最近では太陽光パネルを設置した住宅を多く見かけるようになりました。
2012年にスタートした政府が余剰電力を買い取る余剰電力買取制度によって太陽光発電は広く普及してきました。
東京都では、戸建てを含む新築住宅に対して2025年から太陽光パネル設置義務化を推進しています。
環境にやさしく、余剰電力は買い取ってもらえてメリットが多くみえる太陽光発電ですが、一方で雨漏りしやすいのではないかという不安を抱えておられる方もおられるのではないでしょうか。
今回は太陽光パネルを設置した際の雨漏りの原因や雨漏りしないための対策についてご紹介します。
参考:「2025年4月から太陽光発電設置義務化に関する新たな制度が始まります」(東京都)
ソーラーパネルを設置するメリット
ソーラーパネルを設置するメリットは、ソーラーパネルで発電できることで節電ができることです。
一般的な家庭の場合、7~9割の電気が発電によって賄えるとされています。
余剰電力は買い取ってもらえることもできることも魅力ですね。
ソーラーパネルを設置するデメリット
ソーラーパネルは設置時に大きなコストがかかる点がまずはデメリットとしてあげられます。初期費用は一般的な家庭では100万円前後で、さらに定期的なメンテナンスも必要です。
また雨漏りのリスクが高まる点もデメリットといえます。
ソーラーパネル設置で雨漏りする原因
太陽光パネルを設置すると雨漏りリスクが高まる点について詳しくみていきましょう。
太陽光パネルからの雨漏り原因は、施工業者の施工ミス、手抜き工事、屋根の経年劣化、そもそも設置できない屋根に設置している(業者の知識不足)などがあげられます。
太陽光パネルから雨漏りする原因:(1)施工業者の施工ミス
あってはならないことですが、太陽光パネルからの雨漏りの多くは施工業者の経験不足による施工ミスによるものです。
太陽光パネルには屋根と一体型のものと、屋根に設置する屋根置き型がありますが、「屋根置き型」を設置する際に問題が生じることが多くあります。
屋根置き型の太陽光パネルを設置する際には、一般的に屋根材の下にある野地板にパネルを固定する架台をビス止めする方法と、野地板の下にある垂木にビスで固定する方法があります。
いずれもビスをつかって屋根材と防水シートに穴をあけて固定する「直打ち工法」が用いられており、処理を適切に行わないと雨漏りの原因となります。
瓦屋根の場合に多いのは、太陽光パネルを設置するために一旦はずした瓦をうまく元に戻せずガタついてしまうことが原因として多いようです。
スレート屋根の場合はそのままスレート屋根材の上からビスで固定をします。
この場合に多いのは、穴をあけた後に行うコーキング処理が甘い、耐久性の低いコーキング材を使用する、仕上げの防水加工に不備がある、などの問題が原因としてがあげられます。
また、屋根が小さすぎる、屋根の形状が複雑、経年劣化が進んで傷みの激しい屋根など、本来は太陽光パネルの設置が向かない屋根に無理に設置すると雨漏りのリスクが高まります。
こうした判断不足や技術不足によって、太陽光パネルを設置した数年後に雨漏りが発生するというケースが見られます。
太陽光パネルから雨漏りする原因:(2)手抜き工事
近年太陽光パネルを施工する業界は競争が激化しています。
そのため価格競争が発生し、業者間で少しでも安い価格で提供することを競う傾向があります。
あまり工事費用が安いと、施工費用にしわ寄せがいき、販売する業者が下請けに出している場合には実際の工事費用はかなり安くなってしまいます。
そのため必要な工程を省いたり、材料費を削減するため低価格の材料を使用するなど工事の品質が低下してしまいます。
こうした手抜き工事が原因で雨漏りが発生するケースもあります。工事費用があまりに安すすぎる業者には注意をしてください。
太陽光パネルから雨漏りする原因:(3)屋根の経年劣化
太陽光パネルを設置していて雨漏りが発生すると、原因は太陽光パネルにある思いがちですが、設備に関係なく屋根そのものが劣化することで雨漏りが引き起こされるというケースももちろんあります。
屋根には耐用年数があり、風雨や紫外線で気づかないうちにゆっくりと劣化していきます。
普段目につかない場所ですが10年単位で点検・メンテナンスをすることで異常を早期発見し、雨漏りを未然に防ぐことができます。
築年数が30年を超え、劣化が進行している場合にはまずは葺き替えなどを行ってから太陽光発電設備を導入されることをおすすめします。
