横浜市金沢区にて塗装して三か月で屋根材が落下したグリシェイドNEOにカバー工法
2025/06/20


お客様のお悩みとご依頼のきっかけ、弊社からのご提案
こちらの金沢区のS様は急にスレート屋根が一枚落ちてしまい、お隣の外壁を傷つけてしまったとのことで、屋根がどんな状態になっているのか、修理はどれぐらい費用がかかるのか、まずは見てもらいたいとご連絡をいただきました。
1年ほど前に近所で塗装工事を行っていた業者に声をかけられて「塗装すれば長持ちする、台風でも心配ない」と言われて屋根と外壁の塗装を依頼されたそうです。
しかし施工から3ヶ月足らずで、強風の際に破れた屋根材が落下してしまったとのことでした。最初は施工した塗装業者に連絡をしたけれども一向にちゃんと対応してもらえず、屋根がどんな状態になっているのか不安になったので、屋根修理業者にしっかりと見てほしいとのことで今回ご依頼をいただきました。
現地に伺ったところ、塗装したにも関わらず3ヶ月で破損した理由は、既存の屋根材が「グリシェイドNEO」という商品で塗装には不向きの屋根材だったことです。
グリシェイドNEOはノンアスベスト屋根材の一つで、屋根材そのものに十分な耐久性がないために塗装を行っても劣化を止めることはできません。屋根の耐久性そのものの回復のためにはカバー工法や葺き替え工事が必要です。おそらく塗装業者は塗装に不向きなスレート材の知識がなく塗装をおこなったのではないかと思います。
お客様とご相談した結果、1年前に塗装したばかりだというご事情も考慮して、ヒランビー220にてカバー工法を行いました。
横浜市金沢区にて塗装して三か月で屋根材が落下したグリシェイドNEOにカバー工法 工事の概要
現場住所 | 横浜市金沢区 |
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お客様名 | S様邸 |
築年数 | 16年 |
施工内容 | 屋根カバー工事 |
施工箇所詳細 | 屋根全体 |
使用屋根材1 | ヒランビー220(稲垣商事) |
使用屋根材2 | タディスセルフカバー(田島ルーフィング) |
横浜市金沢区にて塗装して三か月で屋根材が落下したグリシェイドNEOにカバー工法|施工内容
施工前の様子
こちらが施工前の屋根の様子です。
ドローンを飛ばして調査を行いました。屋根材自体の劣化が懸念される際には、人が乗ることで屋根材が割れてしまうこともあるためドローン調査が適しています。
一年前に塗装をされているのでパッと見た感じはきれいに見えます。
グリシェイドNEOは2001年に旧クボタ(現KMEW)が製造・販売された屋根材です。
2006年にアスベストが全面規制される前は、多くの建材に耐久性を向上するためにアスベストが含有されていました。当時の屋根材の多くにアスベストが含まれておりましたが、健康被害が指摘され始めた1990年ごろから各企業はアスベストを含まない屋根材の開発を始めます。この1990年後半〜2004年頃に発売された屋根材のほとんどが、十分な耐久性をもっていないため、10年程度で劣化するなど多くの不具合が報告されており、多くが発売中止となっています。
グリシェイドNEOもそんなノンアスベスト屋根材の一つです。
屋根材自体がもともと耐久性がないので、塗装で一時的にきれいにすることはできても、耐久性を回復することはできないため塗装をしても意味がないのです。


こちらは強風で屋根材がはがれてしまった箇所です。

ひび割れをコーキングで補修した跡も見られます。
放っておくと、屋根材の劣化が進んで、剥がれやひび割れが進行し、そして下のルーフィング(防水シート)の劣化も進行すると雨漏りしてしまいます。
新しい屋根を施工するため、今回はカバー工法を行います。
カバー工法の様子
ルーフィング張り


まずは棟板金を撤去します。
カバー工法ですので、既存の屋根材は撤去せず上からルーフィングを被せていきます。
このルーフィングは屋根がひび割れて雨水が入り込んでも雨を防いで排水してくれる非常に大切な役目をしています。
タディスセルフという粘着付きのルーフィングを使用しました。

屋根の形が複雑ですが丁寧に重ね代をとって施工します。
ヒランビー220施工


ルーフィングの上から新しい屋根材を施工します。
今回使用したのは、ヒランビー220という屋根材です。
カバー工法である事と、少しでも費用を抑えつつ出来るだけ長持ちする商品という理由から、こちらを選びました。
棟の施工


屋根材が葺き終わったら、棟を施工していきます。
棟板金の下地となる貫板には腐食に強い樹脂製のものを使用します。
そして上から棟板金を被せて固定します。
カバー工法施工後の様子


工事で改善した点・期待できる効果
耐久性の低下した屋根にカバー工法を行ったことで、既存スレートが落下する心配がなくなり、台風でも安心して生活できるようになりました。
屋根を新しくすることで屋根全体の耐久性が向上しました。
工事で気をつけたポイント
お客様がとても不安になられていたので、出来るだけ早期の工事ができるよう他のお客様と交渉して優先的に工事を行いました。
施工担当者より
お客様へのお礼
この度は弊社に工事をご依頼いただき誠にありがとうございました。
お客様からは、「塗装したにも関わらず屋根材が落ちてきて不安だったが、契約前の相談で親切丁寧に説明してもらって安心できた。納得、満足の結果でした。また予算にも柔軟に対応してもらえてよかった」とお喜びいただけました。
今後もし何かご不安なことなどありましたらいつでもご相談ください。
同じ工事を検討されている方へ
同じように塗装できない屋根には、ニチハパミール、かわらU、コロニアルNEO、レサスなど様々な種類があります。
もしもご自宅が、1990年後半~2000年前半に建てられていた場合、このような塗装できない屋根の可能性があります。
塗装できない屋根に対して、塗装をすすめる業者も残念ながら多く見受けられます。
耐久性のない屋根に塗装をしても意味がなく、数年で劣化して無駄になってしまいます。
ご自宅で使用されている屋根材が何なのか、どんな特徴があるのか、今一度調べてみてはいかがでしょうか。
屋根の劣化具合やどんな状態か、何の屋根材が気になる方は、プロの屋根屋による屋根の無料点検・調査を行っておりますのでお気軽にご相談ください。
また、「屋根の劣化を指摘されたけれども不安」という場合もお気軽にご相談ください。