特にスレート屋根をリフォームする際には、今ある屋根の上から新しい屋根を被せるカバー工法を行うのが一般的です。
カバー工法を行う際に、相見積もりをとるのが重要ですが、ただ安い金額のところを選ぶのは危険です。
中には適正な工事を行わない業者も残念ながら存在するため、安心してお得な工事を行うために、それぞれの見積書のどんな点を確認すればいいのかチェックポイントなど見積書の見方についてご紹介します。
安心してお得に屋根カバー工法を行いたい方はぜひ参考にされてください。
屋根カバー工法の見積書のチェックポイント
ポイント1:工事ごとに分かれているか
例えば工事内容が工事ごとに分かれておらず、「一式」とまとめられている場合には注意が必要です。
屋根カバー工法には、足場架設からルーフィング、板金の撤去、新規屋根材の施工など細かな工事の工程があります。
見積書をみればどんな工事内容を行い、それぞれにいくらかかっているのかという点が分かることが大切です。
敢えて分けずに不明瞭にすることで、手抜き工事を行う業者も存在するため工事内容や単価や数量が明記されているか確認してください。
ポイント2:防水シートなど各使用材料名が記載されているか
各工事の過程でどんな材料を使用するのか、明記されていることも重要です。
屋根カバー工法では既存の屋根の上から新しい防水シート(ルーフィング)を施工しますが、このルーフィングの品質は雨漏りのしやすさに関わってくる大きなポイントです。
防水シートは20種類ありますが、一般的な「アスファルトルーフィング」は「アスファルトルーフィング940」を指し、一番安く耐久性の低い製品になります。
「改質アスファルトルーフィング」(ゴムアスルーフィング)はこのアスファルトルーフィングを改良したものであり、より高い耐久性があるため、改質アスファルトルーフィングの製品が使用されているか確認してください。
弊社ではカバー工法では田島ルーフィングのタディスセルフカバー(粘着式ルーフィング)をおすすめしています。
ポイント3:安さだけでは選ばない
工事費用というものは最も気になるポイントですが、細目や内容を確認せずに安いというだけで選んでしまうと危険です。
工事は使用する材料や施工方法によって大きく変わります。
メーカーの保証がつかない非純正の板金や一番安いけれども耐久性の低いアスファルトルーフィング940を使った工事は安いけれども耐久性や安心という点では不安があります。
どんな材料を使ってどんな施工方法を行うのか、しっかりと確認し、工事費用と見合っているかで判断してください。
あまりにも安い工事は当然どこかを削って利益を挙げている可能性が高いです。
屋根カバー工法の費用の相場
屋根カバー工法の相場は、一般的に80万〜160万円です。
例えばガルバリウム鋼板の場合は、6,000円~9,000円/㎡。
他にも足場の費用として700円~1,000円/㎡(15~20万円)、防水シートの施工費用は約600円~1,000円/㎡などがかかります。
屋根カバー工法の際に安心して工事するポイント
現地調査をしっかりと行うか
今の屋根の状態を調査する現地調査には通常2時間程度かかります。もしも現地調査にほとんど時間をかけず、5~10分程度で終ってしまうような場合には悪徳業者の可能性が高いため注意してください。
説明が明確でわかりやすいか
例えば雨漏りが原因でカバー工法を行う場合、雨漏りの原因を説明を写真などを使用してわかりやすい説明があるかどうか、なぜどの工事が必要なのかなど理由を提示してくれるところは安心できます。
選択肢を提示してすり合わせを行ってくれるか
リフォーム業者の中には、屋根材を一つしか提案しないようなところもありますが、屋根材には100種類以上の種類があります。
カバー工法には葺き替えよりも使える屋根材に制限があるものの、メーカーによって性能や特徴も代わってきます。
複数の提案をしてくれたり、予算や希望に合わせた提案をしてくれるところを選ぶといいでしょう。
工事は板金工事会社に依頼
屋根カバー工法はスレート(カラーベスト)に金属屋根を施工することがほとんどです。
金属屋根を施工するのは板金工事会社です。板金工事会社に直接依頼すると、相談しながら確実な工事が期待できます。
屋根カバー工法の際にお得に工事するポイント
相見積もりをとって比較する
見積は一社だけではなく、複数の会社に同じ工事内容で依頼することで比較検討ができます。
同じ「スレート屋根からガルバリウム鋼板へのカバー工法」でも内容は千差万別です。
耐久性をご希望の場合は、「屋根材は横暖ルーフなど耐久性と断熱性能があり、ルーフィングも耐久性が高いもの」などをリクエストされるといいでしょう。
予算が決まっている場合には、それを伝えて、予算に合わせた見積を作ってもらいましょう。
どこかを削る場合はルーフィングのグレードは落とさずに、屋根材のグレードを少し落とすことをおすすめします。
外壁塗装と同時に行う
築15年~20年経過して屋根も外壁もメンテナンスしていない場合、外壁塗装も一緒に行うと足場を建てるのが一度で済むため、その分足場代がお得に工事ができます。
まとめ
屋根のカバー工法を検討する際には、見積をとって以下の点を確認しましょう。
・項目が工事ごとに分かれているか(工事内容や単価や数量が明記されているか)
・防水シートなど各使用材料名が記載されているか
・安さだけでは選ばない(材料や施工内容もチェック)
また屋根カバー工法を安心して工事するには、現地調査をしっかりと行うか、説明が明確でわかりやすいか、選択肢を提示してすり合わせを行ってくれるかという点も確認しましょう。
屋根カバー工法をお得に行うには、相見積もりをとって比較検討し、リフォーム時期が同じであれば外壁塗装と同時に行うと足場代の分お得に工事が行えます。
けして安くはない屋根カバー工法。しっかりと見積を確認して安心して工事を行えるようにしましょう。
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