こんにちは、横浜市の雨漏り修理専門店・福田総業です。
屋根の形状には様々な種類があり、どの屋根を選ぶかによってお家の印象も大きく変わってきます。
最近人気が出てきたのが片流れ屋根で、屋根面が一面のみで横からみると斜めにカットされたようなシャープなデザインが特徴的です。
一番多いのはスタンダードな切り妻屋根ですが、近年では、家がモダンでおしゃれな雰囲気となるため人気があり、特に若い世代で導入される方が増えています。
住宅金融支援機構のフラット35住宅仕様実態調査報告によると、片流れ屋根は平成19年度には全体の約13%でしたが、平成29年度には30%を超えるほど急速に増えており、人気のある屋根です。
今回は片流れ屋根のメリットやデメリットをご紹介しつつ、雨漏りしやすいといわれる原因やその解決方法をご紹介いたします。
片流れ屋根が気になっているけれども雨漏りが心配な方、ぜひご参考にされてみてください。
片流れ屋根のメリット
片流れはなぜこれほど人気がでてきたのでしょうか?片流れ屋根のメリットをご紹介します。
シンプルモダンなデザイン
一つはやはり見た目のおしゃれさでしょう。屋根が一方向のみに傾いたシャープなデザインはシンプルな住宅にマッチし、シンプルモダンな家を実現してくれます。
最近では昔よりもさらに洗練されたデザイン住宅が登場してきたことで、シンプルさをより活かしたすっきりとした外観が特に若い世代に好まれています。
特に軒の出を短く、もしくはゼロにすることで箱型のよりスタイリッシュなデザインとなります。
太陽光発電を設置しやすい形状
2012年からスタートした政府が余剰電力を買い取る余剰電力買取制度によって太陽光発電は大きく普及し始めました。屋根にソーラーパネルを設置する家庭も増えています。
片流れ屋根は屋根が一面なのでソーラーパネルをたくさん設置でき、しかも南向きの場合は日照時間が長く確保できます。月々の電気代を節約でき、余分に発電した分は売電することもできます。
建築コストを抑えることができる
屋根の構造がシンプルな分、建築のコストも下がります。
屋根の接合部もなく、雨どいも一方向だけで済みます。また屋根の傾斜をゆるくして屋根裏の空間を狭くすることでさらにコストを下げることができます。
ただし屋根の傾斜によっては外壁部分が増えるため、その分コストがかかるケースがあります。
屋根裏を活用できる
片流れ屋根は、名前のように屋根が片方へと傾斜している形状のため、屋根と天井の間に大きなスペースができます。
そのスペースを屋根裏やロフト、また収納部屋などとして活用することが可能です。
屋根の傾斜にそって天井の勾配を設計すれば、天井が斜めになったユニークで天井が高い広いスペースを作れるので、片流れ屋根ならではの設計を楽しむことが可能です。
片流れのデメリット
雨漏りが発生しやすい
おしゃれでモダン、太陽光発電に最適な片流れ屋根ですが、最大のデメリットが雨漏りの発生リスクが高いという点です。
複雑な屋根ほど接合部や取り合い部が増えて雨漏りしやすいイメージがありますが、実はそうでもないのです。
株式会社日本住宅保証検査機構(JIO)による瑕疵保険調査の結果によると、雨漏りが発生した家の約75%が片流れ屋根だったというデータがあります。
そのうち原因が棟部が43%、けらばが23%、軒が19%となっています。
換気不足になりやすい
屋根は夏場には高温になり、屋根の内部の小屋裏は60~70度にもなるといわれています。
温度が低下すると空気中に含まれる水分が放出され、木材や断熱材に内部結露が発生するリスクが高まります。
そのため屋根裏はしっかり換気を行う必要があるのですが、片流れ屋根では構造上換気口が一方向のみに設置されているため、どうしても換気が弱くなってしまいます。
換気が弱いと湿度が溜まりやすくなることで結露しやすくなり、そしてその水分によって木材も劣化しやすくなります。
なぜ片流れ屋根は雨漏りしやすいのか?
