屋根は普段あまり目に入らないため、そこまで気にならない場所ではありますが、日夜紫外線と風雨と寒暖差に晒される過酷な環境にあるため、日々ゆっくりと劣化しています。
雨漏りが起こって初めて屋根の劣化に気づく方は多いですが、そうなると高価な修繕費用がかかってしまうこともあります。
大掛かりな工事が必要になる前に屋根の点検やリフォームを行うことで、高額な修理費用の出費を防ぎ、安心して暮らすことができます。
今日は屋根のリフォームは何年目くらいにすればいいのか、屋根塗装や葺き替えなどが必要な症状についてご紹介します。
屋根リフォームはいつすればいいの?
下記では屋根のリフォームの種類と、屋根材の種類によるそれぞれの目安のリフォーム時期をご紹介します。
屋根のリフォームの種類:屋根塗装
スレート屋根やセメント製の屋根
屋根の防水性を保つための屋根塗装は、主にスレート屋根やセメント製の屋根に行われています。
これらの屋根はセメントが主材のため屋根材に防水機能がなく、塗料によって防水性を付与しています。
塗料の種類にもよりますが、おおむね築10年程度で塗り替え周期がやってきます。
スレート屋根やセメント屋根は、築10年が経過したら一度点検を受けて状態を確認してください。
トタンなどの金属屋根
またトタン屋根などの金属屋根にも塗装がされています。金属は錆が天敵です。金属を塗装でコーティングすることで錆の原因となる水や酸素に触れないように保護しています。塗装が劣化して金属部がむき出しになると錆が発生し、放置すると穴あきを起こして雨漏りの原因になってしまいます。
錆により弱いトタン屋根は7~8年、ガルバリウム鋼板は10~15年が塗り替えの目安です。
そのころに一度点検を受けておくと板金の不備などもチェックできて安心です。
塗装が不要な日本瓦は意外の屋根材は、塗料の耐用年数前に塗装を行うことで屋根の防水性を回復し、屋根自体の耐久性を保つことができます。
屋根塗装の費用相場
屋根塗装の費用の相場は、使用する塗料の種類や、塗装面積にもよりますが、40万円からとなっています。
これは坪数によって最も大きく変動し、30坪(74~104㎡)の場合は約60万円~80万円が相場となっています。
屋根の状態によっても変わるため、正確な価格は無料の相見積もりをとって複数社で確認するのがおすすめです。
屋根のリフォームの種類:葺き替えやカバー工法
塗装で対応できない劣化状態の場合や、耐用年数を過ぎた屋根は、葺き替えやカバー工法といった屋根リフォームが必要になります。
葺き替え工事やカバー工法が必要な時期は、屋根材の種類によって異なります。
各屋根材の耐用年数
スレート瓦はおよそ20~25年、セメント瓦は30~40年、日本瓦は50~100年、ガルバリウム鋼鈑など金属屋根は25~35年が耐用年数となっています。
耐用年数はいわば屋根の寿命なため、この年数を超えると一気に雨漏りのリスクが高まります。
ですので、耐用年数を超える前に屋根リフォームを行うのが理想です。
耐用年数を超えた屋根は雨漏りリスクが高くなる
耐用年数を超えた屋根は、ボロボロになり隙間や割れ目が多くなり、さらに屋根材の下で水を最終的に防いでいるルーフィングも耐用年数を超えていることが多いため、雨漏りを大変起こしやすくなります。
もし雨漏りが発生するとシロアリの発生など二次被害が起こりやすく、建物自体の耐久性を下げ、資産価値も下がってしまいます。
そうなる前に点検を受けて状態をチェックして、必要なリフォームを行うことで大切なご自宅を守ることができます。
雨漏りの二次被害については詳しくは下記をご覧ください。
カバー工法の費用相場
カバー工法の費用相場も、施工面積や使用する屋根材の種類によって異なりますが、1㎡あたり8千~1万円くらいが平均の相場です。これに足場代(15~20万円)がかかります。合計で約50~200万円くらいであるとみておくといいでしょう。
葺き替え工事の費用相場
葺き替え工事は、屋根を撤去するため、既存屋根の撤去・解体費用がかかる分、カバー工法よりも高額になります。
葺き替え工事はカバー工法よりも使用できる屋根材の選択肢が広く、どの屋根材を選ぶかによって金額が変わってきます。
瓦屋根の場合は9,000円~1万5,000円/㎡、スレート屋根の場合は4,500円~6,500円/㎡、ガルバリウムの場合は6,000円~9,000円/㎡が相場です。
こちらも足場代がかかり、また屋根の広さによって価格が変わります。合計すると約70~250万円くらいが相場といえます。
既存の屋根がアスベストを含んでいる場合にはその処分費用もかかるのでご注意ください。
カバー工法も葺き替え工事も、大きな屋根や、複雑な形状の屋根の場合はその分費用が高額になります。
屋根の劣化のサイン
屋根の耐用年数や、リフォームの時期はあくまでも目安です。
耐用年数内であっても環境によっては劣化が早く進むことがあります。
下記のようなサインが出ていると劣化のサインです。程度によって緊急度が異なります。
屋根の色褪せ
屋根が色褪せているのは、塗装が劣化してきているサインです。すぐに雨漏りをするわけではありませんが、塗料の防水機能が劣化しているため放置していると悪化してしまいます。
