屋根は生活に欠かせないものです。
丈夫な屋根も災害によって破損したり経年劣化で葺き替えなどの大きな工事が必要になる時がやってきます。
屋根工事や葺き替え工事はけして安いものではなく、傷み具合や工事の規模によっては100万円を超えることもあるため少しでも自己負担を減らしたいと、自治体の補助金や助成金を使用したいと考える方もおられるのではないでしょうか?
今回は屋根修理や屋根葺き替えに活用できる補助金や助成金にはどのようなものがあるのかについてのご紹介、そしてここ横浜で実施されている補助金で屋根工事に利用できる補助金のご紹介や申請方法、そして補助金や助成金を利用するメリット・デメリットについてもご紹介いたします。
屋根の葺き替えなど屋根工事で補助金のご利用をお考えの方はぜひ参考にされてみてください。
屋根工事や屋根葺き替えに利用できる補助金の種類
一般的に屋根工事などに利用できる補助金は大きく分けて次の二つがあります。
省エネリフォーム
省エネリフォームには二タイプあり、ひとつが家で消費するエネルギー量を抑えるものです。最近は冬の寒さや夏の暑さが厳しいため冷暖房の使用量もあがっています。断熱材の施工や断熱塗料の塗布など断熱リフォームを行うことで建物そのものの断熱性を向上し、冷暖房機器の使用量を抑えるリフォームです。
もう一つは家庭で使用するエネルギーを家庭で創り出すタイプです。こちらにはソーラーパネルの設置が含まれます。
耐震リフォーム
耐震リフォームは文字通り地震に備えて家の耐震性を向上するリフォームです。住宅を建てる際には建築基準法で定められた耐震基準を満たす必要があります。建築基準法は大きな地震があるたびに改正を重ね、最新の建築基準法では震度7まで耐えられることが求められています。しかし古い基準では大地震に耐えることは想定されておらず、古い基準で建築された家には大地震が起きたときには倒壊などの大きな被害が予想されます。そのため古い基準で建てられた住宅に必要な補強を行う工事が推奨されています。
耐震工事には屋根の軽量化も含まれ、重い屋根は建物への負荷が大きく揺れも強くなるため軽い屋根へと葺き替える工事も対象となります。
屋根葺き替えなどに関する補助金に必要な条件
補助金や助成金を使うためには各助成制度に定められた条件を満たす必要があります。
主に共通した条件としては、
・市町村内の住宅であること
・税金が未納ではないこと
などがあげられます。
他にもリフォーム工事を発注するのが市内の業者であることや、暴力団やそれに関わる存在ではないことがよく条件として指定されています。
お住まいの市町村や補助金ごとに異なるため詳細に関しては該当の情報をご確認ください。
省エネリフォームに関する補助金を屋根工事で利用する条件
省エネリフォームに関する補助金を屋根修理や屋根工事で利用する際には下記のような工事に該当している必要があります。
・屋根や天井の断熱工事
・ソーラーパネルの設置
・アスベストが含まれる屋根材の解体・撤去
自治体にもよりますが、上記のような工事の場合、補助金の対象となることが多くあります。
耐震リフォームに関する補助金を屋根工事で利用する条件
耐震リフォームの場合には下記のような条件を満たす住宅が該当します。
・昭和56年6月1日以降に建築確認を得て着工したもの住宅
・上記に該当する住宅で、耐震診断の結果、点数が1.0未満の住宅
1981年(昭和56年)以前に建築された建物には改正前の古い建築基準法が適用されているため、耐震診断や耐震工事を行うことが推奨されています。
耐震診断の判定は数字で示され、大地震が発生した際に倒壊する可能性を表しています。この数値が1.5以上であれば大地震でも倒壊する恐れはありません。
0.7以上~1.0未満は倒壊する可能性があるとされ、これに適合する住宅は耐震工事を行うことで耐震性能を上げることが求められており、補助金の対象となります。
横浜市における屋根葺き替えや屋根工事に使える補助金
横浜市で屋根葺き替えなどに利用できる補助金をご紹介します。
横浜市木造住宅耐震改修促進事業
下記の条件を満たす住宅が対象となる耐震工事に対する補助金です。
対象住宅
昭和56年5月末日以前に建築確認を得て着工された2階建以下の在来軸組構法の木造個人住宅(自己所有で、自ら居住しているもの)
上記の住宅で、耐震診断の結果、点数(上部構造評点等)が1.0未満と判定された住宅
対象となる工事
基礎、柱はり、筋かい(耐力壁)の補強、軽量化のための屋根のふき替え等により、耐震診断による点数が1.0以上となる耐震改修工事
屋根に関しては、屋根の軽量化のための葺き替え工事が対象となります。他にも2階を減築した箇所に設置する1階の屋根の新設工事も補助対象です。
補助限度額