太陽光パネルから雨漏りする原因:(4)そもそも設置できない屋根に設置している
太陽光パネルはすべての屋根に設置できるわけではありません。
太陽光パネルは一定の枚数設置しないとシステムが組めないため、屋根の面積が小さすぎる、入り組んでいる屋根には設置は難しくなります。
また劣化が激しい屋根に無理に設置すると雨漏りの原因となってしまいます。
他にも、屋根材の種類によっても太陽光パネルの設置が向いていない屋根があります。
例えば第二世代スレートのパミール屋根などは劣化しやすいため太陽光パネルの設置は向いていません。
太陽光パネル設置で雨漏りしないための対策
信頼できる業者に依頼する
太陽光パネルの施工不良で発生するのは雨漏りだけでなく、太陽光パネルの発熱による発火などの危険な事故も発生しています。
太陽光パネルが原因の雨漏りや火災などが発生するのは施工ミスや、施工業者の知識不足が原因であることがほとんどです。
屋根は雨から建物を守る大切な場所。その屋根に対する知識や太陽光パネルに対する知識・経験も持ち合わせ、施工マニュアルを遵守する信頼できる業者を選びましょう。
屋根修理でも訪問業者によるトラブルを多く耳にしますが、「今なら太陽光パネルが実質無料」などの甘い言葉で契約を迫ってくるような訪問業者は避けるようにしましょう。
太陽光パネルの各メーカーが認めた設置業者に発行される「販売ID」と「施工ID」を持ち、契約を急がせず、説明の丁寧な業者に依頼すると安心です。
屋根に穴をあけない設置方法を選択する
太陽光パネルの設置には、「キャッチ工法」、「シンプルレイ工法」、「支持瓦工法」などという屋根に穴をあけない工法もあります。
これらの工法は通常よりも高額になる場合がありますが、雨漏りのリスクを考えると将来的にお得になる場合があります。
金属屋根(縦ハゼ、横ハゼ)であれば、キャッチ工法やつかみ金具などを用いて屋根に穴をあけることなく太陽光パネルが設置可能です。
太陽光パネルを設置すればその分屋根の重量も増えますが、軽い金属屋根であれば、耐震性も安心です。太陽光パネルを設置したい場合には金属屋根を選択するのもいいでしょう。
メーカーの「施工ID」を取得している業者に依頼する
太陽光パネルのメーカーの施工研修を受け、施工業者と認定された業者には、「販売ID」と「施工ID」が発行されます。
これらの「施工ID」を取得している業者が施工を行った太陽光パネル設置工事に対して、メーカー保証を認めています。
こうした「販売ID」と「施工ID」を所持している業者に複数見積をとって業者を選ぶようにしましょう。
保証内容を事前に確認する
太陽光パネルの保証にはメーカー保証と施工保証の二種類があります。
メーカー保証は太陽光パネルの製品そのものの不具合に対応しており、メーカーから認定された「施工ID」を所持している業者の場合のみ適用されます。施工不良による雨漏りにはメーカー保証は対応していないため注意が必要です。
こちらに対応するのは施工保証となるため、施工保証があるかどうか契約前にしっかり確認しておくと安心です。
設置前に屋根の状態を確認してもらう
太陽光パネルを設置する前に、屋根の現在の状態をしっかりと調査してもらい、劣化状態など設置しても問題がないかどうか確認してもらいましょう。
信頼のできる業者であれば、調査結果を写真などで見せて現在の状態を説明してくれます。
そして太陽光パネルを設置した際のメリットやデメリットまで説明した上で、問題があれば施工をすすめるようなことはしないでしょう。
太陽光パネル設置後も定期点検やメンテナンスを行う
太陽光パネルを設置した後にも定期的なメンテナンスを行うことが雨漏りや事故を避けるために重要です。
施工会社によっては定期的な無料点検サービスを実施しているところもあります。
契約を行う前に、点検サービスがあるかどうか、無料か有償か、そしてサービスの内容を確認しておきましょう。
まとめ
メリットの多い太陽光発電ですが、施工業者の施工ミス、手抜き工事、屋根の経年劣化などの原因によって雨漏りを起こすことがあります。
雨漏りを起こさないためには、信頼できる業者に依頼し、屋根に穴をあけない施工方法を検討する、保証内容を事前に確認する、太陽光パネル設置後も定期点検やメンテナンスを行うことが重要です。
信頼できる業者を選び、施工後も定期的なメンテナンスを行うことで雨漏りのリスクを避けることができます。
横浜市で屋根の雨漏り修理や屋根修理をお考えの方はお気軽にご相談ください。