ガーデニングやアウトドア用品など普段あまり使用しないものをしまっておくのに便利な物置。
しかし大抵の物置は屋外にあるため、紫外線や風雨によって影響を受けやすく、いつの間にか屋根が傷んでいて雨漏りしていたなんていうことも。
使用頻度が高くないと劣化に気が付かず、メンテナンスにまで意識が及びにくいことがあります。
今日は、物置の屋根の種類や、DIYでできる修理方法、種類別のメンテナンス方法をご紹介します。
物置の屋根の種類について
一口に物置といっても様々な形状がありますが、物置の屋根には大きく分けて金属屋根と樹脂製屋根の二種類に分けることができます。
金属屋根
トタン
金属屋根として古くから使用されてきたのがトタン屋根です。
トタンは明治時代から日本で使用されはじめ、軽くて火に強いことから広まっていきました。
トタンは鉄の素地に亜鉛のメッキがほどこされた亜鉛メッキ鋼鈑です。亜鉛の犠牲防食という作用によって通常の金属よりは錆びにくくなっています。
しっかりとメンテナンスを行えば10~20年程度の耐久性があります。
しかし傷がつくとそこから錆びてしまい、放置すると全体に広まり、そのうち穴が空いてしまいます。
海沿いなどの地域では塩害によって特に錆びやすいため注意が必要です。
定期的に塗装を行ってメンテナンスをすることで錆の発生を防ぐことができます。錆が発生したら錆をしっかり落として錆止めを塗ってから塗装を行います。全体に錆が広がっている、穴が空いてしまっているような場合には塗装ではなく葺き替えなどが必要になります。
ガルバリウム鋼鈑
トタンに代わって、最近では物置の屋根にもトタンを改良したガルバリウム鋼鈑が用いられることが増えています。
屋根だけではなく物置全体が、塗装された鋼板や、ガルバリウム鋼鈑をでできていることもあります。
ガルバリウム鋼鈑はトタンの亜鉛メッキにアルミニウムを添加することで錆に対して耐性を上げており、トタンの約3~6倍錆びにくくなっています。
ガルバリウム鋼板の耐用年数は25~30年です。
こちらも傷がつくとそこから錆が発生してしまうため、傷がついていないか、錆ができていないか定期的に点検することが長持ちさせるには必要です。ガルバリウム鋼鈑も定期的な塗装によるメンテナンスで錆や雨漏りを防げます。錆が広がったり穴が空いている場合にはやはり葺き替えやカバー工法が必要です。
樹脂製屋根
既製品の物置ではなく、手作りの物置にはよく樹脂製の波板が使用されています。
塩化ビニール
塩ビと呼ばれる塩化ビニールは合成樹脂の中でも最も一般的な素材で、加工もしやすく、ホームセンターなどでも気軽に購入できるため広く使用されています。
塩ビは紫外線に弱く、約3年程度で変色や変形などの劣化が始まります。これらの症状が出てくると耐久性が落ち、強風によって破損する可能性があります。劣化症状が出ている場合には張り替えを行う必要があります。
ポリカーボネート
ポリカーボネートは「ポリカ」とも呼ばれ、透明度が高く、合成樹脂の中でも衝撃に強い素材で、カーポートや高速道路の透光板にも使用されています。耐用年数は15年程度で、塩ビよりも長持ちするため、最近では塩ビに代わってポリカーボネートが主流となりつつあります。
紫外線に長期間晒されると劣化し、変色などの劣化症状が発生してきます。
劣化したポリカーボネート屋根は、張り替えにて対応します。
DIYでできる物置屋根の修理方法
物置屋根の穴が空いている場合やひび割れなどはなんとかDIYで対応したいと思われる方は多いのではないでしょうか?
