ALC外壁とは?雨漏りしやすいって本当?メリットやデメリットを解説

2023/04/21

外壁にも様々な種類があります。
現在主流なのは窯業系サイディングですが、最近ではALC外壁も人気を集めています。
軽量でありながら耐久性にすぐれたALCですが、当然デメリットもあります。
今回はALC外壁について特徴とメリットやデメリット、そして雨漏りを起こす原因や対処方法をご紹介いたします。

ALC外壁

ALC外壁の特徴

「ALC」とは、Autoclaved Light weight aerated Concreteの頭文字をとったもので、高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートを指します。
1920年代にスウェーデンで開発されて、ヨーロッパを中心に世界で広く普及してきました。日本では1962年に開発が開始されています。
ALCは珪石、セメント、生石灰、発泡剤のアルミ粉末を原料としています。
これらの材料に水を加えることで、水と生石灰とセメントが反応してアルカリ成分を発生、このアルカリ成分がアルミ粉末と化学反応を起こして水素ガスが発生します。
ALCには無数の気泡がありますが、この気泡は水素ガスによって作られています。

石灰質の水和反応によって凝固した材料を既定のサイズにカットして、オートクレーブと呼ばれる高温高圧の蒸気釜の中に入れて180℃の温度と10気圧の高圧蒸気によって10時間以上オートクレーブ養生を行うことによって硬化させます。
このオートクレーブ養生により、トバモライト結晶という緻密な結晶を人工生成しています。

ALC外壁のメリット

ALC外壁の特徴

軽量である

ALC外壁は内部に無数の気泡を含むため、非常に軽いことがメリットです。
コンクリートと比べて約1/4の重量のため、ALC外壁を用いることで大型の建物も軽量化でき、建物への負荷や地震の際の揺れを軽減できます。
また中の気泡によって音を吸収し、遮音性が高いこともメリットとしてあげられます。
軽量で施工しやすいため、工期の短縮や人件費の削減効果も特に大型の建物では期待できます。

耐久性が高い

ALC外壁はその製造過程で高い結晶力を持つことと、内部に鉄筋マットやメタルラスが補強材として組み込まれているために高い耐久性を持っています。
定期的なメンテナンスによって、約50~60年の長期的な耐用年数が期待できます。
経年劣化も少ないため、張り替えの頻度が少なくて済むというのも魅力です。

断熱性に優れる

ALCには全体の約8割が気泡であり、その気泡が作る空気層によって熱の伝わりを抑制するため高い断熱効果があります。
外気の影響を受けにくいため暑い夏や寒い冬でも室内の温度を快適に保てます。
温度の変化にも強いため、反りなどのたわみを起こしにくい外壁材でもあります。

ALC外壁のデメリット

防水性が低い

ALC外壁そのものには防水性がなく、また気泡が多い多孔質の構造をしているため吸水性が高い特徴があります。
そのため表面に防水性の高い塗装を行うなどの仕上げが必要です。この防水塗装も約10年で劣化するため定期的なメンテナンスが欠かせません。
また内部に耐久性を高めるために鉄筋マットやメタルラスが組み込まれていますが、内部に水が侵入すると錆が発生して膨張し破損を起こす場合があります。

パネルのつなぎ目が多い

サイディングも一枚一枚のパネルをつなげていくためつなぎ目ができますが、ALCパネルは一枚のサイズが小さいため、サイディングよりもつなぎ目が多く発生します。
このつなぎ目をコーキングで充填して雨水が侵入しないようにするのですが、つなぎ目が多いとそれだけ雨が入り込みやすくなってしまいます。
隙間を埋めるコーキングは10~15年で劣化してしまうので、こちらも定期的なメンテナンスが必要です。

