こんにちは、横浜港南区の雨漏り修理・屋根修理の専門店、福田総業です。
屋根も大切なご自宅を守る重要な箇所ですが、外壁も日々雨や風から住宅を守り、暑さや寒さから住む人を守ってくれる大切な役割を担っています。
また外壁は目につきやすく、面積も広いため家のイメージを決定づける重要な要素でもあります。
道を歩くと色々な外壁が目につきます。
こちらでは外壁の工法の違いや、主な外壁材としてサイディング(窯業系、金属系)モルタル、ALC、木製羽目板についてそれぞれ特色やメリット・デメリットをご紹介いたします。
外壁材の工法の違い
外壁には様々な種類が存在しますが、工法で見ると大きく分けて水を使わない「乾式工法」と水を使用する「湿式工法」に分けることができます。
さらに、外壁を直に下地に張り付ける直貼り工法と胴縁を入れて通気層を設ける通気工法があります。
湿式工法
湿式工法は、古くから使用されてきた工法で、建築現場でモルタルやコンクリート、漆喰、土壁、石膏などの塗り壁材を現場で水と混ぜて練って作り、それを職人がコテなどを使用して外壁の下地や仕上げ材として使用していました。職人の手作業のため手間と時間がかかりますが味わいのある仕上がりになるのが特徴です。
モルタル、漆喰などの塗り壁、コンクリート打ちっぱなしなどが当てはまります。
乾式工法
一方乾式工法は、工場であらかじめ生産された板状の壁材を建築現場で組み立てます。職人の力量に左右されず、品質が安定し、工期も短縮されるため現在ではこちらの工法が主流になっています。
サイディング、木製羽目板、ALCなどが乾式工法の外壁となります。
直貼り工法と通気工法
昔は防水シートなど下地の上に直接サイディングやモルタルを施工する直貼り工法が一般的でした。しかし住宅の高気密化が進んだことにより外壁内部での内部結露の発生が問題になると、下地に胴縁を施工して通気層を設ける外壁通気工法が一般的になりました。
通気層を設けることで内部結露を防ぐことができます。
現在では窯業系サイディングはこの通気工法で施工することが標準となっています。
湿式のモルタルでも最近は胴縁を入れる通気工法が採用されています。
主な外壁材について
サイディング
現在新築住宅で最も使用されているのがこちらのサイディングです。
あらかじめ工場で成型された板状のサイディングボードと呼ばれる外壁材を張り合わせていきます。
サイディングには素材によって窯業系サイディング、金属系サイディング、木材系サイディング、樹脂系サイディングがありますが、日本では現在窯業系サイディングがシェアの70%を占めており、次に金属系サイディングが人気です。
以下素材別のサイディングについて特徴やメリットデメリットをご紹介します。
窯業系サイディング
窯業系サイディングとは、セメントに繊維質を混ぜて板状に形成した外壁材で、タイル調や木目調、自然石風など非常にデザインや色味が豊富で幅広い選択肢から選ぶことができます。
耐用年数は約40年で、メンテナンスは約7~10年のサイクルで行う必要があります。
窯業系サイディングのメリット
メリットは他の外壁材と比べて比較的安価であり、耐火性・耐久性・断熱性に優れています。
窯業系サイディングのデメリット
デメリットは外壁材そのものに防水性がないため、シーリングや塗装などの定期的なメンテナンスが必要になることです。
金属系サイディング
金属系サイディングは、屋根材に使用するガルバリウム鋼鈑などの金属を外壁材として成型したものを使用します。
耐用年数は約40年で、メンテナンスサイクルは約10~15年です。
金属系サイディングのメリット
金属製の屋根材と同じく軽量で丈夫であり、さらに防水性が高く耐用年数が高いというメリットがあります。
金属系サイディングのデメリット
デメリットは窯業系サイディングよりもデザインの選択肢が少なく、キズが付きやすいということです。
メタリックでクールなデザインになりますが、無機質と感じる方もおられます。
ガルバリウム鋼板製などの金属サイディングも長持ちさせるためにはメンテナンスが重要です。
モルタル外壁