コーキングでの補修
屋根に小さな穴やひび割れがあるような場合には、コーキング材で応急処置が可能です。
錆がある場合は、まずは錆をきれいに落としてから補修を行います。錆は放置すると広がってしまうため錆を落として錆止め塗料を塗っておくことで錆の広がりを防止します。
コーキング材は素材に合ったものを選ぶ必要があり、下地の処理や、必要に応じて下地材を塗ることも必要です。
慣れていない方が行うとすぐにはがれてしまうこともあります。
もっとお手軽に防水機能のある防水テープでふさいでしまうことも可能です。
破損個所をきれいに掃除した上で、ハサミなどでちょっと大きめにカットして張りつけることで応急処置が行えます。
屋外の場合はアルミ製の防水テープが合成ブチルテープよりも防水性や耐久性に優れています。
防水テープでの補修
ひび割れが小さい場合や、穴が大きくない場合には、防水性のある補修テープで補修が行えます。
補修する箇所を古い布に洗剤をひたして拭いたり紙やすりを使ってきれいにしたあと、隙間なくテープを貼ります。
濡れていると粘着が弱くなるため、しっかりと乾かしてから貼ってください。
波板の張替え
ポリカ波板などの一部が破損した場合、張替えも可能です。
ポリカ波板はホームセンターで購入できます。他にも波板鋏、メジャー、傘釘、電導ドリルなどが必要です。
必要なサイズに波板をカットし、必要な重ね代をとって重ね、電導ドリルなどで穴をあけてから傘釘で固定をします。
ブルーシートを被せる
破損個所が不明で雨漏りが発生しているような場合は、全体にブルーシートを被せて応急処置を行います。
ブルーシートを被せたあとは土嚢などで固定をしておきましょう。
これらの処置はあくまでも一時しのぎ応急処置です。
物置屋根全体が傷んでいるような場合や雨漏りを起こしている場合には、全体を葺き替える本格的な補修を行った方安心です。物置そのもの耐久性の劣化を防ぐこともできます。
DIYによる補修は応急処置まで
DIYによる補修は、あくまでも応急処置とお考えいただき、本格的なプロに依頼することをおすすめします。
たとえば経年劣化によって屋根に穴が空いている場合、屋根全体が劣化していることが原因のためそこをふさいでもまた新しい穴がすぐに開いてしまう可能性がきわめて高いといえます。
物置が保証期間内であれば、メーカーや販売店に問い合わせてみましょう。
保証期間が切れており、経験劣化による場合は、プロに依頼して買い替えが必要か、あるいはどのくらいの修理で済むのか状態を調査してもらうと安心です。
ブルーシートを被せていても破損個所が直るわけではなく、内部で腐食が進行する危険もあるため、早めに修理や調査の依頼をご検討ください。
物置屋根の補修方法
金属屋根の場合の補修方法
カバー工法
物置の屋根の場合も通常の屋根のように、屋根のめくれなどそこまで傷んでおらず、屋根の強度がある場合には上から屋根をかぶせるカバー工法が行えます。
屋根が二重になるため耐久性が向上します。
葺き替え工事
屋根の全体に傷みがひどく、全面に錆や穴あき、めくれなどの大きな破損が見られ屋根の強度がカバー工法に耐えられないような場合には屋根を一旦撤去して新しくする葺き替え工事を行います。
樹脂製屋根の場合
塩ビやポリカなど樹脂製の屋根の場合には、傷みや破損の状態によって部分補修で済むケースもありますが、全体に変形や変色が起こっている場合には全体の張り替えを行います。
この際に、屋根を支える骨組みの補強も必要に応じて行います。塩ビの屋根の場合、ポリカーボネートに葺き替える方が耐久性も向上し、費用対効果で考えるとローコストでお得になります。
まとめ
物置屋根には大きく分けて金属製屋根と樹脂製屋根があります。
金属製屋根は以前はトタンが主流でしたが今は錆に強いガルバリウム鋼板が主に使われています。
樹脂製屋根は、安価な塩化ビニールから衝撃に強いポリカーボネート製の波板屋根が増えています。
物置はあまり使用しないものを格納しているため、普段意識の行きづらい場所ではあります。
そのため気がつかない内に雨漏りが発生して、中が水浸しになってしまい、中のものが濡れてダメになってしまったというケースも少なくありません。
なるべくお金をかけずに修理をしたいとDIYでなんとかしたいと考える方もおられます。
しかしDIYでの補修はあくまでも応急処置であり、適切な補修が行えなかった場合には不具合が再発してしまうケースも多く見られます。
しっかりと点検をして、葺き替えなど適切な工事を行うことが物置や中に収納しているものを守ることにつながります。
福田総業ではお家の屋根だけでなく、物置の屋根の修理やメンテナンス、葺き替え工事にも対応しております。
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