こんにちは。横浜市港南区にある雨漏り修理・屋根修理の専門店、福田総業です。
今日は金属屋根の代表格・ガルバリウム鋼板についてご紹介します。
ここ横浜でも、金属屋根のお家が目立つようになり、中でもガルバリウム鋼板はとてもよく使用されています。
屋根だけでなく最近では外壁材としても人気があります。
「ガルバリウム鋼板」は特定の屋根材名ではなく、屋根や外壁によく使用される素材名です。
今回はこのガルバリウム鋼板の特徴、メリットやデメリットについてご紹介します。
ガルバリウム鋼板の特徴
ガルバリウム鋼板は1970年年代にアメリカのベスレヘムスチール社によって開発され、商用として登場したのは1982年。すでに30年以上の歴史がある建材です。
鋼板(鉄の板)に、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%でできたアルミ亜鉛メッキを施した薄い鉄の板です。表面にプライマー処理を施した上で、ガラス繊維を混ぜた塗料で着色しています。
このアルミ亜鉛メッキが鉄を保護しています。
鋼板の表面を保護するメッキの成分で大きく性能がかわり、ブリキ(スズメッキ)やトタン(亜鉛メッキ)も同じメッキ鋼板ですがガルバリウム鋼板はこれらを改良し、より高い性能をもっています。
ガルバリウム鋼板のメリット
強い耐久性と錆びにくさ
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムの長期耐久性と亜鉛の持つ犠牲防食作用、そしてアルミニウムと亜鉛を混ぜることにより発生する自己修復機能によって強い耐久性を持っています。
犠牲防食作用とは、亜鉛のメッキに傷がついた場合、イオン化しやすい亜鉛が鉄よりも優先して溶け出すことで素地である鉄の腐食の進行を食い止める現象です。文字通り亜鉛が自分を犠牲にして錆びの進行を抑えてくれます。
しかし亜鉛がすべて溶け出してしまうと効果はなくなってしまいます。
そこにアルミニウムを混ぜることで、犠牲防食作用によって溶け出した亜鉛の部分をアルミニウムの酸化被膜が補填して、腐食の進行を防いでくれます。
いわば亜鉛とアルミニウムのダブルガードで錆びの進行を防ぐため、従来の金属屋根よりも金属屋根の弱点である錆やすさを改良しています。
ガルバリウム鋼板の耐用年数は約25~30年あり、メンテナンスを適切に行えば40年以上もたせることができるとされています。
耐熱性
また容積の80%がアルミニウム成分のため、融点が570~580℃と高くなっており、300~350℃程度の温度であれば長時間の使用に耐えることができる高い耐熱性ももっています。
軽量な屋根材
またガルバリウム鋼板は非常に軽量で、重量は瓦の約1/8~1/9、スレートの約1/3。
屋根が軽いと地震の際に揺れ幅が小さく、建物への負荷も少なくなるため倒壊の危険や屋根材が落下した際の危険も少なくなります。
瓦屋根からガルバリウム鋼板の屋根に葺き替えるだけで大幅に屋根の軽量化が行えます。
断熱性と遮音性
これまで金属屋根には薄い金属板であることから「暑い」「雨音がうるさい」という欠点が指摘されていました。
しかし最近では裏側に断熱材を張り付けた断熱材一体型の製品が主流となっており、断熱性と遮音性も大幅に改善されています。
断熱材一体型のガルバリウム鋼板の屋根は、ほかの屋根材よりも熱を通さず、断熱性に優れています。
スタイリッシュなデザイン
ガルバリウム鋼板のもう一つの特徴は金属らしいシャープでスタイリッシュなデザインです。
屋根と外壁をガルバリウム鋼板にすることでシンプルかつモダンな印象になります。
最近ではシンプルな外観が好まれる傾向にあり、それにともなってガルバリウム鋼板の人気も高まっています。
施工性に優れる
ガルバリウム鋼板の屋根材や外壁材は、軽量で作業性に優れていることもメリットとして挙げられます。
施工性が高いということはそれだけ作業もスムーズに行うことが可能であり、工期も短く、災害でダメージを受けたときにもあまり工期が長くかからずにリフォームが行えます。
廃材をリサイクルできるという点も環境にやさしく環境の負荷を減らすことができます。
このような多くの優れた点から、2017年には新築における屋根材の使用でシェアがトップになりました。
