【事例付き】サッシや窓枠から雨漏りする原因や対処方法を解説

窓枠やサッシから雨が入り込んでくるということはありませんか？
特に台風や大雨の際に、雨が侵入してくると、雨漏りなのかな？と心配になるかもしれません。

雨漏りというと天井からというイメージが一般的ですが、意外と窓からの雨漏りというものは多いのです。
壁とサッシのような違う部材が接する取り合い部分はどうしても雨漏りしやすくなります。

サッシからの雨漏りは小規模な場合が多く、特に台風の時しか雨漏りしないということであれば拭き取ればなんとかなるため放置されている方もおられるでしょう。
しかし雨漏りは原因によっては放置すると二次被害など大きな被害につながることがあります。
こちらでは台風でサッシや窓枠から雨漏りがなぜ起こるのか、どんな処置をとればいいのかご紹介します。

窓の構造

窓を固定するサッシは、外壁内部の木材に取り付けられて、しっかりとはめ込まれています。窓を施工する際には、防水シートを水が入り込まないよう規定の手順で貼り、サッシと外壁の境目には隙間ができないようにコーキング材を充填します。
窓はこのように隙間なく、雨が侵入しないように施工されているのです。

サッシや窓枠からの雨漏りの原因

このように隙間なく施工されている窓が雨漏りする原因には下記のようなものがあります。

コーキング材の劣化

サッシや窓枠からの雨漏りの原因として多いのがサッシ廻りのコーキング材の劣化です。
サッシと外壁を埋めて雨の侵入を防いでいるコーキング材は、紫外線などの影響によって経年劣化していきます。寿命は約10年と言われています。
やせ細ってヒビが入るなどすると、隙間ができてそこから雨水が侵入してきます。

ゴムパッキンの劣化

窓とガラスの隙間にはガラスとサッシを密着させるためのゴムパッキンが詰められています。
このゴムパッキンも紫外線などによって経年劣化してきます。劣化でできた隙間から雨水が入り込んできます。
ゴムパッキンはガラスを支える重要な役目をしています。劣化してきたら早めに交換を行いましょう。

引き違いからの浸水

引き違い窓とは2枚のガラス窓をスライドして開閉する窓のことです。スムーズに開閉するためにどうしてもわずかに隙間があり、この隙間から台風などの強風の際に雨水が侵入することがあります。
原因がこの場合には不具合ではないため、補修などは特別必要ありません。

サッシや窓枠の劣化（特に木製窓枠）

木製の窓枠やサッシは、年数が経つにつれて紫外線・雨水・湿気の影響を大きく受けます。
木材は水分を含むと膨張や収縮を繰り返すため、表面の塗膜が劣化すると徐々に反りやひび割れが発生し、隙間ができやすくなります。
特に雨に直接さらされやすいバルコニー側の木枠は劣化が早く、枠の変形や腐食によってサッシとの取り合いに微細な隙間が生じ、そこから雨水が入り込むケースが多く見られます。また、木材が腐朽して内部が空洞化すると、見た目にはわからない状態でも雨漏りが進行している場合があります。
定期的に塗装やメンテナンスを行うことで劣化を遅らせることは可能ですが、劣化が進行した場合は交換が必要になることもあります。

サッシや窓枠の施工不良

サッシは壁に穴をあけて取り付けるため雨漏りのリスクが高い場所です。
そのため本来、サッシを取り付ける際には「防水シート（透湿防水シート）」を規定通りに重ね、下方向に水が流れるように施工しなければなりません。
しかし新築時の施工で、防水シートの重ね方向が逆になっていたり、サッシ周囲の防水テープが十分に貼られていないケース、ひどい場合には防水処理が施工されていないケースが実際に存在します。
このように本来施工されているべき適切な防水処理がなされていないと、強風時に外壁内部へ雨水が入り込んでしまい、サッシ周りから雨漏りとして現れます。
施工不良による雨漏りは内部で水が回りやすく、天井・壁・構造材に被害が及ぶこともあるため、原因の特定と適切な補修が重要です。

外壁のひび割れ

サッシ周辺の外壁にヒビ割れがある場合、その割れ目から雨水が侵入することがあります。
モルタルや窯業サイディングでは塗装を行うことで、雨水から保護しています。しかし表面の塗膜が劣化すると、剥がれや浮き、ひび割れが発生します。
0.3mm以下の細いひび割れの場合にはすぐに雨漏りが発生することはありません。
しかし奥まで届くようなひび割れの場合には、外壁の下地に影響を与えてしまいます。

