屋根は日々紫外線や風雨の影響を受けており、ゆっくりと劣化していきます。
金属屋根は今はガルバリウム鋼板やSGL鋼板が主流ですが昔は金属屋根といえばトタンが一般的でした。
トタンは軽くて耐火性がありますが雨漏りしやすい屋根でもあります。
雨漏りが起きるとあせってしまいますよね。
こちらではトタン屋根で雨漏りが起こる原因や、起こった際のコーキングを含むDIYにでの対処方法や修理方法をご紹介します。
トタン屋根の雨漏りでお悩みの方、ぜひ参考にされてみてください。
トタン屋根の特徴
トタンは薄い鉄に亜鉛メッキが施されている素材です。
軽量で燃えにくく、そして安価であることから広く普及し日本でも100年以上使用されています。
トタン屋根は主に瓦棒葺き屋根や、波板屋根で使用されています。
トタン屋根の雨漏りの原因は?
トタンの錆による穴あき
トタンは、亜鉛の鉄よりも先にイオン化しやすいという特性を活かして、表面に傷がついたときに亜鉛が先に溶け出してめっきを先に錆びることで素地である鉄が腐食することを防ぎます。
亜鉛メッキで覆われたトタンは普通の鋼板よりは錆びにくいのですが、定期的に錆止め塗装などメンテナンスが必要であり、メンテナンスを怠ってしまうとすぐに錆びてしまいます。
表面を保護する塗膜が劣化したり、メッキに傷がついて素地の鋼板がむき出しになるとあっという間に錆が広がり、鉄を腐食させてやがて穴をあけてしまいます。
棟板金の劣化による剥がれや飛散
トタン屋根の面と面が交わった頂点部分にある板金を棟板金といいます。
屋根同士があわさる場所なので、こうした板金を上から施工して固定し、隙間をふさぐことで雨漏りを防いでいます。
この棟板金が太陽の熱で膨張と収縮を繰り返すと板金を固定している釘がゆっくりと自然に緩んできます。
固定する釘が緩むと板金が浮いたような状態になり、台風によって飛散や剥がれを起こしてしまいます。
棟板金が剥がれや飛散すると継ぎ目がむき出しになるため非常に雨漏りしやすい状態になってしまいます。
棟板金の釘のゆるみはなかなか気が付かず、捲れてから、あるいは雨漏りしてから気づく方も珍しくありません。
トタン屋根の剥がれやめくれ
トタンは薄い鉄の板にメッキをしたもので、軽くて扱いやすいのが特徴です。
しかし軽いことと、一枚当たりの面積が大きいことから台風などの強風による影響を受けやすく、固定する釘のゆるみやトタンによる錆によって脆くなっているとめくれてしまうことがあります。
トタン屋根がめくれたり剥がれたりすると下地がむき出しになってしまいます。
下地に防水シートがあればすぐに雨漏りするわけではありませんが、めくれるほどトタン屋根が劣化している場合、防水シートも劣化している可能性が高く、また防水シートが常に風雨や紫外線に晒されると劣化が早まり雨漏りする確立が高まります。
トタン屋根で雨漏りが起こった時の応急処置やDIYでの対処方法
雨漏りを放置するのはとても危険です。雨漏りが発生した場合、目に見えている部分だけではなく、建物内部にも水が侵入して腐食を起こしてしまう可能性があります。
雨漏りを見つけたら放置せずに応急処置を行って専門業者に修理を依頼してください。
室内からのトタン屋根の雨漏りへの応急処理
室内からできる応急処置は、ご自分で簡単に行えます。被害を拡大しないために早めに対処をしましょう。
・水が落ちてくる場所にブルーシートや新聞紙を敷いて上にバケツなどで水を受ける
・バケツの中に雑巾などをいれておくと水はねがしにくい
・バケツの水は適宜捨てる
サッシや窓枠からの雨漏りの場合には以下のように対処します。
・カーテンなどははずしておく
・雨が染み出している窓枠の下にビニールシートなどを敷いておく
・濡れている箇所に雑巾や吸水シートをあてて水分を吸い取る
屋外でのDIYによるトタン屋根の雨漏り応急処理
屋外でのトタン屋根の雨漏りの対処は、高所作業になるため危険がともないます。安全には十分に注意して行ってください。
特に2階以上の屋根の場合は人命にかかわるため専門業者にご依頼ください。
雨漏り箇所をコーキングで補修
雨漏り箇所が特定できる場合にはとりあえずコーキングで塞ぐことも可能です。
・古いコーキングがあれば取り除く
