アスファルトシングルは、北米で定番の屋根材です。
日本ではまだそこまで普及していませんが、防水性の高さなどから徐々に導入されることが増えています。
防水性が高いといっても雨漏りしないわけではありません。
今回はアスファルトシングル屋根が雨漏りする原因や改修方法をご紹介します。

アスファルトシングルとは
雨漏りを防ぐ防水シート(ルーフィング)にもアスファルトが使用されていますが、アスファルトシングルも、ガラス繊維を基材として、アスファルトを浸透させてコーティングし、表面に彩色した砂を付着させています。
アスファルトシングルは、シート状になっているため扱いやすい屋根材です。カッターなどでも切れるため、DIYが主流なアメリカなどで特に人気があります。
シート状のためひび割れにくい特徴があり、表面の砂粒によって意匠性も高い屋根材です。
他にもアスファルトを使用しているため防水性能も高くなっています。
詳細は下記の記事をご覧ください。
アスファルトシングルの雨漏りの原因は?

めくれや剥がれ
アスファルトシングルは釘や接着材で固定されています。
しかし経年劣化によって固定する釘が緩んだり、接着力が弱まると、シートがしっかりと固定されず強風などでめくれることがあります。めくれを放置すると剥がれてしまい、そこから雨水が内部に侵入して下のルーフィングを傷めて雨漏りを起こすことがあります。
防水シート(ルーフィング)の劣化
屋根材自体に破損があっても、下にあるルーフィングが機能していれば最終的に雨水をブロックするためすぐに雨漏りすることはありません。しかしルーフィングそのものが耐用年数が切れている場合や、破れたり剥がれたり破損している場合には、すぐに雨漏りを起こしてしまいます。
アスファルトシングルが剥がれたり浮いてくるなどの劣化現象を起こすと、防水シートがむき出しとなり、雨風や紫外線に晒されることでルーフィングの劣化が早まってしまいます。
固定する釘穴からの雨漏り
ルーフィングはビスや釘、タッカーにて固定をしていますが、この固定するための穴から水が漏れることがあります。
改質アスファルトルーフィングは、従来のルーフィングを改良しており、自ら穴を埋める止水性がありますが、経年劣化によって柔軟性を失うことで穴から破れたり、止水性を失うことがあります。
耐用年数を過ぎて使用

アスファルトシングルの耐用年数は、以前は10~20年と言われていましたが、現在では技術改良により最長で30年と言われています。
住宅環境にもよりますが、20年前後で葺き替えなどのリフォームを考慮する必要があります。耐用年数を過ぎて使用していると、表面の砂が剥がれアスファルト材が露出し、シングル材そのものが剥がれてしまいます。耐用年数を過ぎると屋根の排水性も劣化しており、また下地のルーフィングも耐用年数が切れている可能性が高く、雨漏りを起こす可能性が高まります。
棟部分の劣化
屋根と屋根が頂点で合わさる箇所を棟と呼びます。家で一番高い場所になりその分風雨や紫外線を受けやすく劣化しやすい場所です。
アスファルトシングル屋根の場合は、棟板金が施工されている場合と、アスファルトシングル材でおおわれている二つのパターンがあります。
この棟部が経年で劣化すると板金の浮きや、棟部の剥がれなどが起こります。
そうするとその隙間から雨が侵入して雨漏りの原因となってしまいます。
アスファルトシングル劣化のチェックポイント
アスファルトシングル屋根で雨漏りを起こさないために、定期的に屋根の状態を確認しましょう。
もしも屋根に下記の状態があれば劣化のサインです。雨漏りを起こすために早めに修理を検討してください。
アスファルトシングルに剥がれや浮きがないか?
アスファルトシングル材の接着剤が剥がれてくると不自然にな浮きや剥がれが発生してきます。
剥がれが進行すると強風で飛んでしまうこともあるため早めに補修を依頼してください。
棟部分が浮いていないか?
棟の部分が浮いたりずれたりしている場合、劣化している可能性があります。
棟の浮きを放置すると強風でめくれたり飛散する危険性があります。また隙間から入り込んだ雨水が下地を腐食させて雨漏りへと発展することもあるため放置せずに修理業者に相談してください。
表面の石粒が剥がれたり色褪せていないか?
アスファルトシングルには表面に石粒が吹き付けられており、この石粒で色を付けています。
劣化してくるとこの石粒が剥がれて落ちてきたり、色褪せが発生します。石粒が剥がれてしまうと基材がむき出しになって脆くなり、屋根材そのものの劣化が進行してしまいます。色褪せが気になる、石粒が頻繁に落ちてくる場合、早めにご相談ください。
アスファルトシングルの改修方法
剥がれなどの部分補修
アスファルトシングルが部分的に剥がれている場合には、専用の接着材で固定して補修する部分補修が可能です。
また部分的に欠損している場合には、同じ種類の屋根材にて張り直しを行います。
塗装
表面の色褪せや、石粒の落下が気になる場合には、塗装で対応が可能です。
しかし塗装することで耐久性が向上するわけではありません。
アスファルトシングルを塗装した際には、スレート屋根のように「縁切り」が必要です。水下側を縁切りして内部に入り込んだ水分を逃がす隙間を作らないと塗装が原因で雨漏りを起こしてしまいます。
カバー工法
雨漏りが発生していたり、下のルーフィングが劣化している、または耐用年数が過ぎているような場合には、全面的な改修が必要です。
カバー工法は現在のアスファルトシングル屋根の上から新しいルーフィングと屋根材を被せる工法です。
葺き替え工事
雨漏りを起こしていて、ルーフィングの下の野地板まで腐食を起こしているような場合には葺き替え工事を行います。
現在の屋根材とルーフィングを撤去して野地板の補修や張り替えを行ってから、新しいルーフィングと屋根材を施工します。
アスファルトシングル改修で使用できる屋根材
アスファルトシングルからカバー工法や葺き替えを行う場合、特にカバー工法の場合には屋根材が二重になるため、軽い屋根材であるアスファルトシングルか、金属屋根が使用されます。
葺き替えの場合も、元々軽い屋根材を載せることを想定して設計されているため、元の屋根材よりも重い屋根材を載せることは耐震上おすすめできません。
特に屋根の勾配があまりないような場合には、金属屋根材をおすすめします。
屋根の傾斜が急であるほど水捌けがよく、逆に勾配が少ないとそれだけ排水性が低く雨漏りしやすくなります。
屋根材や葺き替えによって施工できる最低勾配が決まっており、アスファルトシングルは3.5寸、金属屋根の立平葺きは1寸勾配でも施工が可能です。
まとめ
北米で非常にメジャーなアスファルトシングル屋根は、防水性や施工性に優れています。
しかし雨漏りしないわけではなく、めくれや剥がれ、ルーフィングの劣化、耐用年数を超えての使用などの原因で雨漏りを起こします。
築20年を経過したら、一度屋根診断を受けられて必要なリフォームやメンテナンスをご検討ください。
劣化状態に合わせて、部分補修や、塗装、カバー工法、葺き替え工事によって改修を行います。
アスファルトシングルからの改修には、同じアスファルトシングルか、金属屋根のを用いることが一般的です。
屋根の状態に合わせて、どんな屋根が一番いいのか、屋根業者に相談してみるをおすすめします。
横浜市でアスファルトシングルの雨漏り修理や、屋根修理をご検討の方は福田総業までお気軽にご相談ください。