モルタル外壁は、ラスという網状の金物の上から水と砂とセメントを混ぜ合わせた素材を塗り固め、上から塗装で仕上げる外壁です。サイディングが普及する1990年以前の戸建ての住宅でよく使用されていました。比較的安価でデザインの自由度があります。
メンテナンス期間は5~7年で、耐用年数は約30年です。
モルタル外壁のメリット
部材を組み合わせるサイディングとは違ってモルタル壁は職人が手作業で作り上げるため、質感や風合いといった意匠性が高い仕上がりになります。
また、モルタルは不燃材料として認められており、防火性が高いことも大きなメリットとしてあげられます。
モルタル外壁のデメリット
デメリットは、モルタルは乾燥収縮を起こすためひび割れが発生しやすく、素材自体に防水機能がないので塗装によるメンテナンスが必要になります。手作業なので工期も長く費用も高めになります。
ALC
ALC外壁とは、Autoclaved Light weight aerated Concreteの頭文字をとったもので、軽量気泡コンクリートとも呼ばれます。1920年代に北欧で開発され、ヨーロッパを中心に普及してきました。
日本の外壁はサイディング、モルタルで戸建て住宅外壁シェアの約8〜9割を占めていますが、3番目にくるのがこのALCです。
ALCはセメントと珪石、生石灰、発泡剤となる粉末アルミニウムなどを主原料に、高温高圧で蒸気養生を行うオートクレーブ養生で生成され、内部に気泡を含んでいるのが特徴です。
耐用年数は約60年と非常に長く、メンテナンスサイクルは10年前後です。
ALC外壁のメリット
サイディングよりも軽量で、非常に耐火性に優れています。
耐震性・断熱性・耐久性にも優れており、も高層ビルや公共施設にも使用されています。
ALC外壁のデメリット
デメリットはALCはサイディングよりも一つ一つが小さい部材で、その分継ぎ目が多くなり、漏水の危険やシーリング補修などのメンテナンス費用が高くなります。また主成分がセメントのため吸水性が高く塗装のメンテナンスも必要です。
ALCは優れた機能を持つ外壁材ですがその分高価なこともデメリットです。
木製羽目板
木でできた板をパネル状に張った外壁で、木の質感をぬくもりを感じられる日本家屋を代表する外壁です。
今では少なりなりましたが、歴史的景観の残された地域や、古い家屋が残る地域に行くと目にすることができます。
縦に張ったものは「縦羽目」、横に張る場合は「横羽目」と呼ばれます。
木材ならではの断熱・調湿効果に優れ、高温多湿の日本の風土に合わせた古くから使われてきた外壁材です。
羽目板の張り方には、同一の平面に張っていく羽目板張りと、板の端を少しずつ重ねてはる(羽重ね)下見板張りがあります。
板材には杉やヒノキ、レッドシダー(米杉)がよく用いられます。
耐用年数は約100年といわれていますが、長持ちさせるためには3~5年に一度のメンテナンスが欠かせません。
木製羽目板のメリット
木製羽目板はやはり木の質感が醸し出す経験が大きなメリットです。
他にも張替えが簡単で、重量が軽いため負担も少なく、断熱性や調湿性も高いです。
木製羽目板のデメリット
デメリットは長持ちさせるためには塗り替えなどのメンテナンスが欠かせないことです。
通常サイディングは約8年がメンテナンスの目安ですが、羽目板は3年から5年に1回程度とこまめなメンテナンスが必要です。
水分を含むと膨張伸縮が起こりやすく、耐火性に劣ることもデメリットとして挙げられます。
まとめ
屋根の他に家を守る大切な要素である外壁にも様々な種類があります。
外壁は見た目だけでなく、防火性など機能面やメンテナンスの周期などトータルのコスト面から検討されることが重要です。
木質外壁は見た目はいいですが、メンテナンスの手間やコストがかかります。
それぞれのメリットデメリットを把握した上で外壁を選び、適切なメンテナンスを行うことでより長持ちさせることが可能です。
またどのような工法で施工されているかも重要です。
通気工法・直貼り工法どちらで施工されているかによって内部結露のリスクや、メンテナンスの際に使用できる塗料も変わってきます。
福田総業では外壁の張替えや補修も行っております。
横浜にお住まいの方で外壁のことでお悩みがあればぜひご相談ください。