雨漏り修理を依頼した時、「屋根塗装と外壁塗装」を行えば直りますと業者に言われて本当なの?という疑問をお伺いすることがあります。
雨漏り調査を行った結果、雨漏りの原因が外壁の場合は、外壁塗装で直ることもあります。
しかし塗装をすれば雨漏りが直るというわけではありません。
お金をかけて塗装したのに雨漏りが直らないということも実はよくある話です。
今回は塗装で雨漏りが直らない原因や理由についてご紹介します。
雨漏りが塗装で直らない原因は?
雨漏りの原因は屋根や外壁だけではない
以前のブログでもお伝えしたように、雨漏りの原因は多岐にわたり、発生個所も一つではなく複数にまたがっている場合もあります。
まずはしっかりと雨漏り調査をして、どこから雨漏りを起こしているのか、雨水の侵入ルートを突き止めることが重要です。屋根や外壁以外にもバルコニーやベランダ、サッシや窓など様々な場所が考えられます。
信頼できる業者であれば、「〇〇が原因で〇〇から雨漏りをしています」と明確に理由を説明してくれます。もしくは「複数から雨漏りしている可能性があるため何度が調査が必要です」と正直に伝えてくれます。
もしも具体的な説明もなしに「屋根塗装と外壁塗装をすれば直ります」というような業者は信用ができないといえます。
塗装の目的は表面の雨水からの保護
そもそも外壁塗装や屋根塗装の目的は、建物の美観の回復と、塗料が作る膜によって防水層を作って屋根や外壁を雨水などから保護することです。
防水層を作るなら雨漏りも直るのではと思う方もおられるかもしれませんが、あくまでも塗装は中に水を侵入させないための「予防」です。
屋根の雨漏りを防いでいるのは防水シート
特に屋根は、下地材の上に防水シートがあり、その上にスレート、ガルバリウムといった屋根材、そして屋根材の上に塗装を行うという構造になっています。
一番の上の屋根材が「一次防水」で、まずここで雨の侵入を防ぎます。その下のルーフィングと呼ばれる防水シートが「二次防水」で、雨を下地材や躯体に侵入させない最後の砦として重要な役目を負っています。
すこし屋根材が剥がれたくらいでは雨漏りをしないのは、この防水シートが文字通り水を防いでいるからです。
屋根が雨漏りを起こしている場合には、この防水シートが破れたり劣化していることが多いです。
ですので屋根を塗装しても、中の防水シートに原因がある場合には直ることがありません。
雨仕舞によって雨を排出している
屋根は実は完全に隙間がない状態になっているわけではなく、例えばスレート材の重なり部分には隙間がありますが、ここから入った雨水は一段下の隙間から排出される構造になっています。
このように雨を排出する仕組みを雨仕舞といいます。
例えば塗装業者が屋根のスレートの隙間を埋めてしまったために雨仕舞が機能しなくなり雨漏りしてしまったというケースや、雨仕舞の施工不良によって雨漏りするケースなどもあります。
雨仕舞について詳しくはこちらをご覧ください。
他にも建物の異なる部材同士が接する取り合い部分からも雨漏りは発生しやすくなっています。
このようにみると雨漏りの発生原因は塗装はあまり関係ないところで発生するケースが多く、特に屋根塗装で修理できる雨漏りというのは多くの場合ありえないといえます。
雨漏りは放置すると建物を傷めてしまいます
もしも雨漏りが下地材にまで及んでしまっている場合には、下地材の補修や張替えが必要となり、屋根の葺き替え工事が必要になってきます。
お金がかかってしまうからと安い塗装の工事を選ばれると原因が解決しないためいつまでも雨漏りは続いてしまい、結局最後には葺き替え工事が必要となり二重にコストがかかってしまいます。
雨漏りは放置するとどんどん中に広がって建物を傷めてしまいますので、早めの解決をおすすめいたします。
まとめ:「雨漏り修理」は専門業者へ
屋根は普段意識しない場所だからこそ「雨漏り修理はどこに頼んでいいのかわからない」という方も多くおられます。
雨漏り修理や屋根工事は普段馴染みのない方も多いです。
屋根は生活を守る大切な場所だからこそ、業者選びは慎重に行ってください。
「何度も雨漏り修理をしたけど直らない」というのはストレスがかかってしまいます。
雨漏り修理は今まで経験のある、屋根や雨漏りの仕組みを熟知した専門家に依頼することをおすすめいたします。