雨漏りを科学的に分析・特定する赤外線サーモグラフィー調査とは?

2022/11/16

前回のコラムでは雨漏り修理や雨漏り調査に欠かせない散水調査についてご紹介しました。
従来の調査は目視調査や散水調査がメインでしたが、それらの調査を行っても雨漏り箇所が判明しないケースもあります。
そんな時には、高感度赤外線カメラを使用した「赤外線サーモグラフィー」調査を行います。

赤外線サーモグラフィー調査

赤外線サーモグラフィー調査とは?

雨漏りが起こっている建物を高感度赤外線カメラで撮影すると、表面温度の温度分布を表した熱画像が撮影できます。
サーモグラフィーは物体から放射される赤外線を見える化し、温度を色に変換して表示します。

熱画像で表示

周りに比べて極端に温度が異なっている場所にはなにがしかの不良が発生していることが疑われます。
建物の構造や、温度環境、建材の特性などを総合的に判断してその不良が雨漏りによるものかを判断します。
また撮影を行う際には、その日の天候や日射量、撮影する角度などが熱画像にどう影響するかを考慮する必要もあり、そのため調査員には建物に関する総合的な知識や経験が求められます。

赤外線サーモグラフィー調査のメリットは?

建物に接触することなく調査可能

サーモグラフィー調査は建物に接触することなく撮影するだけで熱画像を得られます。
水を撒くなどの行為も必要なく、居住者の方へのストレスも少なくなります。

足場が不要

散水調査では高所作業の場合足場を組む必要がありますがサーモグラフィー調査ではカメラで撮影するだけのため、足場は不要です。
その分足場代もかからず、安全に調査が行えます。

調査時間が比較的短い

散水調査では長ければ半日~1日という時間がかかることもありますが、サーモグラフィー調査を行えば迅速に雨漏り箇所を発見することができます。調査する場所や条件によって異なってきますが調査時間はおおむ1時間~数時間程度です。
また複数個所から発生している場合も、温度差から判断できるため散水調査でひとつひとつ様々なパターンを確認しながら調査するよりも短時間で終了します。
また一度に広範囲の箇所も調査ができます。

客観的に見える化できる

サーモグラフィー調査を行うと熱画像が撮影され、画面の上で色に分かれて表示されます。
画面で客観的に表示されるためお客様に説明する際も画面を見せながら説明でき客観的に見てもらえます。

結露や断熱材の欠陥も発見できる

赤外線サーモグラフィーを使うと、断熱材が入っていない部分は他と温度差が異なるため、熱画像で知ることができます。
また結露の発生も確認ができます。場所によっては建物にダメージを与える可能性があることを知ることにより、将来の雨漏り発生などの不具合に備えることが可能です。

赤外線サーモグラフィーのデメリット

天候などの状態に左右される

表面温度の熱画像で判断するサーモグラフィー調査は、その日の天候や仕上げ材の状態など影響を受けます。
たとえば建物の表面温度が高すぎる、低気温などによって建物の表面温度が低すぎるなど温度差の生じにくい状態では測定が困難になります。

建物が濡れている状態でないと調査できない

サーモグラフィー調査は、建物が濡れて、その水分が蒸発するときの気化熱を利用して調査するため、雨漏り箇所が濡れている必要があります。雨が降った直後や散水調査を行った後で行う必要があり、散水調査と組み合わせて行うケースも多くあります。

費用が高額になる

赤外線サーモグラフィーに用いる高感度赤外線カメラそのものが高額なため、調査費用が高額になりがちです。

調査は万能ではなく調査員の技術や経験が必要

赤外線サーモグラフィー調査は迅速で建物に影響を与えない非破壊の便利な調査ですが、万能なわけではありません。
調査を実施する調査員には雨漏りだけではなく建築に関する知識や経験が求められます。
撮影を行う天候や使用建材など様々な条件にも左右されるためそれらの条件を全て総合的に判断することも必要です。

赤外線サーモグラフィー調査に向かない・向いている建物とは?

赤外線サーモグラフィー調査に向かない建物は、トタンやガルバリウム鋼鈑など屋根が金属屋根の建物や、隣接する建物との距離が4m未満である建物、そして他の建物や木や電線などの囲まれている建物には向いていません。
住宅密集地で金属屋根の建物の調査には向いていないといえます。
逆に向いている建物は、道路に面した建物、角地の建物、隣接する建物と5m以上離れている建物、サッシや壁から雨漏りしている建物となります。

まとめ

広範囲を迅速に雨漏り調査できる赤外線サーモグラフィー調査。精度も高く画像で客観視できるという多くのメリットがありますが調査には幅広い知識と経験が求められます。
雨漏り修理や雨漏り調査で失敗しないためには、実績と信頼できる雨漏り修理業者を選ぶことが大切です。

横浜市で雨漏り修理や雨漏り調査をご検討されている方は、雨漏り修理の経験豊富な福田総業にご相談ください。

【雨漏り修理の施工実績】


合わせて読みたい記事

最新の施工実績

NEW
Before
After
横浜市栄区にて屋根葺き替え工事 施工前
葺き替え施工後

横浜市栄区にて屋根葺き替え工事

2025/04/01

栄区にお住まいのS様は、ご自宅が築30年を経過して、屋根の葺き替えと外壁塗装をご検討されており、一緒に依頼できるところをということで弊社にお見積りをご依頼いただ...

屋根修理
NEW
Before
After
横浜市戸塚区にて倉庫の雨漏り修理 施工前
折板屋根施工後

横浜市戸塚区にて倉庫の雨漏り修理

2025/04/01

こちらの横浜市の会社様から、二階の事務所から雨漏りしていて困っているというご相談をいただきました。 調査を行ったところ、金属の折板屋根の劣化が進んで錆が発生し...

雨漏り修理
NEW
Before
After
横浜市港南区にて外壁タイルからの雨漏り修理(セブンS防水) 施工前
外壁雨漏り施工後外観

横浜市港南区にて外壁タイルからの雨漏り修理(セブンS防水)

2025/03/31

こちら港南区にお住まいのS様は、以前からタイル外壁のご自宅の複数箇所から雨漏りしており、そのたびに近所の工務店さんに何度も来てもらい雨漏り修理をしてもらったけれ...

雨漏り修理
Before
After
カバー工法施工前
ステンレス屋根にてカバー工法施工後

横浜市港北区にてステンレス屋根へのカバー工法

2025/03/19

こちらのお客様は築16年程の戸建てにお住まいで、今回メンテナンスのためご依頼をいただきました。 現在はスレート屋根でところどころ部分補修された形跡もあり、屋根...

屋根修理
Before
After
横浜市南区にて外壁からの雨漏り修理施工前(外観)
施工後の様子

横浜市南区にて外壁からの雨漏り修理(コーキング工事、外壁塗装)

2025/03/19

南区の戸建てにお住まいのこちらのお客さまは、キッチンの吊戸棚部分から昨夜来の雨で大量の雨漏りが発生していることに気づかれました。キッチンは張り出しになっており、...

雨漏り修理
Before
After
雨漏り修理部分カバー工法施工前
雨漏り修理部分カバー工法施工後

横浜市磯子区にて雨漏り修理に伴う屋根の部分カバー工法(オークリッジスーパー)

2025/03/19

こちらはかなり高齢のご夫婦のお客様で、以前より台所が雨漏りしておられましたが、ご高齢ということもあり今後あまり長く住まないであろうこととご予算が少ないことで悩ま...

雨漏り修理

株式会社福田総業にいただいたGoogle口コミ

TOP