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屋根屋のブログ

社会問題になったニチハパミールとは?見分け方をご紹介

2022/07/14

こんにちは、横浜港南区の雨漏り修理専門店、福田総業です。
みなさんは、ニチハパミールという屋根材をご存じでしょうか?
ここ横浜でもよく見られる屋根材です。
アスベストを含まないスレート屋根として1990年代末~2008年まで販売されていましたが現在は販売中止となっています。
社会問題にもなったニチハパミールについてその問題点と注意点についてご紹介いたします。

ニチハパミール

ニチハパミールとは?

ニチハパミールは外壁材メーカー大手のニチハが1996~2008年に販売していた屋根材です。
種類はスレート材になります。
スレートは販売当初は、屋根に耐久性をもたせるためにアスベストを含んでいたものが普及していました。
しかし規制された2004年以降にはアスベストを含まないノンアスベストのスレートが開発されて販売されるようになります。
スレートの年代別の特徴について詳しくは下記のページをご覧ください。

社会問題に発展

この1990年前半~2000年前半の第二世代スレートは、アスベストの代わりに繊維質を混ぜて成型しているのですが、アスベストを含まない分耐久性に劣り、割れなどの不具合が多い傾向があるため、現在では販売中止になっています。
ニチハパミールも1996年に販売が開始された第二世代スレートです。
当時は画期的だったアスベストを含まない、安価なスレート材ということでシェアを伸ばしていたのですが、やがて社会問題にまで発展していきます。

何が問題だったのかというと、築10年前後で表面の膜が剥がれてきて、10年経つころには屋根材がボロボロの状態になってしまうのです。
屋根材が10年でボロボロになってしまうということはまずありえません。
現在普及しているスレート材の耐用年数は約20~25年です。
メーカーは製造責任を否定しています。メーカの保証は2~5年なのでこれ以降の不具合にはメーカーが保証しなくてても法的には問題がないということになります。

劣化の原因

ニチハパミールは従来のアスベスト繊維の代わりにパルプ繊維を代わりに使用していました。パルプは軽量化や踏み割れ防止には強いのですが、水分を吸いやすいという特徴があります。この高い吸水性がパミールが早く劣化を引き起こす原因になっています。
また、通常のカラーベスト・コロニアル「乾式製法」という製法で作られていますが、パミールは「抄造法」で作られています。抄造法とはミルフィーユやバームクーヘンのように、1〜2mmの薄い板を重ねて加圧して成形する方法です。
パミールはこの薄い層に沿って屋根が剥がれてくる、眉間剥離という現象を起こします。
吸水性によって打ち付けている専用釘が腐食して、屋根材がずれる、落ちるなどの不具合も発生しています。

ニチハのパミールかどうかの見分け方

ご自宅の屋根材が、瓦かスレートかは分かっても、どんなメーカーのなんという商品かまで把握されている方は少ないのではないでしょうか?

仕様書などで確認

もしも家に図面や仕様書がある場合、そちらを見れば使われている外装材などの建材がわかることもあります。
しかし図面などに記載されているものと実際に使用されているものが違うことがあるため、注意が必要です。
もしも仕様書に不燃番号が記載されている場合、一般社団法人建築性能基準推進協会のホームページにて、様々な認定番号で検索することができるので不燃番号を入力すると商品名を知ることが可能です。
一般社団法人建築性能基準推進協会のホームページ

例えば不燃番号「NM-9269」はパミール屋根を指します。

見た目や劣化状態で判別

一番わかりやすいのが見た目で判別する方法です。
スレート屋根は、先端部分に凹凸がある形状をしていますが、パミール屋根は、一枚の屋根材のへこんだ部分と出っ張った部分が均等の幅をしていることが特徴です。

パミールの見分け方

パミール屋根は、通常の「パミール」とパミールの上位品である「パミールA」の「木肌調」という先端部分が直線をしていて木目のような縦に線が入ったタイプが広く流通していますが、他にも「パミールS」の「和瓦調」という先端部分が丸みを帯びたデザインのものも見られます。

パミールS 和瓦調

また層のように剥がれる劣化症状を示すのもパミールの特徴です。

層間剥離

表面が剥離して内部のセメントの白い基材が露出していると危険信号です。早ければ10年前後で劣化が始まり、全体へと広がっていきます。基材の露出が全体に広まるとかなり危険な状態のため、早めにリフォームをご検討ください

パミールのリフォーム方法は?塗装ができないので注意!

通常のスレートなどの屋根の場合は、塗装をすれば防水性の機能が回復し、塗料の種類にもよりますが後10年は持たせることができます。
しかしパミールの場合は屋根材そのものに不具合が発生して剥離しているため、塗装をしても問題は解決しません
パミールの屋根をリフォームする場合は、葺き替え工事やカバー工法になります
葺き替え工事の場合でも、ノンアスベスト屋根のため解体・処理費はアスベスト含有のスレート材に比べるとそこまで高くはなりません。
葺き替え工事について詳しくはこちらをご覧ください。
カバー工法の場合は費用も安く短期間で行えますが、屋根材の劣化が進んでいてもしも下地にまで不具合が発生している際には施工できません。
カバー工法について詳しくはこちらをご覧ください。

まとめ

今回は社会問題にもなったニチハのパミールについてご紹介しました。
パミールは剥離などの劣化が激しく塗装ができません。もしもご自宅がパミール屋根かどうか不安、屋根が剥離しているという方は一度ご相談ください。
福田総業では、お客様の屋根の状態を精査して、お客様のご予算や費用耐効果を考慮して最適な工法・リフォームをご提案にいたします。
横浜で屋根についてお悩みやご不安のある方は一度お気軽にご相談ください。

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