瓦屋根の剥がれやずれ
耐久性の高い瓦屋根ですが、風雨に長期間晒されることで経年劣化してきます。
すると固定する力が衰えて瓦のずれが発生したり、台風や地震などによる強い衝撃によってズレてしまったり、飛散したものがあたって割れることがあります。ずれや割れを放置すると、下のルーフィングが紫外線や水に晒される状態となって劣化が早まるため早めの修繕をご検討ください。
苔やカビの発生
表面の塗装が劣化して防水機能がなくなると、苔やカビが発生しやすくなります。特に日の当たらない場所では顕著になります。苔やカビが発生していると常にそこに水が溜まっている状態となるため、屋根の劣化が促進されます。特に全体にカビや苔が生えている場合は早めにご相談ください。
板金の釘のゆるみ
板金を固定している釘は、寒暖差による金属の収縮など様々な原因によって次第に緩んできます。
特に棟板金の釘は築7年~10年で自然に緩み、放置すると隙間から雨水が侵入して内部の貫板という木材を腐食させ雨漏りに発展することがあります。釘抜けやゆるみによって板金が飛散することもあるため、早めの修理を検討してください。
金属屋根の錆び
金属屋根の中でもトタンは錆びやすく、7~10年で塗り替えが必要です。
トタンより錆びにくいガルバリウム鋼鈑ですがこちらも錆びないわけでなく、傷がつくとそこから錆が発生してしまいます。錆は放置すると大きくなり、やがて金属に穴をあけて雨漏りへとつながります。
屋根に錆びを発見したら早めに屋根業者にご相談ください。
屋根の漆喰の剥がれ
瓦屋根の棟部分には、棟瓦を固定と接着するために漆喰を使用しています。この漆喰が紫外線などによる経年劣化によってひび割れや剥落を起こすと、そこから雨水が侵入して雨漏りの原因にもなってしまいます。漆喰の剥がれやひび割れを発見したら補修をご検討ください。
屋根の状態をご自分で確認する方法
とはいえ屋根は下から見上げても状態はわからないものです。
そのために上記のようなサインを見逃してしまって雨漏りが発生してしまうケースが多くなっています。
点検は専門の業者に依頼するのが安心で確実ですが、こちらではご自分で屋根の状態を確認する方法をご紹介します。
自宅から離れた小高い場所から確認
少し距離のある、自宅よりも高さのある場所があればそこから望遠鏡などを使って確認することができます。
スマートホンなどのカメラで拡大して写真を撮ってみるのもわかりやすいかと思います。
二階など上の階から確認する
一階の屋根(下屋)は、二階の屋根から確認することができます。一階の屋根の状態を見れば、同じ時期に施工されているはずなのでおおよそ上の階の屋根の状態も推測することが可能です。窓から身を乗り出す際には注意してください。
はしごにのぼって確認
はしごを使って屋根の上を確認できますが、はしごから屋根にのぼる際には大変危険なため、2人以上で行うなど細心の注意を払ってください。
はしごをかける際の注意点は下記に詳しいので参考にされてください。
軒天を確認する
軒天は、屋根の裏側の部分です。この軒天に染みがある場合や、塗装が剥がれている場合には屋根が劣化して屋根の内部に雨水が侵入してきている可能性があります。
軒天について詳しくは下記をご覧ください。
屋根裏から確認する
屋根裏がのぞけるような作りになっている場合には、屋根裏部分を確認してみてください。もしも染みなどが出来ている場合には、軒天と同じように屋根材が劣化して雨水が侵入している可能性があります。
屋根の点検はいつすればいいの?
とはいえいつ屋根の点検をすればいいのかタイミングがつかめないという方も多いかと思います。
下記のようなタイミングがおすすめです。
台風の前、もしくは台風などの大きな自然災害の後
台風や地震など大きな自然災害の後では、屋根がダメージを受けている可能性が高くなります。
飛散したものでダメージを受けていないか、割れなど発生していないか確認してみてください。大きな台風接近の前に屋根の点検を依頼される方も多いため、業者に点検を依頼するタイミングともいえます。
夏の猛暑や冬の厳しい寒さが続いた後
紫外線は屋根の大きな劣化要因です。夏の酷暑が続いた後に屋根はダメージを受けている可能性が高くなります。同様に雪が屋根に積もると負荷がかかり、雪が溶けて浸み込んだ水が夜に凍結すると屋根材にダメージを与えてしまいます。
猛暑が続いた後や、厳寒の冬が過ぎた後は点検のタイミングといえます。
まとめ
屋根を長持ちさせるには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
気づいた時には屋根がぼろぼろで高い修繕費がかかってしまったということはよくあります。
そうならないためにも、普段から屋根のことを少しだけ気にかけていただいて、お使いの屋根材の耐用年数が切れる前に、折によって点検を行うことをおすすめいたします。
福田総業では屋根の無料点検を行っております。
ドローンによる点検ではお客様に画面を見ていただきながらご説明もいたします。
横浜市や川崎市にて屋根の点検や屋根塗装や葺き替えなどのリフォームをお考えの方はお気軽にご相談ください。