一般世帯:100万円
非課税世帯:140万円
詳細は横浜市木造住宅耐震改修促進事業の公式ページをご確認ください。
横浜市には、省エネ住宅補助制度もありますが、こちらは外壁塗装(遮熱、断熱タイプ含む)及び外壁・屋根の葺き替えを含む修理は対象外のためご注意ください。
屋根修理・屋根工事に関する補助金の申請手順
例:横浜市の耐震リフォームの場合
自治体の補助金情報の確認
補助金や助成金は自治体によって異なります。
まずは、どのような補助金や助成金があるかどうかを確認することからはじまります。
内容をチェックして対象の住宅が条件を満たすかどうか、希望する工事が対象となるかどうかをご確認ください。
各補助金には細かい規約があるため隅々までしっかりと確認するようにしましょう。
各自治体におけるリフォームに関する支援制度を調べるには下記のサイトをご覧ください。
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト
耐震リフォームの場合は市の耐震診断を受診
耐震リフォームによる補助金を受けるには市が行う耐震診断を受ける必要があります。市から派遣された耐震診断士が診断を行い、上部構造評点が1.0未満の場合であるかどうかの確認が必要です。
市の訪問相談
1.0未満の場合には、市の相談員が自宅を訪問して耐震診断の結果の説明や耐震改修の概算費用の説明や耐震改修工事の方法などについて説明があります。
設計事業者の選択
その後登録事業者から設計事業者の選択を行い、業者による事前調査や相談を行って工事の内容についてさらに詳しく詰めていきます。
耐震改修工事の計画の作成
設計の契約の次は施工事業者を選定し、予算額や建物の状態を考慮しながら耐震工事の内容を決めていきます。
申請書類の準備
申請には下記の書類を準備します。
・建物の所在地及び所有者が確認できるもの(登記事項証明書など)
・建築年次が確認できるもの(建築確認通知書(確認済証)の写しなど)
・補助対象者であることが確認できるもの(住民票など)
・実施する工事の内容が確認できるもの(プランニングシート、改修工事仕様一覧表、工事費の見積書など他)
書類の送付、申請
申請を行ったあと審査に一ヵ月半ほどかかります。
補助金交付決定通知の送付
審査の結果、補助金が交付されるかどうかの通知が送付されます。
施工業者との契約
通知が来たあとで施工業者と契約を行います。通知前に契約してしまうと補助金が支払われないため注意してください。
屋根工事の着工
工事が着工した際も着手届や中間検査申請、そして工事後には完了実績報告を行う必要があります。
完了検査、補助金の受け取り
工事終了後に市の調査員による完了検査があります。
こちらに通過すれば通知が届き、補助金請求書を送付して約2~3週間後に補助金を受け取ることができます。
屋根工事や屋根葺き替えに補助金・助成金を利用するメリットデメリット
以上屋根工事や屋根葺き替えで受けられる補助金についてご紹介しました。
補助金を利用するメリット
これまでのことを踏まえて屋根工事や屋根葺き替えで補助金を受けるメリットで最も大きなものは、高額な工事の自己負担額が減らせることでしょう。
補助金は返済不要なため、返す必要がなくお金を負担して貰える点が大きなメリットです。
また耐震リフォームでは耐震診断を受けることで、家の耐震機能について改めてみつめ、相談員と相談することができます。
補助金を利用するデメリット
デメリットは適合する情報を探すのが難しいことです。お住まいの市町村に行いたい工事内容の補助金や助成金があるとは限りません。
また応募期間が短く、先着順で応募が終わっていることもあります。用意する書類も多く、申請がわずらわしいと思う方も多いでしょう。
さらにお金を受け取るのにも時間がかかり必ず審査を通過するとも限らないので慎重な計画が必要です。
まとめ
屋根工事や屋根葺き替えに利用できる補助金についてご紹介しました。
屋根工事には主に省エネリフォームや耐震リフォームが対象となることが多いですが、例外も存在します。
また助成金・補助金の利用には細かい条件があり、実施状況も市町村によって異なります。
高額な工事に対して自己負担金を減らせるメリットがありますが、申請のわずらわしさなどデメリットが多いことも事実です。
工事の内容や条件に合うかどうかを慎重に確認された上で、メリットデメリットを考慮し、計画を建てたうえでご検討ください。
横浜市における屋根修理や屋根葺き替えに関する補助金については下記のページもご参照ください。
横浜市の屋根修理に関する助成金・補助金
横浜で耐震や屋根の軽量化をお考えの方はぜひ一度福田総業にご相談ください。
補助金の受け方などアドバイスもいたします。