株式会社福田総業がお客様に材料を提案する際に重視するポイント
屋根形状・立地に適しているか
屋根勾配や既存の構造によって、どの材料が使用可能なのかを絞りこんでいきます。次に立地によって塩害地域なのか、高台で風の吹き上がりがある場所なのかなどによって更に材料を絞っていきます。
工事後の保証
お客様のご予算やご希望や価値観をお伺いして、材料品質と施工価格とお客様が求めている物のバランスが釣り合っている材料を最終的にご提案しています。
以上の点から現在では材料高騰の影響もありますが、葺替えならニチハ株式会社の横暖ルーフ、カバー工法ならヒランビー220をお薦めする事が多いです。二つの屋根材について詳しくご紹介します。
横暖ルーフ
「横暖(ヨコダン)ルーフ」は、断熱材一体型の、横葺き嵌合式金属屋根材です。ブランド名は「センタールーフ」で商品名が「横暖ルーフ」です。
横暖ルーフは2000年に販売され、すでに20年以上の歴史と実績のある屋根材です。当初はチューオーという会社が製造販売を行っていましたが、2003年にニチハと資本提携を行って現在はニチハ株式会社が販売を手掛けています。
現在主流となっている断熱材一体型横葺き金属屋根の先駆者的な商品でもあります。
遮熱鋼板(塗装高耐食GLめっき鋼板と)と断熱材(硬質ウレタンフォーム)を一体化した高機能性屋根材であり、メーカー保証が最大で20年。耐久性に優れた実績のある屋根材です。
横暖ルーフの全体的な特徴
独自技術による高い防水性
横暖ルーフの全体的な特徴として、高い防水性があります。
横暖ルーフは横のつなぎ部のつくりが丁寧で、つなぎ目の近くに溝がある特許取得済みの独自構造をしており、この溝によって屋根に雨水などが入り込むのを防いでいます。
軽量な屋根材で耐震対策にも
横暖ルーフの重量は約5kg/㎡で、粘土瓦の1/10、スレート系の屋根材の1/4という軽量の屋根です。軽い屋根は地震の揺れを軽減し、建物への負荷も減らすことができます。もしも瓦屋根から「横暖ルーフ」に葺き替えた場合、耐震性能は30%もアップします。
断熱材一体構造による断熱効果と遮音効果
断熱材一体構造のため、金属屋根で気になる暑さと防音性を軽減します。また表面には遮熱機能付きの塗装高耐食GLめっき鋼板を採用し、太陽光に含まれる赤外線を反射することで屋根材表面の温度の上昇を防ぎます。
横暖ルーフの種類と各特徴
横暖ルーフの全体的な特徴横暖ルーフには「横暖ルーフS」、「横暖ルーフα S」、「横暖ルーフプレミアムS」、「横暖ルーフα プレミアムS」の主に4種類あり、それぞれ特徴や価格が異なります。他に表面に意匠性の高いちぢみ塗装を施した「横暖ルーフα S ちぢみ塗装」という種類もあります。
種類 | 鋼鈑の種類 | かん合部の断熱材 | 断熱材の厚み | 塗膜の種類 | メーカー保証 |
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横暖ルーフS | ガルバリウム鋼板 | - | 最大12mm | ポリエステル樹脂 | 塗膜15年・赤錆20年・穴あき25年 |
横暖ルーフα S | ガルバリウム鋼板 | 〇 | 最大17mm | ポリエステル樹脂 | 塗膜15年・赤錆20年・穴あき25年 |
横暖ルーフプレミアムS | SGL鋼板 | - | 最大12mm | フッ素樹脂 | 変色、褐色20年・塗膜20年・赤錆20年・穴あき25年 |
横暖ルーフα プレミアムS | SGL鋼板 | 〇 | 最大17mm | フッ素樹脂 | 変色、褐色20年・塗膜20年・赤錆20年・穴あき25年 |
大きな違いは、「横暖ルーフS」と「横暖ルーフα S」は素材がガルバリウム鋼鈑に表面がポリエステル樹脂塗膜となっています。
そして「横暖ルーフプレミアムS」と「横暖ルーフα プレミアムS」は素材がガルバリウム鋼鈑をさらに改良したSGL鋼鈑であり、表面はフッ素樹脂塗膜というところです。SGL鋼鈑はガルバリウム鋼鈑のアルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%のアルミ亜鉛メッキにマグネシウムを加えることで、ガルバリウム鋼鈑の約3倍の錆びにくさを持っています。またポリエステル塗装は変色しやすいですが、フッ素樹脂塗膜は変色や退色に強く、変色、褐色20年にメーカー保証がついています。
※2021年11月より、フッ素樹脂原料の世界的な需給逼迫によって現在、表面にフッ素樹脂塗膜を施した「横暖ルーフαプレミアムS」と「横暖ルーフ プレミアムS」は現在生産を一時停止しています。(2022年7月現在)
ヒランビー220
「ヒランビー220」は、稲垣商事株式会社が販売するガルバリウム鋼鈑の横葺きの屋根材です。
使用しているガルバリウム鋼鈑は、JEF鋼鈑株式のJクラフトを使用。この製品は「クロメートフリー」で、環境負荷物質であるクロメート(六価クロム)を一切含まない、環境にやさしい商品です。
「あやめ折」と「さざ波加工」を施すことで歪みの防止と強度を高め、さらに雨仕舞と意匠効果があります。
広く使用されており、カラーバリエーションも12色から建物に合った色を選べます。
ヒランビー220の特徴
施工性がよく工期が短縮
ヒランビー220は、専用ビス(IC野地板ビス)を使用して下地に固定し、上下・横方向で嵌合部をはめこんでいく嵌合式屋根材のため、施工性がよく、工期が短くて済みます。
コストパフォーマンスが良い
基材がガルバリウム鋼鈑で、耐久性があり、さびにも強く、施工金額も安価なため、コストパフォーマンスの高い屋根材です。また軽量で耐震性も優れており、屋根リフォームにはうってつけの屋根材です。
遮熱塗装や保証、裏張り材のバリエーション
ガルバリウム鋼鈑に塗装を施しており、従来品だけでなく、遮熱・塗膜10年保証のついたカラーステンレスタイプ、遮熱・塗膜15年保証のついたきわみタイプ、遮熱・塗膜20年保証のついたフッ素樹脂塗装タイプがあります。
他にも裏張り材のオプションとして、断熱効果と結露防止に優れた発砲ポリエチレンの断熱材や、防音・断熱性に優れたサウンドプルーフが用意されており、金属屋根で気になる暑さや雨音が響くなどの問題を解消することができます。