こんにちは、横浜の雨漏り修理・屋根修理専門店「福田総業」です。
先日は屋根の種類についてご紹介しました。
家を建てる時に屋根のデザインにこだわる方はおられてもその各機能や住み心地、メンテナンス性にまで気にされる方はあまりおられないかと思います。
今日は屋根の中でもスタンダードでありながら雨漏りしにくく優秀な切妻屋根についてさらに詳しくご紹介します。
切妻屋根とは?
切妻屋根は「三角屋根」とも呼ばれ、屋根が三角をしており、本を伏せたような形をしています。
「切妻」の意味ですが「妻」には着物の「褄(つま)」と同じように「端」という意味があり、屋根において屋根の断面が見える方(正面からみて三角に見える方)を妻側といい、そうではない方を平側といいます。妻側の出をケラバといい、平側の出を軒といいます。
切妻屋根は妻側を切って屋根の断面が見えている屋根という意味です。
非常にスタンダードな屋根で、町中でもよく見かけますし、日本では約5割以上が切妻屋根だと言われています。
日本以外に世界的にもよく使用されています。
切妻屋根のメリット
なぜこんなに切妻屋根が多く使用されているのかというと、それだけメリットの多い屋根だからということがあげられます。
以下、切妻屋根のメリットをご紹介します。
屋根の形状がシンプルで雨漏りしにくい
雨漏りリスクが高い箇所は、屋根の面が頂点で接する棟(棟板金)や、屋根と屋根が接する谷部の谷板金、屋根と壁が接する取り合い部分です。
屋根業者から見ると、屋根はシンプルな形状である方が、こうした接合面や違う部材が接する取り合い部分が少なくなり、その分雨漏りリスクも減少します。
切妻屋根は二つの屋根が合わさるシンプルな形状であり、接合部も頂点の大棟のみ、屋根が二面なので谷部も存在しません。屋根が四面ある寄棟屋根は頂点の大棟とそれぞれの屋根面が接合する隅棟の計五か所も棟が存在します。
雨漏りが侵入しやすい場所が少ないということはそれだけ雨漏りリスクを減らすことができ、またもし雨漏りが発生したとしても原因の特定がしやすくなります。
小屋裏に通気性を確保しやすい
小屋裏とは天井裏のことです。この小屋裏への換気は、なくても建築基準法違反にはなりませんが、住宅金融支援機構の長期固定金利住宅ローンフラット35を利用する際の融資条件に含まれています。
小屋裏換気が何故重要なのかというと、結露による劣化を防ぐためです。
特に冬は室内の暖められた空気が、壁や断熱材を通って小屋裏へ到達すると急激に冷やされて結露を起こします。小屋裏結露によって野地板が腐食するケースも多く発生しています。
湿気が小屋裏にこもらないように逃がすのが小屋裏換気です。
切妻屋根は、小屋裏を広く取りやすい構造で、棟の下に通気口(妻換気)を設置しやすく、軒天換気も行いやすくなっています。また、妻側に換気ガラリという換気口を取り付けやすい構造をしています。
メンテナンスがしやすい
屋根の形状がシンプルなためメンテナンスを行うポイントが少ないのもメリットです。
またリフォームする際にも必要な建材が少なく、その分複雑な屋根よりもコストが抑えられます。
太陽光設備を設置しやすい
屋根が二面とシンプルなため、広い屋根面を確保でき、その分ソーラーパネルを設置しやすくなっています。
南向きが最も理想ですが、東西向きでもパネル数を増やすなどすることで発電量を確保することが可能です。
ソーラーパネルを設置することを考慮して、太陽光を電気へと変換する「変換効率」を考慮して、最も効率のよい角度を確保するために屋根の勾配を調整することも容易に行えます。
どんな家のデザインにも合わせやすい
海外でも多く採用されているように、和風、洋風、和モダンなどどんな家のデザインでも合わせやすいこともメリットです。
シンプルな形状のため、使用できない屋根材はなく、外壁と合わせて、お好みによって好きな屋根材で好きなデザインにすることができます。
雨や雪を排水しやすい
三角形の構造そのものが雨や雪を落としやすく排水しやすい形状です。さらに勾配が大きいほど雨や雪を落としやすく、排水しやすくなります。屋根が二面しかないので雪が落ちる場所も予測でき、雪止めの設置など落雪への対策をとりやすくなります。
切妻屋根のデメリット
妻側が脆くメンテナンスが必要
メリットの多い切妻屋根ですが、妻側が切断された形になっていて屋根がないからこそ、妻側が弱くなっています。
屋根がないため風雨に晒される妻側のケラバや、屋根の断面を保護している破風板が特に傷みやすい箇所です。
定期的な点検とメンテナンスを行わないと雨漏りリスクが高くなります。
一般的なので個性を出しにくい
切妻屋根はそのスタンダードな形状から個性的な屋根とは言えません。
個性を求める方にはデメリットとなるかもしれません。
しかし屋根材がなんでも選べる自由度から色や素材にこだわり、同じ中で個性を出せるともいえます。
あまり個性的な建物は施工もメンテナンスも大変で雨漏りも起こしやすいため、家を守るという本来の役割からすると大変優秀な形状といえます。
切妻屋根のメンテナンス
上にもあったように、切妻屋根のウィークポイントである妻側のケラバや破風板のメンテナンスが特に重要となります。
ケラバ
妻側の建物よりも出ている部分で雨風から外壁を保護しています。
ケラバそのものが剥がれるなど劣化している場合には補修・葺き替えが必要です。放置するとそこから雨水が侵入してやがて雨漏りを起こしてしまいます。
破風板
破風板は暴風時などに雨の侵入を防ぐ役割をしています。
破風板も経年劣化するため、塗装や板金で上から覆う、交換など状態に応じて補修を行います。
妻側の壁
屋根がない部分の壁なので、傷みが進みやすい場所です。塗装の劣化状態をチェックして、早めに再塗装などメンテナンスを行ってください。軒やケラバの出が少ない屋根では特に傷みやすくなります。
複合型屋根やドーマーがある場合はメンテナンス箇所は増えます
建物を増築して上から見た屋根がシンプルな四角形ではなく、切妻屋根に別の屋根がくっついたような形など、屋根が複雑になると谷部ができるため、その分メンテナンス箇所が増えます。ドーマーがついている場合も屋根の接合面が増えるので雨漏りリスクは増大します。
まとめ
シンプルであるがゆえに、屋根の接合面が少なく、メンテナンスなど維持コストも安くなる大変優秀な屋根・切妻屋根は雨漏りしにくい屋根といえるでしょう。
しかし雨漏りリスクが低いといっても雨漏りをしないわけでなく、何もしなくてもいいわけではありません。
どんな優秀な屋根や屋根材も必ず経年で劣化することは避けられません。
10年に一度くらいの頻度で屋根や外壁などお家の状態をチェックしてあげることでさらに安心して暮らすことができます。
横浜市にお住まいの方で屋根や外壁の状態を知りたいという方は、お気軽に福田総業までご相談ください。
点検は無料で行っております。