方形屋根のメリットデメリット、寄棟屋根との違いについて

2022/11/29

こんにちは、横浜の雨漏り修理専門店、福田総業です。
前回は日本の伝統的な屋根の形である寄棟屋根についてご紹介をしました。
その寄棟屋根の一種で、同じく伝統的な屋根の形状で寺院などにも採用されている屋根に方形(ほうぎょう)屋根があります。
寄棟屋根の一種なのでメリットやデメリットも寄棟屋根と似ていますが異なるところや独自の特徴もあります。
今回はそんな方形屋根の特徴やメリットやデメリット、メンテナンス方法についてご紹介します。

方形屋根とは

方形屋根とは?寄棟屋根との違い

方形屋根と寄棟屋根の違い

方形屋根は、頂点から四面の屋根で構成されています。頂点のかき合いと呼ばれる部分から同じ角度で四つの屋根が棟へと下っていく形状をしています。
寄棟屋根には頂点に大棟という棟がありますが、方形屋根にはこの大棟がありません。
そのため寄棟屋根は屋根の二面は台形であり、残り二面が三角形ですが、方形屋根はどの面からみても屋根がピラミッドのような三角形をしており、上から見ると正方形をしています
正方形の間取りではこの方形屋根が採用されていることが多いです。

方形屋根のメリット

バランスのよい美しい形状

方形屋根

方形屋根は大棟がないため正面から見るとピラミッド型の美しい三角形を描きます。
バランスがよく、重厚感と安定感のある屋根です。

四方に屋根があるため外壁が保護できる

寄棟屋根のように四方に屋根があるので、外壁に雨や風、紫外線が直接当たることを防ぐことができます
方形屋根は棟が深いことが多く、棟の出が長いほど、雨風が外壁に当たる部分は少なくなります。
雨や雪を四つの面に分散できるため、負荷も分散でき、雪をおろす際も四方に分けておろすことが可能です。

耐久性が高い

方形屋根は四方に同じ角度で屋根が配置されているので、構造的に安定しています。
内部が正方形をしているため、構造を丈夫にしやすく風や地震にたいして強い造りにすることが可能です。

斜線制限に強い

建物を建てたい土地に様々な制限があるケースがありますが、斜線制限もその一つです。
斜線制限とは、建物のを高さを制限して周辺の土地や建物に影がかからないようにして日照環境を確保するための制限です。
寄棟屋根や方形屋根は屋根の高さそのものを抑えられることと、四つの面に屋根があるため、隣地境界線や道路から延びてくる規制の線に対して対応しやすくなっています
家の北側の高さに対して規制が厳しい都心部で寄棟屋根や方形屋根はよく見られます。

方形屋根のデメリット

雨漏りリスクが高め

方形屋根には寄棟屋根と同じく、屋根が四面あり、それぞれの屋根の屋根の勾配部分が出会う箇所に隅棟が設けられます。この隅棟がある分、切妻屋根よりも雨漏りリスクは高くなってしまいます
また、隅棟の接続部分であるかき合いも雨漏り発生リスクの高い部分です。

屋根裏の換気スペースが限られる

方形屋根は大棟がない分、寄棟屋根よりも屋根裏のスペースがさらに狭くなります。そのため換気扇などを設置しにくい構造をしており、スペースがない分、断熱機能もあまりありません。
屋根裏は湿気や結露しやすい箇所のため、方形屋根の頂点部分に設置する棟換気を設置するなど、換気の工夫を行う必要があります。

太陽パネルを設置しにくい

方形屋根は全ての屋根が頂点に向かって収束している三角形を描いているため、一つの屋根の面積は大きくありません。そのためソーラーパネルの設置するには向いていません。

方形屋根のメンテナンス

かき合い部分のメンテナンスが重要

方形屋根で注意すべきメンテナンスのポイントはやはり棟が交わる頂点のかき合い部分です。
風雨の影響を受けやすく、板金の継ぎ目を埋めるシーリングは紫外線や風雨で劣化してしまいます。
早い場合には3~5年程度でシーリングがひび割れなどの劣化症状を起こし、隙間から雨が侵入する恐れがあるので、数年おきに点検を受けてシーリングや棟板金の状態をチェックしておくことで雨漏りを防ぐことができます。
もしも台風などの飛来物により屋根の一面が破損など起こした場合、方形屋根は面単位で補修が行えます。
ただ経年で劣化して破損した場合には、屋根全体が劣化している可能性があるため、葺き替えやカバー工法などで屋根全体をリフォームする方がより安心です。

まとめ

寄棟屋根の一種ですが大棟がなく、安定感のあるピラミッド型の形状が美しい方形屋根。
耐久性があり斜線制限にも強く、正方形の間取りでは好まれている屋根です。
その反面換気の問題やかき合い部分の雨漏りリスクが懸念されて避けられていた屋根でもあります。しかし専用の棟換気やかき合い部分の点検・補修によって換気問題をクリアし、雨漏りも未然に防ぐことができます。
どんな屋根にもメリットとデメリットがありそれを理解することでお好みの屋根で安心して暮らしていただけます。
しかしどんな屋根も永遠に持つものではありません。
数年~10年に一度は屋点検を受けていただくことで、今の屋根の状態を知り、適切な補修を行うのが雨漏りを起こさないためにも大変重要です。

横浜市で屋根の無料点検や屋根修理、雨漏り修理をお考えの方はお気軽に福田総業までご相談ください。

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