こんにちは。横浜市港南区の雨漏り修理・屋根修理の専門店「福田総業」の広報担当です。
温暖化が顕著になり、年々夏の暑さが厳しくなっていますね。
日本は湿度も高く、不快な夏を少しでも快適に暮らしたいとお悩みの方は多いのではないでしょうか?
断熱塗装や遮熱塗装では十分に効果が感じられないケースもあります。
現在の新築では高断熱・高気密住宅が標準化しており、住まいの快適化が進んでいます。
従来のお家で葺き替え工事やカバー工法を行う際に、屋根断熱や屋根の通気を見直すことで、大幅に暑さを改善することができます。
今回は屋根断熱の種類や、天井断熱との違いや断熱のポイントなどをご紹介します。
屋根断熱と天井断熱との違い
断熱には様々な種類があり、屋根断熱もその一つです。
よく似たものに天井断熱があり、これは施工する場所の違いで区別されています。
天井断熱
昔の家には屋根裏が多くありました。この屋根裏があるタイプの家ではほとんどが天井断熱となっています。
天井断熱は、天井の野縁や天井材の裏側(屋根裏の床側)に断熱材を敷き詰めて、屋根裏からの熱が室内に移動するのを遮断します。
屋根裏に空間があることで断熱材の厚みを厚くするなどして十分に増やすことができるのがメリットです。
屋根裏側からの施工ができるため、施工が比較的容易です。
断熱材にはグラスウールやロックウールが主に使用されています。
屋根断熱
一方の屋根断熱は、屋根の勾配に沿って室内面に断熱材を敷き詰めています。屋根で断熱を行うのが屋根断熱です。
現在の家では、吹き抜けになっていたりロフトがあるような屋根裏がない住まいでは、屋根断熱が行われています。
屋根断熱は屋根裏がないなど室内側から工事ができない場合には、屋根の葺き替えなどのタイミングで行います。
断熱材の厚みを厚くすることで断熱効果が高まるため、厚みのあるボード状の断熱材を敷き詰めることで大きな断熱効果を期待できます。
屋根断熱のメリット
小屋裏空間が利用できる
小屋裏ではなく屋根で断熱を行うため、小屋裏を室内と同じように利用できます。
輻射熱の心配がない
天井断熱では熱せられた屋根の熱が小屋裏に伝わり、小屋裏全体の空気が暑くなります。そしてそこからの輻射熱で最上階が暑くなりますが、屋根断熱は屋根の空間が屋根裏ほど厚みがないため輻射熱の心配がほとんどありません。
屋根断熱の種類
屋根断熱には大きく分けて二つの種類があります。
充填断熱
こちらは屋根の垂木と垂木の間に断熱材を敷き詰める工法です。
充填断熱では発泡プラスチック系(スタイロフォームなど)や繊維系(グラスウール・セルロースファイバーなど)の素材の断熱材を用います。
充填する断熱材の種類や、どのくらい隙間なく詰め込めるかなど施工の丁寧さによって断熱効果にばらつきがでやすくなります。
外張り断熱工法
屋根の野地板の外側(上側)に断熱材を張る工法です。
屋根材と防水シートを剥がした後に、野地板の上からボード状の発泡プラスチック断熱材などを張り付けていきます。
ポリスチレンフォーム(EPS、XPS)やフェノールフォームなど素材によって断熱の性能が異なります。
断熱性能が高いフェノールフォームでは旭化成建材の「ネオマフォーム」が有名です。
外側から断熱材を張り付けていくため外張り断熱工法の方が断熱性に優れています。
葺き替え工事の時にしか行えないため、本格的に断熱をお考えの方は屋根リフォームの際にご検討ください。
最近の新築では、屋根裏の充填断熱に外張り断熱を組み合わせる付加断熱という工法が広まっており、高い断熱性を発揮しています。
断熱には屋根の通気や換気も重要なポイント
通気と換気で熱を逃して内部結露も防ぐ
高断熱住宅を考える時には、通気というポイントも見逃せません。
屋根の表面温度は夏には80度にも達し、この熱が小屋裏から室内に移動することで部屋が暑くなります。
屋根や小屋裏に通気層を設けることでこの熱気を逃がして、住宅を傷めてしまう恐ろしい内部結露を防ぎます。
