こんにちは。横浜市港南区にある雨漏り修理・屋根修理の専門店、福田総業です。
金属屋根は昔は雨音がうるさい、夏は暑く冬は寒いなどと言われてあまり利用する人はいなかったのですが、徐々に改良されて今では軽さと耐久性で新築やリフォームでも人気の屋根材となっています。
私たち板金工事会社が主に扱うのがこの金属屋根です。金属屋根は金属を薄い板状に加工した屋根を指します。
今日はこの金属屋根の中でも重な種類を6種類取り上げて、それぞれの特徴についてご紹介します。
また金属屋根のおすすめや選び方についてもご紹介しています。
金属屋根への葺き替えやカバー工法をお考えの方、金属屋根への理解を深めていただきぜひ屋根選びのご参考にされてください。
金属屋根が現在人気の理由
金属屋根が評価されたのは、震災によってでした。
昔は耐久性にすぐれた伝統的な瓦屋根が主流でしたが、2011年の東日本大震災発生によって瓦屋根が落下するなどの被害が起きたことにより、軽量な屋根が注目を集めるようになります。
一時期スレート屋根が人気となりますが、2010年代後半からはより軽量で耐久性の高いガルバリウム鋼板が主流となっていきます。
ガルバリウム鋼板の他にも銅製やチタン製など様々な種類の金属屋根が存在しています。
金属屋根の種類と特徴
以下で各金属屋根の種類や各特徴についてご紹介します。
ブリキ屋根
鋼鈑をスズでめっきしたものがブリキ屋根です。
ブリキは傷つきやすく、キズが付くとそこから錆びてしまうためあまり普及しませんでした。
トタン屋根
ガルバリウム鋼鈑が主流になる前は金属屋根といえばトタン屋根でした。
トタンは鉄に亜鉛をめっき加工した鋼鈑です。亜鉛の防食作用によって、錆びやすいという欠点を改善しています。
1923年の関東大震災によって多くの瓦が落下したため、軽量で防火性と耐久性に優れたトタンに注目が集まりました。しかし1960年代に世界中で酸性雨が社会問題化するとトタンの脆弱性が問題となります。
トタンには亜鉛が溶けることで発揮する防食作用がありますが、亜鉛が溶けてなくなってしまうともはや効果を発揮できません。そのため錆びにくいといっても瓦屋根などには及ばす、腐食してまうとそこから雨漏りが発生しやすくなってしまいます。
トタン屋根には、「波板」の他に「瓦棒葺き屋根」があります。瓦と入っていますが、トタンの屋根で、屋根材と屋根材を重ねる部分に芯木という木材を取り付けて、その木材に屋根材を撒きつけて重ねていきます。木材を使用しているため腐食しやすいため、今ではガルバリウム鋼鈑による立平葺きが一般的に使用されています。
ガルバリウム鋼鈑
現在金属屋根の中でもっともよく使用されているのがこのガルバリウム鋼鈑の屋根です。
ガルバリウム鋼鈑は1972年にアメリカで開発され、1982年に日鉄鋼鈑株式会社が日本で初めて商品化しました。
ガルバリウム鋼鈑は0.4mm程度の鋼鈑にアルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%のめっきを施したものです。
アルミニウムには亜鉛が溶けた穴を埋めてくれるという保護作用があり、亜鉛が溶けてなくなってしまうという弱点を、アルミニウムを混合することで補っています。
ガルバリウム鋼鈑は耐久性が高く、アルミニウムの効果によって錆にも強い特徴があります。
ガルバリウム鋼鈑について詳しくは下記の記事をご覧ください。
SGL(スーパーガルバリウム)鋼鈑
最近ではガルバリウム鋼板をさらに改良して錆びにくくしたSGL鋼板を使用した屋根が主流になりつつあります。
SGL鋼板は、メッキの成分がアルミニウム55%、亜鉛41.4%、シリコン1.6%、マグネシウム2%となっており、ガルバリウム鋼鈑のメッキにマグネシウムを加えた構成となっています。
