こんにちは、横浜市港南区の雨漏り修理・屋根修理の専門店「福田総業」です。
折角スレートの屋根を塗装したのに雨漏りが発生しまったというケースがあります。
これは屋根塗装の際に縁切りを行っていないことが原因と考えられます。
スレートの屋根を塗装する際にはずせない重要な工程である「縁切り」とその際に使用する「タスペーサー」について、なぜ縁切りをしないと雨漏りが起こるのかその役割と重要性、そして縁切りの種類やメリットデメリット、そして費用の相場についてご紹介いたします。
縁切りやタスペーサーについて知識を深めていただくことでスレート屋根で屋根塗装を依頼して雨漏りが発生などという事態を防ぐことができます。
「縁切り」とは?
スレート屋根を屋根塗装する際に、タスペーサーなどを用いて必要な隙間を作っていくことを「縁切り」と言います。
スレートを屋根塗装すると屋根と屋根の隙間に塗料が入り込んで隙間を埋めてしまいます。縁切りを行うことで塗料で埋まった隙間を切って再び隙間を確保します。
スレート屋根販売大手であるケイミュー株式会社のカラーベストの施工マニュアルには
「塗装、乾燥後、水切部で上下の屋根材が接着している箇所は縁切りしてください。縁切りをしない場合、雨漏れにつながるおそれがあります」
と記載がされています。
なぜ「縁切り」しないと雨漏りするのか?
屋根は雨が直接当たらないようにする大切な要素ではありますが、隙間なく密着しているわけではありません。
屋根と屋根の重なりに数ミリのわずかな隙間を設けることで、湿気がこもるのを防ぎ、横殴りの雨などで侵入してきた水分を排出するように計算されているのです。しかし屋根塗装で、この隙間も防ぐように塗装をしてしまうと、湿気や内部の水分の逃げ場がなくなってしまいます。
下記の写真は縁切りを行っていない屋根です。内部に溜まった水が徐々に外にも染み出してきています。
塗料で隙間がほとんどなくなると、毛細管現象で雨水を吸い上げてしまいます。
毛細管現象は、狭い隙間を水が上昇(もしくは下降)する現象で、隙間や管が細いほど大きく働きます。
こうして内部にすこしずつ溜まった雨水は、下地材の防水シートの劣化の原因となるだけではなく、防水シートを固定している釘を伝って内部に侵入するなどしてやがては雨漏りを起こしてしまうのです。
また塗料で隙間がふさがり、通気性を失うことで野地板の腐食の原因にもなります。
縁切りは、塗装後にふさがった屋根材同士の数ミリの隙間を確保することで、通気性と雨水の排出口を確保している大変重要な工程です。
屋根塗装の縁切りは不要?縁切りしないと起こる事例やトラブルの防ぎ方
縁切りの種類
縁切り作業には二種類の方法があります。それぞれの内容やメリットデメリットをご紹介します。
カッターなどの手作業
カッターや皮すき(金属製のヘラ)で一枚一枚隙間を作っていく方法です。この方法は屋根塗装が終わった後に行います。
後述するタスペーサーが登場するまでは主流の方法でした。
手作業で行う費用の相場は、㎡あたり500円~800円程度です。一般的な戸建て住宅の場合は3.5~6万円程度が相場です。
手作業で行う際のメリットとデメリット
タスペーサーを使用する費用が不要となるメリットがあります。
しかし手作業で行う場合は、塗装が終了した後に行うため、腕の悪い職人が行うと関係ない塗装まで破れてしまったり、傷を付けてしまうなどというケースが懸念されます。また手作業のため、作業時間がかなりかかるというデメリットもあります。
タスペーサーを使用
現在主流なのがこちらの方法です。タスペーサーと呼ばれる板状の部材を屋根の隙間に差し込んでいく方法です。こちらの方法は下塗りが乾燥した後で行います。
タスペーサーを屋根材同士の接合部分に差しこむことによって必要な隙間が確保されます。
㎡あたり300円~500円程度が相場で、30坪の住宅の場合、費用は3〜5万円程度です。
タスペーサーとは?
画像出典:株式会社セイム
サイズ約約5cm×4cmの板状の部材です。素材はプラスチックよりも強度の高いポリカーボネートが使用されています。
価格は1個数十円程度で、スレート屋根材一枚につき2個使用します。
非常に耐久性があるため、人が上から踏んでも破損することはありません。
タスペーサーを使用するメリットとデメリット
タスペーサーは下塗りの段階で設置しているため、関係ない箇所の塗装が剥がれてしまう心配がありません。
また重なり部分の先端である小口を傷つける心配もありません。
タスペーサーの設置は約80㎡の屋根で二人で作業した場合約2~3時間であり、作業時間が短縮できます。
デメリットとしては、タスペーサーを使用する分の費用がかかります。
劣化して耐久性の下がっているスレートにタスペーサーを使用すると屋根材が割れてしまう危険性があるため、劣化した屋根には塗装でなくカバー工法や葺き替え工事をする方がおすすめです。
タスペーサーと手作業どちらがいいの?
雨漏りを防ぐために重要な縁切り作業ですが、熟練の職人の中には縁切りを手作業で行う方もおられるので、手作業を行うことが悪いわけではありません。
手作業の場合は時間はかかりませんがその分費用も節約できます。
工期を短縮したい、仕上がりが気になるという方にはタスペーサーが向いているかと思います。
縁切り不足で雨漏りをした事例
縁切り不足で雨漏りをした事例の施工実績をご紹介します。
こちらは前回の屋根塗装工事を行ってすぐに雨漏りが発生したそうです。
調べたところ縁切りが行われておらず、内部で雨が溜まって雨漏りが起こっていました。下地の腐食までは至っていなかったためカバー工法にて補修を行いました。
ルーフィングを施工した後、屋根材本体であるヒランビー220を葺きます。
オプションで断熱材も施工しています。
屋根にカバー工法を行うことで雨漏りも解消されました。
また換気を行い内部結露防止のために換気棟も設置しています。
現場住所 | 横浜市金沢区 |
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施工内容 | 雨漏り修理〈コロニアル屋根にカバー工法〉 |
使用屋根材 | ヒランビー220 |
まとめ
今回はスレートを屋根塗装した際に雨漏りを防ぐために必要な縁切りについてご紹介しました。
縁切りはスレート屋根を塗装した際には欠かせない重要な作業です。見積などに含まれているかどうか確認することで雨漏りなど面倒なトラブルを避けることができます。
屋根の縁切り作業には、作業で行うものとタスペーサーを使用して行うものがありますが、現在ではタスペーサーを行うものが主流です。
縁切りをしない業者や中には縁切り作業の必要性を理解しないままなんとなく行っている業者も存在します。
屋根塗装や外壁塗装は信頼できる地元の業者に依頼すると安心です。
横浜市や周辺にて雨漏りでお悩みの方、屋根塗装をお考えの方、福田総業までご相談ください。