昔の住宅では大きな小屋裏スペースが確保されており、この空間が通気層としての役目を果たしていました。
天井断熱にはこの小屋裏換気が重要となり、屋根断熱には屋根通気が重要です。
昔は瓦屋根の家が多かったため屋根にも通気層が確保されていました。瓦は波型の形状をしていて隙間があり、ここから通気をしています。
瓦屋根以降に多く普及しているスレートや金属屋根は薄く平なため、瓦屋根ほどの通気が確保できません。
屋根断熱では構造上通気層が大きくとれにくく、屋根裏がない家も増えているため、通気層の確保が課題となっています。
天井断熱では屋根裏の換気のために棟や妻側に換気口を設けて換気を行いますが、屋根断熱では棟換気や軒裏換気によって換気を行います。
屋根通気工法で通気層を確保
最近では屋根に必要な通気層を設ける「屋根通気工法」という工法も登場しました。
通常では屋根は垂木の上に野地板、防水シート、屋根材という構造になっています。
屋根通気工法では、垂木の上に張った野地板の上に遮熱シートを敷き、もう一度垂木と野地板を施工することで空気が通る通気層を確保する工法です。
通気層を確保して、吸気や排気して空気を循環させないと結露が発生してしまいます。
結露が発生すると野地板などを傷めてしまい、気が付かないうちに構造材が腐食して家そのものの耐久性を低下させてしまいます。
家の寿命を考える点でこの通気と換気は大変大きな点です。
屋根リフォームの暑さ対策あれこれ
上にあげた屋根の外張り断熱の他にも様々な屋根断熱の方法があります。
遮熱・断熱機能付きの屋根材を使用する
金属屋根は熱を集めやすい素材ですが、遮熱機能があり断熱材がはじめから一体となったタイプ金属屋根材の断熱効果は、屋根材の中でも最も高いとされています。
この断熱材一体型の屋根材の表面には遮熱塗装が施されていて表面温度の上昇を抑え、内部に組み込まれた断熱材によって熱が室内へ移動するのを抑えます。
カバー工法や葺き替えを行う際にこのタイプの屋根材を採用することで大きな断熱効果が期待できます。
断熱材一体型金属屋根で代表的なものがニチハの「横暖ルーフ」や、アイジー工業の「スーパーガルテクト」です。
棟換気を導入
棟換気という棟に取り付けることで、熱が低いところから高いところへと移動する性質を利用して換気を行います。
穴の空いた棟換気を取り付けると雨漏りをするのではと心配される方も多いですが、棟換気そのものは雨漏りしない構造となっています。
雨漏りを起こすのは取り付けの際の施工不良が原因のため、経験豊富な雨仕舞に詳しい板金業者に依頼すると安心です。
遮熱塗料や断熱塗料を塗装する
熱を反射して屋根の表面温度を下げる遮熱塗料や、熱を反射しつつ室内への熱の移動も防ぐ断熱塗料を塗装することも暑さ対策として上げられます。
しかし外張り断熱や充填断熱ほどの効果は期待できず、すでに断熱工事をしている場合などは思ったほどの効果が得られないこともあります。
断熱塗料はどんな効果があるの?メリットデメリットや遮熱塗料との違いも解説
まとめ
屋根の葺き替え工事やカバー工法は人生のうちに何度も行う工事ではありません。その際に屋根の断熱機能を上げることもご検討いただくことで有効な暑さ対策を行えます。
屋根断熱には、垂木と垂木の間に断熱材を敷き詰める充填断熱と、屋根の野地板の外側に断熱材を張る外張り断熱工法があります。
屋根の断熱を考える際には通気と換気も重要なポイントです。
住宅の高気密高断熱化が年々進化し、断熱材も種類が増えて高機能化しています。
他にも屋根リフォームにおける暑さ対策としては、遮熱・断熱機能付きの屋根材を使用する、棟換気を導入、遮熱塗料や断熱塗料を塗装するなどの方法があります。
お客様の住宅の状態に最適な方法を施工業者と相談してお選びください。
横浜市でご自宅の断熱効果や、通気や換気でお悩みの方、一度福田総業までご相談ください。
屋根のプロが診断して最適な工事をご提案いたします。