鼻隠しの役割と雨漏りリスクについて

2023/03/15

「鼻隠し(はなかくし)」と聞いてあの場所だなとピンとくる方は少ないかもしれません。
鼻隠しは屋根の一部分を指し、破風板とよく似た部材でもあります。
破風のように雨や風に晒される場所のため、鼻隠しの劣化が原因で雨漏りが起こることもあります。
今回は、鼻隠しの役割や鼻隠しが原因で雨漏りが起こる理由や補修方法をご紹介します。

鼻隠し

鼻隠しとは?

鼻隠しとは、屋根の軒の取り付けられている板を鼻隠しと呼びます。
屋根の垂木の先端を隠す役割があり、垂木の先端を大工用語では「鼻」と呼び、その鼻を隠すことから「鼻隠し」と呼ばれています。
「鼻隠板」「鼻搦め」「風返し」いう別名もありますが最も一般的なのは「鼻隠し」です。
雨樋はこの鼻隠しに取り付けるため、雨樋の後ろにある板とも言えます。
鼻隠しの素材は昔は木材が主流でしたが、最近ではガルバリウム鋼板や窯業系の素材が使用されるようになりました。

鼻隠しの役割

雨水の侵入を防ぐ

鼻隠しの役割は先にもご紹介したように、垂木の先端を隠し、屋根の構造材が露出することを防いでいます。
垂木や野地板の切り口などがむき出しになってしまうと雨や風にたいして無防備になり、隙間から雨が内部に入り込んでしまいます。
建物内部に雨が入り込むと腐食や内部結露、雨漏りなど様々な不具合が発生します。
垂木の切り口を隠すことで見栄えが良くするという目的もあります。

雨樋を取り付ける下地

垂木に鼻隠しを取り付けることで雨樋の下地が出来、雨樋を取り付けることが可能になります。
雨樋は屋根から流れてくる雨水を処理するためとても重要な役割を果たしています。

破風板との違い

破風(板)は、屋根の妻側(三角形になっている雨樋のない方)のケラバの先端に取り付ける部材を指し、鼻隠しは雨樋のある軒側に取り付けるという違いがあります。
破風板も鼻隠しも同じ素材を使用しますが、取り付ける位置が違うと違う名称になります。
鼻隠しを破風板と表記しているメーカーもあります。
破風板は屋根の傾斜の形に沿って取り付けますが、鼻隠しは軒に沿って水平に設置されるという違いがあります。
鼻隠しに雨樋は設置できますが、構造上破風板に雨樋を付けることはできません。
切妻屋根は妻側の破風板と、平側の鼻隠しがありますが、寄棟屋根の場合は破風板はありません。
破風板と鼻隠しは同じ素材を使用しますが、破風の方が雨や風に晒されるため傷みが早く、雨漏りを起こしやすくなっています。
しかし鼻隠しも様々な理由で劣化し、鼻隠しの傷みが原因で雨漏りが起こすことがあります。

鼻隠しの劣化原因と雨漏りリスク

大雨のイメージ

鼻隠しは雨樋の後ろにあるため、破風板のように直接雨風に晒されるわけではないので、劣化しにくいとも言えます。
しかし雨樋がある分、雨樋が原因で劣化を起こすこともあります。見えにくい場所のため劣化や不具合に気が付きにくいため発見が遅れることもあるため定期的な点検やメンテナンスをおすすめいたします。

色褪せ・塗料のひび割れ

鼻隠しは雨樋の後ろにあり紫外線が当たりにくい箇所ではありますが、それでも年数とともに表面の塗料が劣化して色褪せを起こします。
塗料が色褪せを起こしている状態は、塗料の防水機能も低下しているサインです。
色褪せが進行すると塗料のひび割れや剥落が起こります。塗料が剥げてしまうと下地がむき出しになり、木材の場合などは腐食を起こすため早めに塗装で目手ナンスを行っておくと安心です。

シーリングの劣化

鼻隠しにもつなぎ目にシーリングが充填されており、隙間を埋めて雨水の侵入を防いでいます。
シーリングが紫外線によって劣化するとひび割れなどを起こし、隙間ができてしまい、そこから雨水が入りこんでしまいます。

屋根の排水不良

もしも雨樋に近い屋根材が破損などの不具合や軒先の板金が不具合を起こした場合に、屋根からの雨水が雨樋に適切に排水されず、鼻隠しに雨水がかかってしまうことで反りなどの変形、腐食などの不具合を起こします。

雨樋の不具合

雨樋に落ち葉やゴミなどが詰まってオーバーフローを起こすと、あふれた雨水が鼻隠しにかかってしまうことで鼻隠しの劣化につながります。
また樋を固定する金具の劣化や不具合などからそこから雨水が伝って鼻隠しに染み込みこともあります。
雨樋の不具合は鼻隠しだけではなく様々な箇所に影響を与え、雨漏りリスクがあるため早めに補修を検討してください。

鼻隠しのメンテナンス・修理方法

鼻隠しの修理方法は劣化の状態によって異なります。
珍年数が20~30年で鼻隠しが木材を使用しているお宅は劣化している可能性が高いためメンテナンスや点検をご検討ください。

塗装

鼻隠しの塗装が色褪せているなど塗膜が劣化している場合には塗装を行います。
外壁塗装の際に付帯部塗装として一緒に塗装することがほとんどです。
定期的に塗装し、早い段階でメンテナンスを行うことで修理費用もお安くなります。
鼻隠しの素材が木材、金属、窯業系のどれかによって使用する塗料も異なります。

板金巻き

塗装では対応できない劣化状態の場合には、上から板金(ガルバリウム鋼板)で巻いてカバーします。
木材の場合はこちらの修理方法が一般的です。
多くの場合、現場で職人が鼻隠しの形状に合わせて板金をカットして施工します。

鼻隠しの交換

鼻隠しが下地まで傷んでいるような場合には鼻隠しそのものを交換します。

まとめ

垂木の先端を隠し、雨樋の取り付けの下地となる鼻隠し。
破風板よりも劣化しにくい場所ですが、塗料やシーリングの劣化や雨樋の不具合など様々な理由で劣化を起こし、雨漏りの原因になることも。
劣化の状態によって、塗装。板金巻き・鼻隠しの交換という補修を行います。
鼻隠しは見えにくい場所です。雨漏りになってから不具合に気付くことが多いですが、雨漏りが発生すると被害の状態によっては大きな費用がかかることもあります。被害を抑えて修理費用を抑えるためにも、定期的に屋根や外壁のメンテナンスを行われることをおすすめします。

横浜市で鼻隠しの修理や雨漏り修理、屋根や外壁のメンテナンスは福田総業へご相談ください。

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