屋根の勾配はどう決める?雨漏りしにくい角度は?

2023/02/15

屋根の印象を決める一つの要素に屋根の勾配(角度)があります。
家を決めるときに勾配にこだわる方はあまりおられないかもしれませんが、家のバランスなどの見た目の他にも屋根の勾配によって使用できる屋根材も異なり、さらに雨漏りのしやすさにも関わってきます。

今回は屋根の勾配について各種類やそれぞれのメリットやデメリット、雨漏りのしにくさ、使用できる屋根材などについてご紹介いたします。

屋根の勾配について

屋根の勾配とは?

屋根の角度のことを勾配と呼びます。
屋根に降った水は当然高いところから低いところへと流れていくため、ある程度の傾斜を必要とします。勾配のないフラットな屋根を陸屋根と呼びます。
傾斜がきついほど雨は流れやすくなりますがその分デメリットも存在します。
勾配によって使用できる屋根材の種類も異なり、さらにその地域の気候や風土やデザイン面などを考慮して決定されます。

屋根の勾配の表記方法

屋根の勾配の表記方法

尺貫法勾配

屋根の勾配はいくつか表記方法があります。
3寸勾配、4寸勾配のように寸という表記で表される表記方法を寸で表すのを「尺貫法勾配」と呼びます。
日本の建築業界では現在でも尺貫法が用いられていることもあり、最も一般的に使用されています。
例えば3寸勾配は「底辺が10、高さが3の直角三角形の斜辺の勾配」となり、角度は16.7度です。数字が大きくなればなるほど角度はきつくなっていきます。

分数勾配

水平の長さと縦の長さを約分して表す方法を「分数表記」と呼びます。3/10という分数表記のパターンが多く見られます。
例えば長さが120cm、高さが10cmの場合、勾配は1/12となります。
こちらも分子の数が大きくなるほど勾配がきつくなります。

角度勾配

こちらは実際の角度で表す表記方法です。3寸勾配は実際の角度である16.7と表記します。建築現場ではあまり使用されません。

勾配の種類

急勾配

急勾配

勾配が6寸以上のものを急勾配と呼びます。
急勾配の屋根はシャープな印象になり、特に洋風の屋根に多く見られます。

急勾配のメリット

急勾配の屋根は傾斜がきつい分、水はけがよくなり、雨漏りリスクを減らすことができます
また勾配が急になることで、屋根裏の空間が大きくとれるため収納や屋根裏部屋、ロフトなど屋根裏空間を有効活用できます。また屋根裏(小屋裏)の空間が広くなることによる断熱効果も期待できます。

急勾配のデメリット

勾配が大きくなるとその分屋根全体の面積が大きくなり、屋根の施工費用や屋根塗装、塗り替えや葺き替えなどの屋根リフォームの際の費用も高額になります。
急勾配の屋根は屋根が高くなることと、職人が作業しづらいこともあり屋根足場は必須となります。
また傾斜がきつい分風の影響を受けやすくなるため風の強い地域にはあまり向いていません。

並勾配

並勾配

勾配が3~5寸のものを並勾配と呼び、もっとも普及している勾配です。

並勾配のメリット

最も普及している屋根のため、雨漏りなどのトラブル事例に関してノウハウが蓄積されており、屋根修理がしやすい、直りやすい屋根と言えます。
またほどよい傾斜があるため雨漏りリスクも高くなく、4寸勾配以上であればほとんどの屋根材が対応していることも大きなメリットです。
工事の内容によっては足場が不要なこともあります。

並勾配のデメリット

排水性や施工性などバランスのとれた屋根のため大きなデメリットはありませんが、一般的であるためある意味没個性的になりやすい点があげられます。

緩勾配

緩勾配

勾配が三寸以下のものを緩勾配と呼びます。
施工する場所によりますが、傾斜の緩い屋根はフラットでモダンな印象になります。緩い傾斜を付けて周囲をパラペットで囲んで陸屋根風にするケースも見られます。

緩勾配のメリット

勾配が緩いので風の影響を受けにくくなります。また、屋根の面積が狭くなるため施工費用やリフォーム費用も抑えられます。
作業しやすいため、工事内容によっては足場が不要なことがあります。

緩勾配のデメリット

傾斜が緩いため排水性が低く、雨漏りのリスクが高まります。また水が溜まりやすいため苔も発生しやすく、さらに埃やゴミなども溜まりやすいため劣化しやすい屋根といえます。
また緩勾配ではロフトや天井裏スペースをとりにくくなります。

屋根勾配と使用できる屋根材について

屋根材ごとに排水性や雨への耐久性などが異なるため、屋根材によって使用できる最低勾配が決められています。
屋根の印象で勾配を決めたい場合には、勾配によって使用できる屋根材が決まってきます。
この最低勾配を守らないと雨漏りが発生してしまうため注意してください。
【主な屋根材の最低勾配】

屋根の種類 最低勾配
金属屋根(縦葺き) 1寸以上
金属屋根(横葺き)およびスレート屋根 3寸以上
アスファルトシングル 3.5寸以上
瓦屋根 4寸以上

このように金属屋根であれば葺き方によってほとんどの傾斜の屋根に対応しています。
逆に瓦屋根では4寸以上ないと施工ができません。

雨漏りしにくい勾配は?

雨漏りリスクの観点からもおすすめの屋根の勾配は4寸以上です
4寸以上あればほとんどの屋根材が使用でき、ほどよい傾斜があるため排水性が高くて雨漏りしにくく、また工事内容によっては足場が不要になるなどメンテナンスのしやすい点もおすすめポイントです。
あまり大きなこだわりがなければ4寸以上の並勾配にされるのをおすすめいたします。

屋根の勾配と太陽光発電の発電効率

最近では屋根に太陽光発電を取り付けられるお家も増えてきました。
太陽光発電の発電効率は屋根の方角に最も大きく左右されますが、屋根の勾配も影響します。
最も理想的な屋根の勾配は30度と言われていますが、地域ごとに南中高度の差があるため、発電効率を考慮されるなら地域に合わせた屋根の勾配にするというのも一つの手段です。

まとめ

今回は屋根の勾配についてご紹介しました。
普段あまり意識されることのない勾配ですが、実は雨漏りやメンテナンス性とも関係のある要素でもあります。
屋根の勾配によってメリットやデメリットも異なります。ロフトの有無やデザイン性の他にも排水性やメンテナンス性など様々な点を考慮された上で勾配についてもご検討いただければと思います。

弊社ではお客様の屋根の状態や勾配に合わせて最適な屋根材をご提案しております。
屋根のことでお悩みなどあればお気軽に福田総業までご相談ください。

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