モニエル瓦とは?塗装によるメンテナンスに注意!

2022/08/22

前回のブログでは、セメント瓦についてご紹介しました。
その中で塗装に特徴がありメンテナンス時に注意が必要なモニエル瓦について今日はご紹介します。

「モニエル瓦」とは

モニエル瓦
「モニエル瓦」とは、1970年代~80年代に人気のあった瓦です。素材はセメントに砂利を混ぜて固めたコンクリートでできており、「乾式コンクリート瓦」(洋風コンクリート瓦や乾式洋瓦とも呼ばれます)という種類になります。
主材はセメントのため、業界では「コンクリート瓦」も「セメント瓦」と呼ぶ人も多いです。
モニエルは、オーストラリアのモニエル社とクボタが共同開発し、昭和48年(1973年)に販売が開始されました。
人気が出て広く普及したためメーカーの名前をとって「モニエル瓦」という名称が定着しました。
同じ「乾式コンクリート瓦」でもクボタの「パラマウント瓦」、アサヒ株式会社の「スカンジア瓦」などメーカーによって呼び名が異なります。
ただし現在はいずれも生産中止となっているため、新築の屋根材として使用されることはありません。
モニエル瓦も販売元のモニエル社が2010年に日本から完全撤退しており、現在ではほぼ入手不可能となっています。
モニエル瓦は「着色スラリー」というセメントや砂などでできた着色剤を1mm以上の厚さで塗装し、アクリル樹脂のクリアー塗装で仕上げを行っているのが大きな特徴です。
このアクリル系の塗装であるスラリー層が表面を保護しています。

モニエル瓦のメリット

多彩なカラーと豊富なデザイン

大手メーカーの新築の屋根にも採用されるほど人気がありましたが、その理由は着色スラリーによる多彩な色合いと、和風から洋風まで様々なデザインが豊富であったことにあります。
また製造過程でアスベストを使用せず、陶器瓦のように焼成過程も不要であることから二酸化炭素の発生も抑えられるため、環境にやさしい屋根材でもありました。

遮熱性や防音性に優れる

他にも素材自体が頑丈なコンクリート製のため、暑さや音を通しにくく遮熱性や防音性にも優れています。
また厚みのあるスラリー層の塗膜と、表面を保護するトップコートとしてのクリア塗装が屋根を保護し、強風や豪雨から家を守る、高い防水性と耐火性を備えています。

モニエル瓦のデメリット

屋根材が重い

モニエル瓦のデメリットは、主成分がセメントのため1㎡あたり約43kgと粘土瓦並みの重量があり、重い屋根材です。金属瓦は1㎡あたり約5kgなので約8倍の重さがあります。

塗装によるメンテナンスが必要

モニエル瓦も主成分がセメントのため、素材そのものには防水性がありません。そのため塗装で防水性を持たせています。塗装は日々の風雨や紫外線に晒されるため、10~15年に一度は塗装をする必要があります。

モニエル瓦のメンテナンス

塗装によるメンテナンスには注意が必要

モニエル瓦が経年で劣化してくると、表面のスラリー層が劣化して色があせたり、黒くなってスラリー層が剥がれてきます。
塗装を行う際には、そのまま上から塗装をすると、スラリー層には塗膜がのりにくい性質があるため、せっかく塗装した塗膜とともに、劣化したスラリー層まで剥がれてきます。
そのため塗装の際にはまず現在のスラリー層をきれいに除去しなければなりません。
高圧洗浄でとれない場合には、ケレンによって手作業で分厚いスラリー層を取り除く必要があり、その分工期や工費もかかってしまいます。
またモニエル瓦を塗装する際には専用の塗料を使用する必要があります。専用の下塗り材を塗布し、その上から専用の上塗り材を塗装しないと、瓦と塗料が十分に密着せず塗膜の剥がれにつながります。

葺き替えをすることが一般的

さらに瓦そのものが劣化してくるとひび割れなどが発生します。
ひび割れには軽微なものであればパテなどで補修しますが、大きな場合には交換となります。しかし現在は生産が中止しているため、破損が全体に及んでいる場合にはほかの屋根材で葺き替えることになります。
最近では軽くて丈夫な金属屋根材に葺き替えられる方が多いですね。

1970年代~80年にご自宅を建てられた場合、約40年が経過しており、そろそろ屋根自体の寿命が近づいています。ここで塗装をして少し長持ちさせるよりも今葺き替えてしまった方が長い目でみると結局安上がりになるとも言えます。

お家の屋根がモニエル瓦で劣化や状態が気になる、という方は一度横浜の屋根修理専門店・福田総業にご相談ください。
無料で屋根を診断いたします。

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