突然大きな音を立てて降ってくる雹(ひょう)。
ここ横浜でも時々発生することがありますね。
氷の塊である雹によって屋根が様々な被害を受けることがあります。
今回は雹によって発生する屋根などへの被害の例や、雹によって屋根が被害を受けた時に火災保険がつかえるのかということをご紹介していきます。
雹とは?
雹はあられとよく似ていますが、大きさによって区別されます。直径が5mm未満であればあられ、直径が5mm以上のものが雹と呼ばれています。
白い氷の塊が降ってくる雹は冬のイメージがありますが、実は夏の季語にもなっているように、5~6月の初夏の時期や10月ごろに多く発生します。
この時期は日差しによって地面は温かいですが上空には冷たい空気がある状態となっています。地表と上空の温度が大きいため大気の状態が不安定で、積乱雲が発生しやすくなります。積乱雲の中にある強い上昇気流によって急速に空気が冷やされることによって氷の粒が発生し、水蒸気が付着することで大きくなって雹が発生します。
雹による屋根の被害
雹は大きくなるとゴルフボールほどの大きさになることもあり、大きくなればなるほどその落下速度も速くなります。
直径5センチの雹の場合、その落下速度は時速115キロと言われており、建物に大きな被害を与えます。
以下は、雹が屋根に与える具体的な被害例です。
屋根の破損、凹み
雹による屋根の被害の代表的な例は破損やへこみです。
さきほどご説明したように雹の直径が大きければ大きいほどその速度が増すため、大きな雹が屋根にぶつかると破損や凹みを発生します。
主な屋根への雹被害として、スレート屋根の破損やひび割れ、金属屋根や棟板金などの凹みなどが上げられます。
金属屋根がへこむとそこから錆などが発生しやすくなり、屋根のヒビ割れが発生するとその隙間から雨水が屋根の内部へと侵入して雨漏りにつながることもあります。
屋根材自体の劣化が進んでいた場合には、雹によって屋根材が破損しやすくボロボロになってしまうことも。そうなると屋根の葺き替えやカバー工法による工事が必要になります。
他にもアンテナを倒壊させたり、折れてしまうこともあります。
板金や塗膜の劣化が早くなる
雹がぶつかることで屋根材の表面を覆う塗膜を破損させることもあります。
塗膜は屋根材が雨水や紫外線の影響を直接受けるこから保護しており、塗膜が剥がれることで屋根材の劣化を早めてしまいます。
板金に雹が当たると雹痕という染みのような痕ができます。
この雹痕という痕がある場所は、板金を錆から保護する塗膜が薄くなっており、錆びが発生しやすくなっている状態です。
屋根材の劣化や板金に錆が発生する前に屋根塗装などで補修が必要です。
波板屋根の破損
バルコニーの屋根などに使用されている波板屋根が雹によって破損するケースも多く見られます。
特に塩ビ製の波板屋根は紫外線で劣化しやすく、劣化して脆くなったところに雹が降ると穴が空いたりボロボロになってしまいます。
劣化や破損の被害が大きい場合には波板の張り替えが必要となります。
雨樋の破損
雹の被害で多いのが雨樋の破損です。現在流通している多くの雨樋は塩ビ素材のため、衝撃に弱く、大きな雹がぶつかると破損しやすい傾向があります。
雨樋は屋根などに降った雨水を集めて下水などに流す役目があり、雨樋が破損してしまうと水がそこから漏れてしまい、外壁の劣化を早めたり、屋内に水が侵入して雨漏りを起こすことがあります。
破損部分によっては部分交換や全体交換が必要です。
雹の被害に火災保険が適用できます
火災保険は名称だけみると火災による損害しか補償されない印象がありますが、火災に限らず「風災、ひょう(雹)災、雪災」による被害も補償を受けることができます。
風災、雹災、雪災は多くは火災保険の基本保証に含まれています。しかし風災、雹災、雪災は火災保険の補償料金の多くを占めるため、節約のために含まない選択をしている場合もあります。そのため一度ご契約の補償内容をご確認ください。
雹災が契約内容に含まれている場合には、雹によって受けた損害を回復するために工事にたいして保険金が下りる可能性があります。
雹に対する屋根修理に火災保険が適用されないケース
雹による屋根などの補修に火災保険を申請する際にはいくつか注意点があります。
申請期限は3年以内
火災保険が適用されるためには、被害発生から三年以内に申請する必要があります。これを過ぎると適用外となるため被害を受けたらなるべく早めに申請してください。
修理費用が自己免責金額を超えない
また金額が自己免責金額を下回る場合には対象となりません。火災保険の風災補償の自己免責額は20万円であることが多く20万円以下の工事は対象とならない可能性があります。ただし最近の保険では一定の自己負担額を定めて、損額額からその金額を引いた金額が保険金として支払われる形式(免責方式)が多くなっています。
経年劣化による破損は対象外
火災保険が適用されるのは、その被害が明確に自然災害(この場合は雹)によるものとされる場合です。
被害や破損が経年劣化によるものか自然災害によるものか判断が難しい場合には対象外となることがあるためご注意ください。
雹が降った後には点検をご依頼ください
外壁や雨戸などの破損は目に見えてわかりますが、二階以上の屋根や板金に破損があるかどうかはなかなか確認するのは難しいものです。
気が付かないうちに屋根が破損していて破損個所から雨水から侵入しており雨漏りが起こって初めて気が付いたということもめずらしくありません。
普段から点検やメンテナンスを行って常に健全な状態にしておくことで、大きな被害を避け、火災保険を適用する際に経年劣化と診断されにくくなります。
まとめ
初夏に多く降る雹は、屋根や雨樋などに思わぬ被害を与えます。
今は大きな破損でなくとも、屋根材や板金を保護する塗膜を劣化させることにより、建材の劣化を早める恐れもあります。
雹による破損には、ご加入の火災保険が雹災をカバーしている場合には適用される可能性が高くなります。
しかし火災保険の利用にはいくつか条件があり、劣化によるものは対象となりません。
雹が降った後には点検を受けられて屋根の安全確認や、劣化の確認を行い、健全な状態を保つことでいざという時に火災保険を使用されるときに劣化と診断されにくい状態になります。
福田総業では火災保険を使った雹災による修理にも対応しております。
横浜市港南区やその周辺で火災保険を利用した屋根修理をお考えの方は一度ご相談ください。