また新築のみでなく、軽量であることから屋根カバー工法では非常によく使用され、リフォームおいても非常に普及しています。
ガルバリウム鋼板のデメリット
優れた点の多いガルバリウム鋼板ですがデメリットも存在します。
コストがやや割高
スレートや窯業サイディングよりは若干施工料金が高いです。ガルバリウム鋼板は傷がつきやすく、ほかの金属に触れると錆が起こりやすいため扱いに注意が必要なため、施工の初期導入費用がやや高額になります。
デザインの幅が少ない
ガルバリウム鋼板は金属ならではの独自のデザインが実現できますが、外壁の窯業サイディングのレンガ調やタイル調など幅広いバリエーションに比べるとデザインの幅は広くありません。見た目のシンプルさが人気でもありますが、金属特有の質感は人によっては安っぽい、倉庫みたいと思われる人もいるかもしれません。
錆びないわけではない
ガルバリウム鋼板は確かにトタンよりも錆びにくい金属ですが錆びないわけではありません。表面に傷がつくとそこから錆が発生します。
また沿岸地域では塩害によって錆びることがあるため水で定期的に真水で洗い流すなど定期的なメンテナンスが欠かせません。
ガルバリウム鋼板のメンテナンスについて詳しくは下記をご覧ください。
へこみやすい
ガルバリウム鋼板は割れにくい上部な素材ですが、凹みやすいという性質があります。
小さなお子さんがボール遊びをしていてへこんでしまったということもあります。そのため小さなお子さんがいて庭で遊ばせたい場合には外壁にガルバリウム鋼板を選ぶのはやめておいたほうがいいかもしれません。
施工できる職人が限られている
ガルバリウム鋼板は金属屋根のため施工できる業者は板金工事業者です。
2017年に市場シェアの一位を占めましたがこれまではの主流は瓦やスレートであり、瓦職人やスレート職人よりは専門の板金工事業者は少ないのが現状です。
ガルバリウム鋼板の施工事例
ガルバリウム鋼板の施工実績をご紹介します。
新築の屋根と外壁とガルバリウム鋼板に
現場住所 | 横浜市旭区 |
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施工箇所詳細 | 屋根全体、外壁、外階段屋根 |
使用屋根材1 | スタンビー455(屋根材) |
使用屋根材2 | ガルバリウム角波(外壁・外階段屋根) |
屋根と外壁にガルバリウム鋼板を用いて軽くて耐震性の高い屋根となりました。
すっきりとした近未来的な外観に仕上がりました。
雨漏りを起こしていた屋根をガルバリウム鋼板でカバー工法
現場住所 | 横浜市栄区野七里 |
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施工箇所詳細 | 屋根全体(雨漏り修理) |
使用屋根材1 | ガルバリウム波板 |
雨漏りを起こしていたトタン瓦棒葺き屋根にガルバリウム波板で屋根カバー工法を行いました。
ガルバリウム鋼板はトタンの3~6倍の耐食性があるため屋根の耐久性が向上し、見た目もすっきりと仕上がりました。
まとめ
ガルバリウム鋼板は独自の配合によるめっきで中の鋼板を保護し、アルミニウムと亜鉛を加えることによって高い耐防食性と、耐久性をもっています。
他にも耐熱性や軽量性に優れており、断熱材一体型製品では金属屋根の弱点であった断熱性と遮音性もクリア。
また金属らしいシャープなデザインもメリットです。
ただ、コストがやや割型な点や、凹みやすい点、施工できる職人が限られている点などがデメリットとしてあげられます。
メリットとデメリットをよく考慮した上で、屋根材や外壁材に使用されるかどうかお選びください。
福田総業はこれまで板金工事業者として数多くのガルバリウム鋼板の屋根を扱ってまいりました。
リフォームの素材に迷われた際にはお気軽にご相談ください。無料で調査を行った上で、最適な屋根材や外壁材をご提案いたします。
横浜にお住まいの方でガルバリウム鋼板の屋根や外壁が気になっている方は一度お気軽にご相談ください。
【ガルバリウム鋼板の施工事例】
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