形状的に棟から伝い水によって内部に侵入してしまう
特に雨漏りが発生しやすい棟部ですが、片流れの屋根は屋根と屋根の接合部がなく、勾配の高い頂点部分が棟部となります。
二面あるいは四面の屋根が合わさる屋根の場合は、屋根の棟部分に降った雨水はそのまま勾配の低い方へと分かれて雨樋へと行きつきます。しかし片流れの場合には屋根が一面しかなく、棟の片方がすぐ外壁となっています。
棟部に流れた雨水のうち、本来ならそれぞれ屋根材を伝って雨樋にいくはずの雨水の一部が、棟を伝って裏側へと回り込んでしまいます。そして下地と破風板の隙間や軒天と外壁の取り合い部分へと侵入してしまいます。
特に強風時には侵入しやすいため施工時にしっかりと防水を行う必要があります。
雨樋が一つしかない
他の屋根と異なり、片流れ屋根には雨樋が一つしかありません。これも雨漏りしやすい原因となっています。
他の屋根は二つの雨どいで行っている雨水を一つしかない雨樋で排水処理を行うということはそれだけオーバーフローを起こしやすくなります。
雨樋がオーバーフローを起こすと、水切りを行うケラバ水切り板金に土や埃が経年で堆積していた場合、水切りの排水が滞り、防水の最後の砦である防水シートにあふれた水が侵入してしまいます。そして屋根材を固定している釘を伝って内部へと水が侵入していきます。下地の野地板に水分が溜まると野地板が腐食していきます。
このため片流れのケラバ部分から雨漏りしやすくなります。
軒の出がゼロの住宅はさらに雨漏りリスクが高い
軒やケラバがでていない住宅は箱型デザインとなりおしゃれで人気がありますが、軒の出が短いと外壁に直接雨水がかかる部分が大きくなり、外壁の劣化を早めます。
軒ゼロ住宅の方が雨漏りリスクは4.8倍であるという調査結果も出ています。
片流れ屋根で雨漏りを抑えるには?
透湿ルーフィングを侵入部に増し張りするなど伝い水を防ぐ施工
棟部からの伝い水によって雨漏りが発生することが多いため、棟部と取り合い部分に湿気を通す透湿ルーフィングを施工することで予防できます。
透湿ルーフィングは湿気は通すので換気の邪魔にならず、防水はしてくれるので雨水の侵入を防ぐことができます。
埃の堆積しにくい水切り金具の設置
ケラバ部分には、ケラバ水切り金具の埃の堆積による雨漏りを防ぐために、埃やゴミが堆積するのを防ぐ水切り金具(シール材付ケラバ水切り)を設置することで予防を行います。
屋根の通気性を確保する
屋根の通気性が悪いと結露を起こし、野地板の腐食など劣化を起こしやがて雨漏りの原因にもなってしまいます。
片流れ屋根は構造上通気性が確保しにくく、結露を起こしやすい構造をしています。
野地板上で通気を行う野地上通気の検討や、片流れ屋根用の換気棟の設置など片流れ屋根でも通気性を確保する様々な方法があるため、業者と相談して適切な方法を選択してください。
まとめ
現在そのスマートなデザインから人気のある片流れ屋根ですが、実は構造上雨漏りしやすい屋根でもあります。
屋根を選ばれる際にはデザインだけでなく後々のメンテナンスなども考慮して選ぶことで、リスクを低減し、メンテナンスのためのコストも抑えることができます。
事前に対策を講じることで予防できることもあります。
雨漏りしやすいからこそ定期的なメンテナンスは欠かせません。
屋根の劣化は目に見えないところで進行しています。
片流れ屋根で雨漏りを予防するためにも一度屋根の無料診断をご利用ください。
福田総業では、横浜市を中心に川崎市など近隣にて無料で屋根診断を承っております。