くなるのではないかと懸念される方もおられますが、棟換気による換気は棟換気から湿気などを排出し、軒先換気から外気を吸入することで、室内を含む屋内の空気の循環というよりは、小屋裏内の空気を循環させています。
小屋裏内には通常断熱材が施工されており、小屋裏の空気の室内への影響はごくわずかであるといえます。

棟換気の後付けも可能

現在棟換気が設置されていない場合でも、後付けが可能です。
後付けを行う際には、棟包み板金を解体して下葺き材のルーフィングをカットして野地を開口して設置します。現在の棟の構造などを的確に把握し、棟換気の水切り板金の施工など雨漏りを防ぐための適切な施工が重要となります。
棟換気の設置の経験がある専門業者に依頼することをおすすめいたします。

まとめ

今回は怖い内部結露を防ぐため、そして断熱効果としても有効な棟換気についてご紹介しました。

暖かい空気は上昇するという性質を利用した棟換気は、吸気を行う軒裏換気と組み合わせることにより効率のよい小屋裏換気を実現できますが、雨漏りへの不安があるためあまり普及していないのが現状です。
確かに屋根に穴をあけるため不安になられるのもごもっともです。
しかし製品そのものは雨漏りを起こさないよう設計されているため、信頼できる屋根に熟知した職人が施工すれば本来の機能どおり、雨漏りの心配なくご利用いただけます。

横浜市で棟換気の取り付けや屋根修理・屋根工事をお考えの方は、経験豊富な福田総業にご相談ください。

【横浜市近郊で棟換気を施工した施工事例】


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