屋根にはケラバという箇所があります。
ケラバというのもあまり耳慣れない言葉かと思います。
ケラバとは
場所は、切り妻屋根の妻側です。この場合の「妻」とは、「端」という意味です。
屋根の端にはもう一つ軒がありますが、軒の反対側で雨樋のない側と言ってもいいかもしれません。
ちなみにケラバは漢字では「螻蛄羽」と書きます。
螻蛄(ケラ)は昆虫の直翅 (ちょくし) 目ケラ科の昆虫で、おけらともいいます。
この箇所の形状が、この螻の羽根に似ていることに由来しているそうです。
ケラバの役割
直射日光を遮る
ケラバがあると日差しを適度に遮るため、室温の上昇も抑えてくれます。
時に夏場などは日差しが強烈で高温になりがちですが、ケラバがあることで、室内へ直射日光が入ることを防いでくれます。紫外線を遮るため室内のカーペットなどの劣化も防ぎます。
冬場は太陽の照射角が低く、遮られることがなく日差しを取り込めるようになっています。
特に西日が厳しく、夏場が高温になるような住宅では重宝されることでしょう。
雨水が外壁当たるのを防ぐ
また、ケラバの下の外壁に雨水が直接当たる部分を減らす役割もあります。
一般的に外壁は雨に直接当たると表面の塗膜の劣化が早くなり、耐久性が劣化します。外壁が劣化すると剥がれなどの症状が発生し、剥がれた箇所から雨水が侵入してしまいます。
軒と同じく最近ではケラバの短い、もしくは全くない住宅が増えていますが、雨から住宅を守る大切な役割があるため、住宅を長持ちさせたい場合はなるだけケラバや軒を設けることをお勧めします。
軒の重要性についてはこちらをご覧ください。
ケラバの種類
ケラバは屋根材の種類によって使用するケラバの種類が変わります。
瓦屋根
瓦屋根の場合には、ケラバ用のケラバ瓦や袖瓦を使用します。
ケラバ瓦は屋根の端に覆いかぶさるようなL字型の形状をしています。
スレート・金属屋根
スレートや金属屋根の場合には、ガルバリウム鋼鈑を加工した板金をケラバとして使用します。この板金をケラバ板金、あるいはケラバ水切り板金やケラバ捨て水板金と言います。
ケラバからの雨漏り
ケラバ板金が雨漏りを防いでいる
屋根に降った雨水は下に流れ、軒先やケラバに集まってきます。
この雨水を適切に排水するのがケラバ板金です。ケラバ板金は雨が排水できるような構造になっています。
水切りが適切に行われないと雨漏りの原因に
この処理を水切りといい、水切りが適切に行われていないと雨漏りの原因になります。
板金の施工や水切り加工は専門的な知識と経験を要するため、適切な施工が行われていないことによる施工不良も雨漏りの原因となることがあります。
ケラバ板金の経年劣化による雨漏り
あるいは経年によってケラバ板金が内部に土ほこりやゴミが堆積すると雨水を排水ことができず、オーバーフローして雨漏りを起こしてしまいます。
溢れた雨水はルーフィング上に流れて、スレートを止めている釘を伝わって内部へ侵入します。もしくは下からの雨の吹き込みでケラバ下部から雨水が侵入し、屋根の下地である野地板が腐食して雨漏りが発生します。
約10年を過ぎるとこのケラバが原因による雨漏りが増えてきます。
下地など内部の腐食は屋根を剥がさないと気が付かないため、約10年を超えると定期的な屋根の点検をお勧めいたします。
軒やケラバがないと雨漏りは直接室内に発生
軒やケラバのない家の場合、もしケラバ板金が劣化して内部に雨水が侵入しても、外に突き出た軒天部分での雨漏りで済んでいました。しかし軒やケラバがないと、雨水は直接屋内へと被害を及ぼしてしまいます。
軒天の雨漏りも放置しておくと拡大する恐れがあります。
軒天の雨漏りについて詳しくはこちらをご覧ください。
ケラバや板金はなかなか目の届かない場所であるため異変にも気づきにくい場所でもあります。
築10年を過ぎると劣化による雨漏りが起こりやすくなります。
雨漏りは気づいた時には内部に広がり大きな工事が必要となることが多いため、定期的な点検やメンテナンスを行うことが雨漏りの要望につながります。
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