・コーキングする場所を清掃し埃などを取り除く
・マスキングテープで養生する
・プライマー(下地剤)を塗る
・コーキング剤を充填する
他にも防水テープで応急処置を行う方法もあります。
コーキングや防水テープで雨漏り修理を行うのはあくまでも応急処置です。雨漏り修理は雨の流れや建物の構造など全体を把握した上で行う必要があります。
場合によっては不適切なコーキングで雨漏りが悪化することもあります。
雨漏り箇所をブルーシートで覆う
雨漏り箇所が特定できない場合、ブルーシートで広範囲を覆うことで応急処置を行います。
・作業は雨や風のない日に行ってください
・必ず2人以上で作業を行ってください
・必要なサイズのブルーシートを用意する
・ブルーシートで該当箇所を覆い、土嚢やテープでしっかりと固定する
トタン屋根の確実な雨漏り修理は業者にご依頼ください
応急処置の後は雨漏りの専門業者にご依頼ください。雨漏りは見た部分だけではなく内部で進行している可能性もあります。
早めに修理されるとそれだけ費用も安く済みます。
トタン屋根の雨漏り修理方法1:部分的な補修や張り替え
もしもトタン屋根の破損や劣化が部分的な場合には、部分補修やトタンの部分張替えで済みます。
小さな穴が空いている程度ならコーキングで補修できます。
コーキング程度ならDIYでいいのでは?と思われるかもしれませんが、下地の状態に合わせたプライマーやコーキングの選定などプロに依頼した方が確実で長持ちします。
あまり知識のない不慣れな方が行うと悪化してしまうこともあるため、雨漏り補修は業者に依頼すると再発も防げて確実です。
トタン屋根でよく使用される瓦棒屋根の場合、一枚ごとに張り替えができます。劣化が全体に進んでいなければ部分交換が可能です。
トタン屋根の雨漏り修理方法2:屋根塗装
トタン屋根の錆や劣化がそこまでひどくない場合には、屋根塗装で対応が可能です。
ケレンで全体の錆を落として錆止めを塗装した後に仕上げ材を塗装します。
しかし錆で穴が空いているような場合には塗装では対応が難しくなります。
トタン屋根の雨漏り修理方法3:カバー工法
トタンが全体に錆が進行し傷んでいる場合には部分交換ではなくカバー工法や葺き替えになります。
カバー工法はいまある屋根の上から新しい防水シートと屋根材をかぶせる方法です。今の屋根を撤去しない分葺き替えよりも安く工期も短くて済みます。
トタン屋根にカバー工法を行う場合、トタンよりも耐久性の高いガルバリウム鋼板が多く使用されます。
トタン屋根の雨漏り修理方法4:葺き替え
下地まで傷んでいる場合には葺き替えとなります。
現在の屋根を撤去するため、傷んでいる下地の状態が確認でき、必要に応じて補修を行います。カバー工法よりもコストが高くなりますが、屋根を支える下地までしっかりと補修が行えるので安心であり、屋根全体の耐久性が向上します。
トタン屋根の雨漏りが自然災害である場合は火災保険が適用されることも
トタン屋根で発生した雨漏りの直接の原因が台風などの自然災害である場合には火災保険が適用されることもあります。
しかし長年の劣化やメンテナンス不足による劣化などが原因の場合は対象とはならないためご注意ください。
保険の対象となるかどうかは保険会社の調査員が決定するため、事前に担当窓口に相談してください。
まとめ
トタン屋根は通常の鋼板よりは錆びにくいですがこまめにメンテナンスを行わないと錆によって劣化し、穴あきや強風によるめくれなどで雨漏りを起こしてしまいます。
雨漏りが起こったときにはまずは応急処置をできる範囲で行い、雨漏りの拡大を防いでください。
屋外でのDIYでの雨漏り修理は危険が伴うため重々ご注意ください。危険を感じたら無理せずに専門業者にされることをおすすめします。
トタンの確実な雨漏り修理は業者に依頼すると安心です。
劣化の状態に応じて部分補修、屋根塗装、カバー工法、葺き替えなどの方法で補修を行います。
横浜市周辺でトタン屋根の雨漏りについてお悩みの方は無料点検を行っておりますのでお気軽にご相談ください。
福田総業ではお客様のご要望やご予算に応じて、部分補修から全体補修まで幅広く対応しております。
【関連記事】
【関連施工実績】