破風(はふ)と言われてすぐピンとくる方はあまりおられないかもしれません。
破風は雨や風に晒される場所のため雨漏りしやすく、劣化を起こしやすい場所です。
破風が劣化することで、雨漏りが発生することがあります。
今回は破風の劣化状態や、それぞれの状態に合わせた修理方法についてご紹介します。
破風の位置と役割
破風は、主に切妻屋根の雨樋のついていない側にある、外壁から屋根がでている三角部分を指します。
破風は「風を破る」という名前の通り下から吹き上げる風を分散する役割や、下や横から吹きこむ雨から屋根や屋根と外壁の接合部を守る役割があります。他にも防火性を高める役割りもあります。
破風の表面を保護するために張られているのが破風板です。
昔は文字通り木材の板が使用されていましたが、最近ではより耐久性の高いガルバリウム鋼板や窯業系の破風が用いられるようになりました。
破風の劣化原因
破風の劣化原因:紫外線や雨風
破風は雨や風から守る役割がありますが、その分雨や風の影響を受けやすい場所とも言えます。
他にも特に南側に破風がある場合には紫外線によって表面を保護する塗膜や継ぎ目のシーリングが劣化していきます。
金属製の場合は雨によって錆が起こる可能性があります。
破風の劣化原因:強風
破風の役割である強風から守るという性質から風の影響も受けやすく、強風を受け続けることで劣化が早まり、脆くなったところに強風にあおられて剥がれしまうこともあります。
破風の劣化原因:積雪
雪やつららが破風に付着している状態が続くと破風がずっと水分を含んだままになり破風の腐食などの劣化を早めてしまいます。
破風の劣化症状
破風の劣化症状には下記のようなものがあります。
破風の色褪せや塗膜の剥がれ・ひび割れ
破風が劣化するとまずは表面に色褪せが起こります。
これは破風板の表面に塗装されている塗料が紫外線などによって劣化を起こすためです。表面の塗料は塗膜を作り、塗料の持つ防水性によって雨から保護しています。
色褪せが進行すると塗料が剥がれたり、ひび割れが起こる場合があります。
色褪せや塗料剥がれは初期の劣化症状のためこの時点で塗装を行うと費用も安くなります。
シーリングの劣化
三角形の頂点部分など破風の継ぎ目部分には隙間を埋めるシーリングが充填され、隙間から雨水が侵入しないようになっています。
しかしシーリング材は紫外線によって劣化しやすく、ひび割れや縮みが発生します。そうして発生した隙間から雨水が入り込んで破風が傷んでいきます。
破風の歪みや反り
破風の中に少々雨水が侵入しても、日光によって乾燥するためすぐに腐食を起こすわけではありません。しかし破風が雨水を吸収して膨張、乾燥による収縮を繰り返すと破風が反りや歪みなどの変形を起こすことがあります。そうして生じた隙間からさらに雨水が侵入してしまいます。
破風の腐食
水が定期的に侵入するようになると腐食を起こします。また金属の場合は錆につながります。
破風だけではなく、屋根や軒天などに腐食が広がる場合もあるため腐食をしないうちに早めに修理や交換が必要です。
軒天の腐食や雨漏り
破風が腐食を起こすと影響を受けやすいのが軒天です。軒天が劣化すると軒天の剥がれやカビなどの劣化症状が現れます。
軒天まで腐食して雨水が多く侵入するようになると室内への雨漏りや、外壁などにも影響がおよぶことがあります。特に軒の出が短い家の場合には、軒天からの雨漏りが室内に出る可能性が高くなります。
破風の劣化別補修方法
破風の塗装
破風の色褪せや塗膜が剥がれているような場合には、破風板を塗装することで補修が可能です。
塗装の目安は新築から約10年程度です。見た目の美しさが回復するだけではなく、塗料のもつ防水性が向上します。
シーリングが劣化している場合はシーリングを打ち直しを行います。塗装の際にシーリングも合わせて補修を行うのが一般的です。
金属板金巻き
塗装が全体に剥がれているような場合や、劣化がそこまでひどくない場合にはガルバリウム鋼板で上からカバーするように巻いていきます。
元々の破風板が木材である場合に最も一般的に行われる補修方法です。
木材よりも耐久性が高く、塗装によるメンテナンスの回数も減らすことができます。
破風板の交換
破風が変形しているなど劣化が著しい場合、また破風の下地まで傷んでいる場合には新しい破風板に交換します。
現在の破風板を撤去して必要に応じて下地の補修を行います。交換の場合は窯業系の破風板を使用することが多いです。
まとめ
破風は屋根を雨や風から守る重要な部材です。
しかしその分雨や風に晒されることが多いため、雨風や紫外線、強風などによって劣化していきます。
破風が劣化すると、破風の色褪せや塗膜の剥がれ・ひび割れ、シーリングの劣化、破風の歪みや反りなどが起こります。
劣化が進行すると破風の腐食だけではなく、軒天の腐食や室内の雨漏りまで発展してしまいます。
状態が軽ければ塗装で補修ができますが、塗装で補修できない場合は板金でカバーする工法が一般的です。
変形など劣化がひどい場合には交換を行います。
破風板の劣化が軽い状態で補修を行えばその分費用も安く、建物への被害も少なくて済みます。
破風の劣化を放置すると雨漏りにもつながるため、劣化に気づいたら早めに補修をご検討ください。
横浜市での破風の修理・交換、屋根修理は福田総業にお任せください。
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