「雨漏り修理を頼んだのにまた雨漏りした」「安さを重視して工事を依頼したら数年で劣化して余計に費用がかかった」という事例を残念ながら耳にすることが多くあります。
屋根修理は安い工事ではなく、できるだけ安く済ませたいという気持ちから安い業者に依頼したり、焦って良く選ばずに依頼した結果、逆にトラブルを招いてしまうケースも少なくありません。
今回は、横浜市で実際に多く見られる「屋根修理のトラブル例」を5つに絞ってご紹介し、トラブルを避けるための対策も詳しく解説します。
目次
1. 雨漏り修理を依頼したのに再発した
「他社で雨漏り修理をしてもらったのに、数ヶ月でまた雨漏りが再発してしまった」というご相談は弊社にも非常に多く寄せられます。
割と多いのが家を建ててもらったり、つながりのある工務店さんに雨漏り修理を依頼したけれども、毎回違う箇所を補修されるだけで、根本的な改善に至らず高額な費用だけが積み重なっていったという事例です。
中には4社ほど調査依頼をされたけれども雨漏りの原因がわからないという事例もありました。
雨漏り修理を依頼しても再発してしまう原因としては、原因箇所を特定せず表面的な補修で終わってしまうケースがあるためです。
雨漏りの原因を突き止めるためには、家の構造を理解し、これまでの雨漏り修理の経験からあらゆる可能性を試しながら地道に検証していく必要があります。
そのため雨漏りに対する専門的な知識や経験のない業者が調査を行うと、原因を突き止められずに、見た目や予想、勘だけで工事を行ってしまい、雨漏りが再発してしまいます。
雨漏り修理を依頼して再発させないための対策
雨漏り修理においては、どこから雨漏りが発生しているかを明確にする放水テストなどでの【原因調査+根本修理】が不可欠です。
また、修理後にも放水テストを行い、本当に雨漏りが止まったかの確認を必ず行うことが重要です。
こうした処置をとっているかどうか、依頼する前に確認をするといいでしょう。
ホームページなどで施工事例を公開しているところであれば、そうしたことを行っているかどうかチェックしておきましょう。
2. 施工不良によるトラブル
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「とにかく安く済ませたい」「お金をかけたくない」という思いから、価格だけで業者を選んでしまい、結果として施工不良によるトラブルに見舞われるケースも後を絶ちません。
適切な工事を行うためには、人件費や材料費などがどうしてもかかります。平均よりも安いところは何かを削っているため、三回塗装が基準なところを二回しか行わないなど施工基準を守らずに工事費用を浮かせて工事を行うなど何か理由があります。
そうした施工不良のある現場は、工事直後は問題がなくても数ヶ月~数年で不具合が出てしまい、再度工事が必要になってしまいます。
またリフォームは参入条件のゆるい業界なので、専門外の業者が見様見真似で施工した結果耐用年数を全うしない粗悪な工事を行う事例もあります。
実際にあった事例
・増築部分の屋根に外壁用の材料を使用していた。
・勾配のゆるい屋根に適さない屋根材を使用していた。
・漏水を防ぐためにシール材を入れなければならない箇所にシールをしていない。
下記の事例では、外壁のコーキング部分が適切に施工されていなかったため、雨漏りを起こしていました。
これらは一見では気づきにくいものの、数ヶ月から数年で雨漏りや剥がれといった深刻な不具合につながります。
施工不良に合わないための対策
「屋根専門業者」など、しっかりとした専門分野の知識がある会社に依頼することが重要です。
施工前に工事内容をしっかり説明してもらいましょう。工事中の工程写真の提出を求めることで、手抜き工事の予防になります
3. 塗装によるメンテナンスで逆に劣化

「とりあえず見た目をきれいにしたい」と、塗装だけで屋根のメンテナンスを済ませた結果、屋根材そのものや下の防水シート、野地板部分が劣化していたのを見過ごしてしまったという例もあります。
また、本来なら塗装ができない、あるいは塗装が適さない屋根材にも関わらず、塗装でメンテナンスを行った結果、数ヶ月で屋根材が破損してしまったというケースもありました。
下記の事例では、グリシェイドNEOという屋根材そのものの耐久性に問題があり、塗装に適さない屋根材に塗装されており、3ヶ月後に屋根材が飛散してしまいました。
また、屋根塗装において、スレート屋根に塗装を行う際には、タスペーサーを用いて縁切りをという工程を行う必要があります。これは塗料によって屋根が排水を行うために必要な隙間を塞いでしまうことを防ぐために行う工程です。この縁切りを行わなかったことで、屋根に入り込んだ水が排水されずに野地板が腐食して雨漏りを起こすこともあります。
こちらの事例では、6年前に塗装された際に縁切りが行われておらず、野地板が腐食を起こしていました。
こちらでは、これまで依頼されていた工務店さんが、ベランダの笠木からの漏水から気づかずに外壁塗装をしてしまったため、雨漏りが悪化してしまいました。
こうしたことが起こる背景には、特に外観を重視してメンテナンスが軽視されやすいような住宅地では「とりあえず塗装」の意識が強く、こうした事例が発生しやすい傾向にあります。
また、塗装業者が屋根の劣化を見落としてしまったり、訪問業者などに比較的安価で工事を提案されて、業者に提案されるがまま信用してしまった結果、こうしたトラブルが発生してしまうこともあります。
塗装によるメンテナンスで逆に劣化させないための対策
塗装の前には、必ず屋根材の状態を専門業者に診断してもらうことが重要です。
劣化が進んでいる場合や塗装に適さない屋根材の場合は、塗装ではなく「カバー工法」や「葺き替え工事」を検討する方が長持ちし、結果的にコストを抑えられるケースもあります。
塗装業者は「塗装の専門」で「屋根・外壁の専門」ではないので適切な専門業者に見てもらいましょう。
4. 屋根裏のカビや腐食に気づかない

