こんにちは。横浜市港南区の雨漏り修理・屋根修理専門店「福田総業」です。
今回は屋根の下地である野地板について、その役割や種類、メンテナンス方法について詳しくご説明します。
野地板とは?
屋根材の下にはルーフィングがあり、さらにその下にあるのが野地板(のじいた)です。
野地板は屋根の垂木の上に固定されており、屋根材やルーフィングシートを野地板に固定して屋根を支える役割を担っているとても重要な部材です。
しかし普段は屋根材に隠されており目に触れることはありません。
最終的に雨漏りを防いでいるルーフィングシートが劣化するなどして雨が浸み込んできた時、野地板に水が浸透して腐食を起こすと雨漏りに発展してしまいます。
野地板まで腐食が進行していると屋根全体の張り替えが必要となり、高額な費用がかかってしまいます。
野地板の種類
野地板
構造用合板(構造用パネル)
現在最も一般的に使用されている野地板がこの構造用合板です。
様々なサイズや厚みがあり、用途によって使いわけられます。厚みがあるほど強度は高まりますが、その分重みも増すためバランスを考慮して決定します。
屋根の野地板として使用されるものは、サイズが910 mm×1820 mm、厚み12mmのものが一般によく使用されています。
隙間なく敷設することで雨漏りを防ぎ、施工がしやすいメリットがあります。
バラ板よりも耐久性には劣りますが、最近ではルーフィングの性能も向上し、耐震補強ができる素材として広く使用されています。
野地板と見た目がよく似たものにコンクリートパネル(コンパネ)があります。
どちらも薄いベニヤ板を張り合わせた合板ですが、それぞれサイズや品質、そして用途も異なります。
構造用合板は屋根の下地等の他に天井や壁の基礎として使用されるのにたいして、コンパネは正式名称が「コンクリート型枠用合板」とあるように、コンクリートを打設する際に型枠として使用されます。
バラ板(杉板)
バラ板は構造用合板が普及する前に使用されていた屋根の下地材です。40年近くまえの戸建て住宅ではよく使用されていました。
材質は主に杉が用いられていました。そのため「杉板」と呼ばれることもあります。
幅が約90mmから120mmの細い板状の木材を、隙間をあけて敷設します。
隙間をあけることで通気が確保され、小屋裏に湿気が溜まりにくい構造になっています。
乾燥しやすい杉を用いることでバラ板自体も乾燥しやすく湿気にくいメリットがあります。
しかし雨が上から漏れてくると隙間があるため即雨漏りしてしまうデメリットがあります。
耐火野地板
耐火野地板は、木材でありながら耐火性を高めた野地板です。
準防火地域や防火地域では、準不燃材である耐火野地板が必要とされています。
耐火野地板の素材は、木毛セメント板や木片セメント板を使用しており、メーカーごとに製造方法が異なっています。
屋根材メーカーのニチハ株式会社の「センチュリー耐火野地板」は硬質木片セメント板を素材としています。耐火性能だけでなく、断熱性能や遮音性能もあわせもっています。
参考:ニチハ株式会社の「センチュリー耐火野地板」
野地板のメンテナンス
野地板は外から見えないため、劣化状況を確認することは中々難しいことではあります。
天井裏に断熱材がなく、点検口がある場合にはそこから野地板の状態を確認することが可能です。
屋根がトタン瓦棒屋根やスレートの場合、屋根にのぼって踏み具合で劣化を判断できます。
屋根がふかふかしている場合や、雨漏りが天井から滴っているような場合には野地板が腐食している可能性が高いといえます。
野地板の耐用年数は工法や屋根材によっても異なりますが、構造用合板で約30年、バラ板の場合は約40年です。
築30~40年経過すると交換時期を迎えていると言えるでしょう。
もし雨漏りを起こしてしまったら劣化は急速に進行してしまいます。
断熱材や空気層をもたずに施工されるトタン瓦棒屋根の場合には、湿気や熱の影響を受けやすいため劣化がより早くなります。
野地板の張り替え
野地板が全体に腐食していて劣化がひどい場合には新しい野地板で葺き替える必要があります。
まだ屋根材やルーフィングが使える状態でも、野地板が劣化していれば張り替えとなるため注意が必要です。
野地板が全体的に腐食していると、上から新しい屋根を被せるカバー工法は屋根が二重になり重さに耐えられないため施工はできません。
野地板から屋根をまるごと造り直す葺き替え工事が必要です。
野地板の増し張り
既存の野地板がそこまで傷んでいない場合や、野地板にバラ板が使用されている場合には、古い野地板の上から新しい野地板を張る増し張りを行います。野地板の重ね張りとも言います。既存の野地板を撤去しないため、その分費用を抑えることができます。
葺き替え工事の時のみでなく、カバー工法の際にも行います。
張り替えが必要な屋根に増し張りを行うと、屋根自体の耐久性が下がってしまうため、職人による見極めが重要です。
野地板が腐食を起こしていた事例と原因
弊社がこれまで承った工事で、野地板が腐食を起こしていた事例とその原因をご紹介します。
①縁切りされていないケース
スレート屋根を塗装した際に、タスペーサーを使った縁切りという作業を行わないと野地板まで腐食を起こしてしまうことがあります。
塗装をすると本来内部に入り込んだ水が流れるための隙間をふさいでしまい、その隙間をあけるために縁切りという作業を行います。業者の中には縁切りを行わない人もいるため、注意してください。
②ハゼ組の継ぎ目からの漏水
金属屋根を繫いでいくのには様々な方法があります。その中でハゼ組という方法は金属板同士を重ね合わせて、折り曲げて繫げていきます。
この方式は継ぎ目から漏水することが多く、雨漏りを起こして内部の下地まで腐食を起こしていました。
③屋根材が耐用年数を過ぎているケース
屋根材にはそれぞれ耐用年数があり、種類によっては塗装による定期的なメンテナンスが必要です。
こちらのセメント瓦の屋根は耐用年数を過ぎており、塗装もしばらくされていなかったため強風で飛びそうになっていました。
また野地板も大きく腐食を起こし、雨漏りもしていました。
雨漏りを起こして野地板まで腐食すると修理費用も高額になってしまいます。屋根は定期的なメンテナンスをされることで大きな被害を防ぐことができます。
まとめ
野地板は普段は見えませんが、屋根の本体を固定して支える重要な部材です。
野地板の張り替え工事は高額な工事です。雨漏りが発生して野地板が全体に腐食していると大きな負担となってしまいます。
屋根の定期的な点検やメンテナンスを行うことで、雨漏りが拡大することを防ぐことができます。
築30~40年を過ぎている家は、屋根材に不具合がなくても下地材である野地板の耐用年数が過ぎている可能性があります。
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