外壁の下地には防水シートなどの防水紙が施工され、外壁の表面に劣化があってもすぐに雨漏りすることはありません。
内部に到達した雨水が防水シートの重ね部分や、サッシのつばと防水テープの重ね目などわずかな隙間から徐々に侵入して雨漏りへと発展してしまいます。
もしも外壁からの雨漏りが原因の場合は、外壁を点検して、コーキングやモルタルなどで隙間を埋めて補修を行うなど必要な補修工事を行う必要があります。

サッシや窓枠からの雨漏りの対処方法

補修に関しては、専門業者に一度見てもらうことをおすすめいたします。
コーキング材も今ではホームセンターに売っているため、それくらいなら自分でできそうと思われるかもしれませんが、雨水の流れや侵入経路をよく理解しないままふさいでしまって余計に雨漏りがひどくなった事例も多く、おすすめしません。
ただ、単に隙間が発生していることが原因であり、内部に被害が少ない場合には、コーキングによる補修で済むこともあります。
しかし内部でどのくらい広がっているのか、また雨漏り原因が一つではないこともありますので、専門業者に見てもらうのが確実です。

とりあえず雨漏りを止めたいという場合には、下記のような応急処置の方法があります。
・タオルなどで雨水を吸い取る
・雨戸を閉める
・雨漏り箇所に防水テープを貼る

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応急処置はあくまでも一時的なものなので、処置を行った後は専門業者に相談して原因の調査と修理を依頼することをおすすめいたします。

サッシや窓枠からの雨漏り修理の事例

こちらではサッシや窓枠から雨漏りを起こしていた実際の事例をご紹介します。

事例1：二階の木製サッシからの雨漏り

こちらは二階の木製サッシの劣化により、一階の天井から雨漏りを起こしていました。
リビングのシーリングライトに水が溜まっており、漏電を心配されて電気をつけずに生活されていました。

リビングの天井からの雨漏りが確認できました。原因は二階ベランダの木製サッシ部分の劣化でした。
防水テープを貼るなどの応急処置をされていました。防水テープは応急処置には有効ですが根本解決にはならないため、被害拡大を防ぐために早めの補修がおすすめです。
当日はベランダデッキを撤去して、雨漏り箇所にピンポイントでシーリングで応急処置を行いました。

劣化した木製サッシを撤去して、内部の防水処理をした上で交換します。
サイズを合わせてカットした木材を施工し、塗装を行いました。

雨漏りが止まったことを確認した上で、雨染みのできていたリビングの天井も張り替えました。
既存の砂壁もクロスに張り替えてほしいとのことでしたので合わせて施工を行いました。

こちらの施工事例の詳細は下記をご覧ください。

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事例２：二階サッシの施工不良と屋根すがり部からの雨漏り

こちらのお客様は雨が強く降った時に雨漏りがするとのことでした。
調査を行ったところ原因は屋根のすがり部と、二階寝室のサッシに防水処理がされていなかったことが原因で雨漏りを起こしていました。
合わせて築年数も経過しているので葺き替えを行いたいとのことで、葺き替えと外壁のひび割れ補修も行いました。

すがり部とは屋根が軒よりも外側に出ている場所を指し、雨漏りを起こしやすい箇所でもあります。ここから入った雨が矢印の方向に流れていました。
隅切りという処理がされていないことも原因でした。

こちらのサッシには本来行われているべき、防水シートなどによる防水処理がされていませんでした。
現在のサッシを撤去して、適切な防水処理を行った上でLIXIL「サーモスA上げ下げ窓FS」を新しく設置しました。

外壁のひび割れ補修をエポキシ樹脂で行い、上から塗装をしています。また屋根の葺き替えも行いました。

こちらの施工事例の詳細は下記をご覧ください。

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まとめ

サッシからの雨漏りは、コーキング材の劣化、ゴムパッキンの劣化、引き違いからの浸水、窓枠やサッシの劣化、施工不良、外壁のひび割れなどから発生します。
雨漏りの原因が単なるサッシからの吹き込みなどでなく、継続的に発生する場合には、早めに雨漏りの専門業者にご相談ください。
雨漏りを放置してしまうとどんどん見えないところで悪化してしまい、内部の躯体を傷めてしまいます。
複数ある原因から原因を的確に突き止めて確実な施工を行うことが重要です。

横浜市で窓やサッシからの雨漏りのお悩みの方は一度福田総業にご相談ください。