「屋根に異常は見当たらないのに、なぜか部屋の壁紙がはがれてくる」「カビ臭い気がする」、そんな場合は、屋根裏で雨漏りや結露が進行している可能性があります。
表面上は問題がないように見えたため、メンテナンスとして外壁塗装を行ったが、屋根裏で長年雨漏りが発生しており、木材が腐食してしまっていたケースがあります。
こうした場合、内部で木材が腐食していると腐食部分の補修費用も必要なため、余分な費用が掛かってしまいます。
また、雨漏りが屋根裏で発生しているが部屋には症状が出ず、屋根裏内にて濡れては乾燥してを繰り返し、限界を迎えたときに部屋の天井に雨垂れが起きるような場合もあります。
他にも湿気が原因で断熱材が傷み、部屋の天井や壁のクロスに異常が現れたというケースもあります。
これはいずれも屋根裏や内部の断熱材など外からは見えない箇所の異常となります。
屋根裏のカビや腐食への対策
年1回程度、屋根裏の点検を専門業者に依頼すると安心です。
換気不良がある場合は、換気の改善や断熱材の見直しも重要です
5. 棟板金や換気棟の浮き・飛散

台風や突風の後に特に多いのが、棟板金(屋根の頂上部分の金属部材)の飛散や浮き上がりです。
屋根のてっぺんに設置された棟板金を固定する釘が経年劣化で緩んだり、継ぎ目をつなぐシーリングの劣化やパッキンの摩耗によって、隙間から雨が入り込んで下の貫板を腐食して雨漏りを起こしていた例が複数確認されて横浜市内の特に強風が吹くような地域では、固定が緩んだ棟板金が飛散するケースも見られます。
棟板金や換気棟の浮き・飛散への対策
棟板金まわりは、シール材やパッキンなど消耗品のチェックなど定期的なメンテナンスが必要です
劣化した下地木材は、耐久性の高い人工樹脂製の下地材へ交換することで再発防止になります。
ただ棟板金に関しては、「棟板金が浮いています」という言葉で訪問業者が劣化を指摘して契約を迫る例も報告されています。
前述したように、棟板金は固定する釘やシーリングが劣化しやすい箇所ですが、劣化してすぐに雨漏りするわけではありません。
こうした業者は劣化しやすい箇所を指摘することで契約をとることを目的としています。
訪問業者のすべてが悪徳業者というわけではありませんが、高い工事で契約させられたり、契約したら連絡がとれなくなった、工事後に施工不良があったなどの例も実際にあるため、いきなり訪問して契約を迫るような業者とすぐに契約をするのは避けてください。
信頼できる業者に現地調査を依頼したり、相見積もりをとって、状態や金額の相場を確認しておくと安心です。
まとめ:トラブルを防ぐには「原因特定」と「専門業者」がカギ
屋根修理は、見えにくい場所の工事であるため、施工内容や工事の質が判断しづらいものです。
「とりあえず外がきれいになった」「安さだけで業者を選ぶ」ことが、後にトラブルを招く例も多く見られます。
そのため、横浜市にて屋根修理や雨漏り修理を行う際には以下のポイントをおさえておきましょう。
【屋根修理や雨漏り修理のトラブル防止のポイント】
・雨漏り修理は原因調査+再確認が重要
・塗装で済ませず屋根全体の劣化診断を
・屋根の専門知識のある業者に依頼すること
・工事前・工事中・工事後の説明や写真提出を求める
屋根修理は一度で確実に直すことが、長期的に見て安心・安全・経済的です。
雨漏りが直らない、工事したのにまた同じ箇所を工事しないといけないということが発生すると大きなストレスになり、またその分出費もかさんでしまいます。
トラブルの少ない屋根修理や雨漏り修理のため、そして安心できる生活のためにも、信頼できる専門業者を選ぶことが大切です。