この添加されたマグネシウムによってガルバリウム鋼鈑よりも約3倍の耐食性(錆びにくさ)があり、塩害にも強い屋根材です。
銅板屋根
銅板屋根は桃山、江戸時代から登場した歴史ある屋根材です。
城や神社仏閣や武士・商人など裕福な家庭に使用されていました。銅は柔らかいため加工がしやすく装飾性も高いのが特徴です。
銅は酸化すると酸化銅となり、緑青(ろくしょう)という趣のある色になります。最初はピカピカの赤橙色から褐色、そして落ち着いた緑青へと色の変化を楽しむことができます。
また緑青には銅内部の腐食を防いで耐久性を高めてくれる効果もあります。
塗装の必要がないため、屋根の寿命は30~60年以上とも言われている高耐久の屋根材です。
ただし高価で加工に技術を要するため普及率はとても低いです。
ステンレス
ステンレスは鉄に炭素1.2%、クロム10.5%を含む合金です。
ステンレスは錆びにくいため、キッチンなどの水回りによく使用されています。他にも耐久性が高くメンテナンスフリーで屋根の寿命は50年とも言われています。
ただし価格が高価で表面が傷つきやすいという点があり普及率は高くありません。
チタン屋根
チタンは屋根材の中でもっとも耐久性が高いと言われています。
チタンは1910年にアメリカの科学者が純度99.9%のチタンを抽出することに成功し、これによって「金属チタン」が誕生しました。建築の分野では1970年代から使用されており、鉄や銅に比べると比較的新しい素材です。
強度が強く、熱伝導率が低いため熱にも強く、錆びにも強いため非常に高い耐久性を誇ります。
その高い耐久性とメンテナンスフリーの性質が注目され、近年では浅草寺本堂など神社や仏閣の屋根の改修にチタンが使われるようになってきました。
ただし加工が難しく高価なためあまり一般的には使用されていません。
金属屋根の選び方・おすすめ
人気の金属屋根ですが、おすすめの金属屋根は何を重視されるかによって異なります。
断熱性・耐用年数など機能性を重視
長い耐用年数や遮熱性など機能性を重視される場合は、SGL鋼板がおすすめです。
金属屋根には基本的に断熱性がありません。金属であることから暑くなりがちで、また雨音が気になるというデメリットがあります。その場合、断熱材と一体型の製品を選ぶことで断熱性と遮音性の両方の機能が得られます。
SGL鋼板は初期費用が若干高くなりますが、耐用年数と機能のバランスを考慮するとコストパフォーマンスの高い屋根材で弊社でもおすすめしています。
価格を重視
価格を重視される場合にはガルバリウム鋼鈑がおすすめです。
ガルバリウム鋼鈑はSGL鋼板よりも価格が安く、トタンよりも耐用年数が長い金属屋根です。製品のカラーバリエーションも豊富です。
コストを抑えて金属屋根で屋根リフォームを行いたい方には、ガルバリウム鋼鈑にて排水性の高い立平葺きをおすすめしています。
立平葺きは、あらかじめカットした長尺の鋼板を現場で組むため、施工費用を抑えることができます。また雨漏りにも強い葺き方となっています。
まとめ
今回は金属屋根の種類についてご紹介しました。
金属屋根の天敵は錆なので金属屋根の歴史は錆との闘いの歴史とも言えます。
技術の進歩とともによりさびにくい金属が開発され、それとともに金属屋根の耐久性も向上してきました。
金属屋根にリフォームされる場合に最もおすすめはガルバリウム鋼鈑やSGL鋼板です。
足場を何度も立てられないような大型の建物の場合にはメンテナンス回数の少ないチタン屋根がおすすめです。
屋根リフォームでどんな屋根にすればいいのか悩まれた際にはお気軽に福田総業にご相談ださい。
福田総業は特に金属屋根の加工に強い屋根専門の屋根職人です!
横浜市でのカバー工法など金属屋根施工はお任せください。