こんにちは、横浜港南区の屋根修理専門店、福田総業です。
軽くて丈夫な金属屋根は全国的にも人気で、ここ横浜でも増えてきている屋根です。
この金属屋根には「縦葺き」と「横葺き」という二つの葺き方があります。
葺き方は屋根の種類によって決まっていて、たとえばスーパーガルテクトや横暖ルーフは縦葺き屋根材で、スタンビー455は縦葺き屋根材です。
大きな違いは葺き方で、軒に対して垂直に葺いていくのが縦葺きで軒に対して水平に葺いていくのが横葺きです。
今回の記事では金属屋根の縦葺きと横葺きについてそれぞれの特徴や代表的な葺き方、メリットやデメリットについてご紹介いたします。
金属屋根材への葺き替えやカバー工法をお考えの方はご一読いただき屋根材選びの参考にされてください。
縦葺きについて
縦葺きの特徴
縦葺きは1953年(昭和28年)に広島県福山市盈進学校の校舎と旭小学校体育館の屋根を葺くときに用いられた比較的新しい工法です。
上でもふれたように、縦葺きは軒先(雨が流れる方向)に向かって葺いていき、出来上がりの形状が縦じまのストライプになりすっきりとしたシャープな印象になります。
外観をシンプルでシャープな印象にしたい方に向いています。
縦葺きにはさらに立平葺き・瓦棒葺きといった葺き方があります。
縦葺きの主な葺き方
瓦棒葺き
屋根を施工する際に屋根と屋根の間に瓦棒という木材を野地板に打ち付けて、金属屋根をかぶせていく工法です。瓦という文字が入っていますが瓦を使用するわけではありません。
古くはトタン屋根で用いられていました。この固定する瓦棒が木材であるため腐食してしまうため現在ではこの木材を使用しない立平葺きが用いられることが多くなっています。
立平葺き
立平葺きは木材の代わりに板金を折り曲げ加工がされており、その部分をはめ込んで固定し、施工していきます。
立平葺きにはさらにハゼ葺き(ハゼ式)と嵌合式の2種類があり、それぞれはめ込み方が違います。
縦葺きの屋根材
・スタンビー455(稲垣商事株式会社)
弊社でよく使用する縦葺きの屋根材です。ワイドな働き幅(455mm)をもつ「たてぶき」の嵌合式屋根材で、嵌合式のため防水性が高く、コストパフォーマンスに優れた屋根材です。
縦葺きのメリット・デメリット
縦葺きのメリットは、その縦型の形状から屋根のてっぺんから軒先まで遮ることがなく雨がスムーズに流れていくため排水がスムーズで雨漏りがしにくくなります。そのため屋根の勾配が緩い(0.5寸(5/100)勾配)屋根でも施工が可能です。
縦葺きは施工費用が安くなることもメリットです。
デメリットは複雑な屋根には採用しにくい点と、デザインが画一的になりやすい点です。
縦葺きの施工事例
縦葺きの施工実績をご紹介します。
腐食を起こしていた下屋を立平葺きで葺き替え
【BEFORE】 【AFTER】
現場住所 | 横浜市青葉区 |
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施工内容 | 下屋葺き替え |
使用屋根材1 | 屋根→スタンビー455 |
母家のセメント瓦葺き替えの際に、下屋も葺き替えを行いました。
下屋の既存下地も雨漏りで一部腐食を起こしており、補修をしてから野地板を増し張りしました。
ルーフィングを貼って、上からガルバリウム鋼鈑の嵌合式屋根材「スタンビー455」を使用して立平葺きにて仕上げています。
かなり傾斜の緩い屋根ですので、縦葺きが向いている屋根です。またスタンビー455は嵌合式なので水漏れもしにくい構造です。
横葺きについて
横葺きの特徴
横葺きは軒に対して平行に葺いていきます。
出来上がりのデザインは横じまのボーダーになるのが横葺きです。横葺きそのものは765年建立の西大寺の屋根建立に記録が残る大変由緒ある工法です。
長い歴史のなかで横葺きはいくつかの工法に分かれてきました。
長尺横葺き
長尺横葺きは、屋根の端から端までのピッタリに寸法で注文して一枚の屋根材で垂直に葺いていきます。横に継ぎ目がないため非常にシンプルですっきりとした見た目になります。
定尺横葺き
定尺横葺きは一定の長さの屋根材を横につなげて施工します。屋根材を段から段へと切り回していくため継ぎ目の位置は不規則です。横の継ぎ目はあまり目立たないため長尺横葺きと見た目があまり変わりません。
一文字葺き
一文字葺きは継ぎ目の位置に規則性を持たせて通常は上下で千鳥配置になるように配置します。寺社仏閣の屋根を銅板で仕上げる際によく用いられます。
段葺き
段葺きは屋根の各段に立上りをつけて上下の段差をより大きくし立体的に施工します。段差があることで屋根の水切りを良くし、立体感のある重厚な仕上がりになります。
縦葺きの屋根材
・横暖ルーフ(ニチハ株式会社)
弊社でよく使用する横葺きの屋根材です。断熱材一体型構造のため断熱性に優れ、金属のため軽量な屋根材です。四つのグレードがあり、ご予算に応じてお選びいただけます。
・スーパーガルテクト(IG工業)
こちらも断熱材一体型であり、高い断熱・遮熱の機能を持ちます。
横葺きのメリット・デメリット
横葺きのメリットはデザインが展開されているため、住宅に合わせて選ぶことができます。横葺きの屋根には断熱材一体型になったものが多いです。また複雑な形状の屋根にも対応しやすいこともメリットです。
デメリットは、横葺きは3.0寸(30/100)以上の勾配がないと施工できない点です。横向きに屋根材を重ねていくため、横葺きではどうしても段差ができてしまいます。そのため縦葺きと比べると水の流れが滞りやすくなってしまい、特に勾配の緩やかな屋根の場合は水が留まって雨漏りが発生しやすくなってしまいます。
横葺きの施工事例
横葺きの施工実績をご紹介します。
雨漏りしていたセキスイかわらUを横葺き屋根で葺き替え
【BEFORE】 【AFTER】
現場住所 | 横浜市磯子区 |
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施工内容 | 雨漏り修理(屋根葺き替え) |
使用屋根材1 | 屋根→ヒランビー220 |
天井からの雨漏りに気付かれて屋根の調査をしてほしいというご依頼でした。
カラーベストの上にかわらUがカバー工法されていましたがこのかわらUが劣化して雨漏りを起こしていました。下のルーフィングも劣化していると屋根材の傷みが雨漏りに直結します。カラーベストもかわらUもアスベストを含んでいたため慎重に撤去します。
野地板がたわみを起こしていたため増し貼りを行った後上から新しいルーフィングを敷いていきます。
そして「ヒランビー220」で横葺きで葺いていきます。耐用年数と値段のバランスからこちらをご提案しました。
そして屋根に換気を設けたいとのことでしたので、換気棟の取り付けも行ないました。
最後に棟板金のカバーをビスで固定して大屋根の完工です。ブラウンのすっきりとした屋根になりました。
屋根が刷新されて雨漏りが解消され、屋根の換気能力も向上しています。
まとめ
今回は金属屋根の縦葺きと横葺きについて紹介いたしました。
縦葺きと横葺きは、見え方の違いだけではなく機能にも違いがあります。
どの屋根の葺き方が最適なのかはご自宅の屋根の状況を見させていただき、お客様のご希望・ご予算を伺った上でご提案させていただきます。
横浜市港南区で雨漏り修理・屋根葺き替えをお考えの方は、一度福田総業にご相談ください。