価格が高めで施工の工程が多い

ALC外壁は高い耐久性を持っていますが、他の外壁材よりも価格が高めです。
たとえば一番流通している窯業系サイディングは㎡あたり3,000円~6000円前後ですが、ALC外壁㎡あたり5,500〜7,200円となっています。
長く持つ分長期的にみればお得かもしれませんが、初期費用は高額になってしまいます。
また窯業系サイディングは工場出荷時に塗装仕上げまで行われていますが、
ALC外壁は現場での塗装が基本となるため、その分施工の工程も多くなります。

ALC外壁で雨漏りする原因

ALC外壁で雨漏り

表面の塗装の劣化

ALCの表面を保護する防水塗装が劣化してしまうと、塗料がひび割れや剥離を起こします。そしてその隙間から雨水が内部に侵入してしまいます。
ALCは内部に気泡が多い構造をしており、吸水性が高く、水を含むことで様々な劣化を起こし、やがて雨漏りを起こしてしまいます。
表面の塗装は元々の塗料のグレードにもよりますが、10~15年程度で劣化してきます。
塗料が劣化している場合には、外壁塗装を行います。
劣化した箇所にひび割れなどが生じている場合にはしっかりと補修を行った上で、下地の状態に合わせた防水材で下塗り、中塗り、上塗りの三度塗りで確実な防水処理を行います。

コーキングの劣化

ALCのコーキング補修

ALC外壁の繫ぎ目をうめるコーキング(シーリング)は紫外線などによって劣化してきます。劣化したコーキングは痩せたりひび割れを起こし、その隙間から雨が侵入して雨漏りを起こします。
他にもサッシと外壁のつなぎ目部分もコーキング処理されていますが、こちらもコーキングが劣化することで防水機能が低下し、よくある雨漏り原因となります。
コーキングが劣化した場合、コーキングの打ち増しや打ち換え工事を行います。

コーキング(シーリング)工事については下記もご参照ください。

ALC外壁で雨漏りを防ぐために

セルフチェックで定期的に確認

表面を保護する塗装の防水性が低下していないか、ご自分で時々チェックをされてください。
塗装は、色褪せ、チョーキング(手でさわると粉がつく)、ひび割れ、剥がれの順番で進行していきます。
見た目で色褪せやひび割れがないかどうか、触って粉がつくかどうかなどで塗装の状態を確認することができます。

ひび割れや剥がれがあるからすぐに雨漏りするというわけではありませんが、隙間から入り込んだ雨水は外壁材を傷めてしまいます。
チョーキング現象が起こった段階で早めに塗り替えなどを検討されてください。
ひび割れやはがれを発見したら防水テープなどで応急処置をしておくと雨水の侵入を防ぐことができます。
他にもコーキングが痩せていないか、ひび割れていないかも合わせてチェックをするようにしてください。

定期的に業者の点検やメンテナンスを受ける

ALC外壁塗装

なにか異常をみつけたらなるべく早く専門の業者に相談してください。
定期的なプロの点検を受けることも早めに異常を発見するために有効です。
ALCの表面を保護する防水塗装は10年程度、コーキングは10~15年で劣化してきます。
劣化が本格化する前に塗装やコーキングの修理を行うことが雨漏りを防ぐために重要です。

まとめ

ALC外壁は、軽量で断熱性や遮音性にも優れた建材です。
またメンテナンスをしっかり行えば、50~60年という長い耐久性をもつ点が魅力です。
その反面、構造上気泡が多いため吸水性が高く、パネルの繫めが多く、価格が高めで施工の工程が多いというデメリットがあります。
特に防水性が低いこととつなぎ目が多い点が雨漏りを起こしやすいと言えます。
表面の防水塗装がALC外壁を雨漏りから守っており、この防水塗装の劣化や、つなぎ目をうめるコーキングの劣化が雨漏りの原因となってしまいます。

定期的に必要なメンテナンスをおこなうことによって、ALC外壁の雨漏りを防ぎ、長い耐久性という特徴を活かすことができます。

横浜市でALC外壁の塗装やメンテナンスをお考えの方は、福田総業にご相談ください。

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